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戦うラムザイヤー教授

◉ハーバード大学の、ジョン・マーク・ラムザイヤー教授が慰安婦制度について、『太平洋戦争における性契約("Contracting for sex in the Pacific War")』と題する論文を、法律・経済学の学術誌International Review of Law and Economicsのオンライン版に発表したのが2020年。もう4年近く前なんですね。あのとき、頭に血を昇らせた方々が、ラムザイヤー教授に対して学術的な反論ではなく、人格攻撃に走ったのを、覚えています。学者や団体が論文撤回を要求しましたが、自分には典型的なキャンセル・カルチャーに見えましたね。けっきょく、論文は撤回されず。

【結論が出たら謝らずに公表 慰安婦=性奴隷を否定、今後も戦い続ける ハーバード大学教授、J・マーク・ラムザイヤーさん】夕刊フジ

 日韓関係が改善ムードにある中、歴史問題の懸案が横たわっている。慰安婦問題をめぐり、日本研究の大家である、米ハーバード大のJ・マーク・ラムザイヤー教授が2020年に世間に流布していた「性奴隷」説を否定する論文を発表した。研究成果や、批判への応答を含めた〝戦いの記録〟を出版し、「学問のために戦い続ける」と決意を示す。
(中略)
 ――2020年の論文で、慰安婦は売春を強いられた「性奴隷」ではなく、あくまで日本国内の公娼制度の延長線上にあることを示しています

「日本社会の書類を集めていると、慰安婦の書類も出て来る。時間をかけて読み進めると、慰安婦の契約も、30年前の公娼制度の契約に関する分析がそのまま当てはまる。面白いと思って、8ページ程度のすごく短い論文を書きました」

https://www.zakzak.co.jp/article/20240309-M4KAJLR6M5L2BACMSC4KAO3KKY/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。

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■倫理観は変化する?■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。生まれてすぐに日本に来て、18歳まで宮崎県で過ごされたため、日本語は堪能。というかネオティブ。そもそも、この問題は吉田清治という詐話師の与太話がベースになっており、戦前戦中の公娼制度と、ほとんど変わらないものですから。今日的な人権感覚からすれば、問題あるとしても、当時は合法であったのですから。宮沢りえさんの18歳の時にはヘアヌード写真集『Santa Fe』だって、現在なら撮影時の年齢的に、発売できませんしね。いわんや、80年以上前の話をや。ここらへんを、すり替えてくるんですよね。

 「東京の公娼は6年契約なのに、慰安婦の方は2年契約と期間が短い上、やや金額も高かったのです。東京にいる公娼は割と安全ですが、海外の慰安所は、近くで戦闘が行われていたり、ジャングルの奥地だったりと危険が伴います。慰安所を運営する側もリスクの中でしっかり働いてもらう必要があるため、互いに納得できる契約をとる必要があったのでしょう」

やはり、契約社会の欧米にあって、ちゃんとした契約書があったというのは、インパクトが大きかったようで。日本軍自体、白馬事件とか末端の暴走はありましたが、おおむね公娼制度に沿っていたわけで。そもそも、日韓併合以前の李氏朝鮮から大韓帝国時代の制度とか、もっと酷くて、朝鮮総督府が法的な部分を整備したぐらいですから。キーセン文化があったのですから、洗練潔白なはずもなく。高麗王朝を屈服させたモンゴル帝国や、大清皇帝功徳碑を建てさせた清朝とか、悲惨な収奪を繰り返していましたしね。興味がある人は、調べてください。

■ドイツの慰安婦狩り■

そもそも、ドイツのメルケル前首相が、上から目線で日本を批判しましたが、実は紛うことなく〝奴隷狩りのような慰安婦集め〟をしていたのは、ドイツ軍なんですね。ポーランドやソ連の占領地で、。で、その件に関して、謝罪も補償もしていません。それなのに、謝罪も補償もした日本が、因縁のような難癖をつけられ、さらなる謝罪を要求される。バカバカしい話です。90年代からずっと、この問題は論点をすり替え・捻じ曲げ、政治的に利用されてきました。

「実際のところドイツ軍慰安所ってどうだったの?結構えげつないことしてたみたいだけど・・・」 ドイツを見習え!でお馴染みのドイツに学ぶ戦時性暴力問題

東ヨーロッパの占領地域では、状況はさらに著しく激しいものであった。ここでは軍の売春宿へ女性を徴募するためにますます暴力が用いられたのだ。その際、該当女性は「モノ」と見なされ、それは感染源の監視のためにある。「人種恥辱(罪)」との非難を避けるために、ドイツ当局はたとえば、売春宿にいるポーランド人を「人」ではなく「モノ」と規定した。たいていの場合命を助けることができるという偽りの約束の下で、強制収容所でも女性は募集された。彼女たちはこんにちまで、どこにおいても犠牲者としては認められていない。

https://togetter.com/li/1076313

白人様のドイツがやったのだから、黄色い劣った猿はもっとひどいことをしただろう、という思い込みと偏見が、そこにはなかったのか? 制度と言っても、例えばリンカーン大統領は1862年9月に奴隷解放宣言をしましたが、二・二六事件で暗殺された高橋是清は、アメリカ留学時代にホストファミリーに騙されて、奴隷契約を結んでしまい、働かされます。これが1867年から68年のこと。そして、それから100年近く経っても、公民権運動で黒人の権利や、差別解消の戦いがあったのは、周知の事実です。慰安婦に契約書があったというのは、そういう意味でインパクトがあったわけです。

■万機公論に決すべし■

学術論文なんですから、学問として整合性や歴史的事実を争えばいいのに、そこでは戦えないので、搦手で来るんですよねぇ。背後には、拉致問題を中和した北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)と、韓国の従北左派の姿も見えます。また、宗教系の暗躍も見て取れます。さらにマスコミがそれを後押しすれば、無理が通れば通りが引っ込むで、力押しが通用してしまう。でも、それこそ左派が常々批判する、同調圧力ってやつですよね? 「あなたがすれば不倫、私がすればロマンス」のダブル・スタンダードが、酷すぎるんですよ。だから、若い人たちには見捨てられるのに。

 「米国の研究者はすぐ日本に『ああしろ、こうしろ』といいがちで、最近は駐日大使までも注文をつけているようで、口に出したくない気持ちもありますね。日米韓も仲良くすべきだとは思いますが、韓国に対しては交渉をする上でも歴史は歴史として、性奴隷ではなかった、とはっきりいうべきです」

力強いですね。けっきょく、性奴隷や強制連行を認めると、「半島の男どもは、高麗後期から李氏朝鮮時代にかけての貢女と同じで、指を加えてみていたのか?」という、情けない話になるのですが。実際は、光州学生事件のように、日本人学生の肩が朝鮮人女学生にあたった程度の話が、フレームアップされて最終的には4万人が参加するような、デモに発展しています。親の知らないところで強制連行されたなら、警察や裁判所に捜査願いや失踪届が残っているのですが、そんな記録と一致する慰安婦はおらず。経済活動としての慰安婦だったのが、見てこれます。

晩期公論に決すべし。


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