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スパーリングについての話

今日はスパーリングについての話をしたいと思います。

格闘技を練習するにあたって一番楽しい練習がこのスパーリングなんじゃないかなと思っています。
練習してきた技が相手にかかったりしたら楽しいのはもちろん、うまくいかなくてやられていてもなぜか楽しい不思議なスパーリングの時間。
でもたまにあんまりスパーリングしたくない人種がいるのも事実です。


どんな人種?
①練習と試合の区別がつかない人。
②体重差、実力差がある場合でもお構いなしに全力でやる人。
③ルールを知らない人。

誤解を恐れずに言うとこれらを考慮しない人があまりスパーリングしたくない人だと思います。


①練習と試合の区別がつかない人。
僕は基本的にスパーリングはガチでいいと思います。
ここでいうガチとは試合を想定した練習です。
間違えてはならないのはガチ=真剣勝負であって力が入りっぱなし、フルパワーのことじゃないです。
スパーリングはあくまで練習の一環であって試合ではありません。

スパーリングの結果で勝った負けた言う人がたまにいます。
僕的には道場内でライバル関係にある人同士で今日は負けたけど明日は勝てるように頑張ろうとか、同じ階級のあの子には負けたくない!などいい意味で切磋琢磨して好敵手としての競争関係となっていくのはめちゃくちゃいいと思っています。熱いよ。

が、たまにそれは違うでしょうな人もいます。
今年で道場開設18周年になるんですが以前いた人で、出稽古先で有名黒帯さんから一本取りました!って喜び勇んでSNSに書いていた人がいました。いや、そうじゃないでしょう。試合でしろよって思います。

スパーリングはあくまで練習の一環であって不利な場面などいろいろなシチュエーションを試したりと必ずしも勝つという結果を求めるものでありません。



② 体重差、実力差がある場合でもお構いなしに全力でやる人。
これはもうよくSNSなどで話題になってますがよく目にするのは女性や軽量級、帯下に対してもフルパワーで荒々しくスパーリングする人の話です。
怪我とかも怖いしその通りです。

が、僕はその逆もあると思っています。
女性や軽量級、帯下だったら男性や重量級、帯上には力いっぱいスパーリングしていいのか?という意味にはならないと思います。

スパーリングとは?の話になるのですが、僕はスパーリングとは野球でいうところの「キャッチボール」だと思っています。
キャッチボールは相手に取りやすい球を投げます。
お互いに投げて取ってを繰り返す練習をすることでいろいろな球を取れるようになるわけです。
相手に取りにくい球ばっかりを投げる人とキャッチボールなんて出来ないですよね。
『私は女性(軽量級、帯下)だから自分にはフルパワーで来ないでね、でも私はフルパワーでいくよ。』
というのは
『自分には取りやすい球を投げてくださいね、私は取りにくい球投げますけど。』
そうじゃないでしょうっていつも思います。
セルフィッシュ。
相手が力を抜いてくれる人ならいいですがもし抜いてくれなかった場合、怪我するのは身体が小さい方、弱い方になるわけです。
軽自動車とトラックが同じスピードでぶつかったら軽自動車が壊れますよね。
自己防衛本能と言ってますがスピードを落とす、つまり力をセーブすることで自分を守ることにもなるわけです。
性別、体重、帯色に関わらず、うまくキャッチボール出来るようになってもらえれば怪我も防げて技術もついていい練習になります。


③ルールを知らない人。
どんな競技、ゲームでも言えることですがルールを知らないと当然ですがやってて楽しくありません。
要するに練習する意味もなくなります。

例えばブラジリアン柔術でルールを知っている人が下からやりたいと思って引き込んだのにルールを知らない人が自ら下になってくるなんていうのはまだかわいい方。
ブラジリアン柔術のルールなのに反則であるヒールフックをかけてくる、持ち上げてスラムしてくる、まあいないだろうけどパウンド打ってくる。
こんなことしてきたらもはやスパーリングではないですし、試合でもそんなのあまりないですよね?
ブラジリアン柔術の練習をしたいのであればそのルールを最低限知らないと練習にはならないのです。

スパーリング練習は試合を意識してポイント、スタミナ、つまり力の配分、時間を計算して練習してもらいたいと思います。
力いっぱいやるシーンもあれば脱力するシーン、流すシーンもあって当然です。
そして体重差、実力差があったら相手に合わせて出来るようにする。
例えば自分10段階評価8、相手10段階評価4だったとしたら自分のレベルを3くらいに合わせて練習するといい練習になります。
スパーリングでの様々な経験から余裕が出てくれば試合での想定外が減り、結果的に緊張がほぐれ練習通りの動きが出来るようになります。
スパーリングでガチガチの人が試合で突然余裕が出来るなんてことはないです。
練習はあくまで練習、キャッチボールはあくまでキャッチボールであって勝ち負けを決めたきゃ試合でやりましょう。

そんなわけでスパーリングは練習です。
キャッチボールを心がけることでいい信頼関係を築きましょう。
自信をつけるのはスパーリングではなくて試合です。

最後に尊敬する和術慧舟會の先輩の言葉を紹介したいと思います。
『スパーリングは取られた数だけ強くなる。』

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