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コーチングを受けてみた

そんなつもりで応募したわけじゃなかった。電子契約書になんの躊躇いもなくサインをする自分に、自分がいちばん驚いた。

3月に退職してから十分な自己分析もできず、登録していたキャリアエージェントの担当さんからは「書類審査で通ることも簡単ではありません。少しでも興味がある企業にはとにかく応募することが大事です。」と言われた。その言葉を真に受けて、選考を進めながらもモヤモヤした違和感を拭えずにいた。そんなタイミングで流れてきたSNS広告『無料体験コーチング』のページを読むと、共感できるモヤモヤが言語化されていた。リンクに飛んでみると4日後の日程が空いていて、自分のモヤモヤの正体を知りたくて軽い気持ちで申し込みをした。「他人と話すことで自分の考えがまとまればいい」とか、これまで避けてきた自己分析や自己理解を「正しい方法で導いて欲しい」って気持ちがあった。

そんな軽い気持ちで申し込みをしたから事前に送られてきたワークだって先延ばしにしていた。「体験コーチングを受ける目的」だとか、「〇ヶ月後に欲しい結果や目標」だとか、「それはなぜか」だとか、軽く目を通してページを閉じた。思い浮かぶ回答が綺麗事しか出てこない自分が嫌だった。そのまま向き合わずに当日を迎えるも、せっかく体験コーチングを受ける時間は有意義なものにしたい。改めて事前ワークのページを開いて、開始10分前に回答を送信した。(担当さんには本当に申し訳ないと思っている)中でも「今までの人生でいちばん嬉しかったこと」「辛かったこと」の問いにすんなり答えられなかったことが自分でも衝撃だった。考えて考えて、「人生でいちばん」とは程遠いささやかなことを回答した。

イメージしていたコーチングは幼少期からこれまでの振り返りをして、それに対する感情にフォーカスして、とかそんな感じだった。けど、今回のはそんなんじゃなかった。スルスルと警戒心が解かれていく質問とコミュ力。なにも代わり映えのない平凡な人生、特技も熱い思いもなければ、最低限普通の幸せがあればいいと思っている私の拙い言葉を拾って、上手に言語化して貰った感覚があった。そして、無意識のうちに身につけてきた癖を見抜かれた。

「僕、今日そんなにおもしろいこと言ってる訳じゃないのに笑顔で楽しそうに聞いてくれますよね。でも、自分のネガティブな感情を話す時も笑ってることに気づいていますか?」って。

こう言われて嬉しい、楽しい時だけの笑顔じゃなくて、辛い、悲しい時も笑顔でいる自分を初めて認識した。「感情に蓋をして無理して笑ってないですか?」って。矢継ぎ早に深掘りされる自分に関する質問に考えても考えても納得できる答えに辿り着けないもどかしさを経て、この時ちょっと泣きそうになった。あ、だから私自分の感情が分からなくなってたんだ、って気づいた。

もちろんなにも悪いことだとは思っていない。苦しい時も笑っている人ほど強い、って思うし、そうありたいとも思う。そうやって私は私を守ってきたし、特別満足できずにいる人生でもない。いつもなんとなく平均以上、期待される立場や役割を察して、喜んでもらえる選択肢を選んできた。でもそこに自分の喜びの感情がついてきてなかったかも、ってそう思った。だけど、今更それを修正する方法も分からなくて、自分だけじゃ、自分の周りの人の力だけじゃ変わらないことは明白だった。

本を読んでも、ネットに転がる自己分析ツールを片っ端から試しても、MBTI診断を受けても、気づかなかった自分のモヤモヤに触れた気がした。こうなりたいと思う自分と現実の自分の行動はかけ離れていて、毎年1月に書き込む『今年の目標』には何年も同じ項目が並んでいて、そんな自分に対する諦めも少しあって。そんな自分がちょっと嫌だった。3ヶ月のコーチングで少し自分を変えてみたいと思った。金銭的な投資に回そうと思っていた退職金を自己投資に充てよう、その価値を求めて申し込みを決意した。

コーチングを受ける3ヶ月を通して、自分が目を背けてきた自分の感情と向き合って自己理解を深めていきたい。その先に目標やなりたい姿を明確に描ければいい。変わることを恐れず、今日の決断を未来の自分が褒められるように、かっこいい女性になりたい!そんな気持ちで3ヶ月、自分に向き合ってみようと思います。

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