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アジア選手権2024

IBJJF、国際ブラジリアン柔術連盟主催大会であるアジア選手権が2024年6月28日から30日までの3日間に千葉ポートアリーナで行われました。
IBJJFは普段日本国内で行われている日本ブラジリアン柔術連盟の上部組織ということで世界各国から有名選手から柔術愛好家までたくさんのチャレンジャーが集うリアル国際大会です。

IBJJF主催大会ということで8月のラスベガス・ワールドマスター選手権出場者にとってはトーナメントのシード権に関わる大事な大会になります。
IBJJFでは大会ごとにポイントがあり、その獲得ポイントが上位の選手からトーナメントが決められていきます。
つまりランキングが高い方が初戦から他大会優勝者と当たらない確率があがるのです。

ドラゴンズデンからは青帯2名、紫帯1名、茶帯3名、黒帯6名の計12名が参加。
みんなマスター世代(30歳以上)という笑

初日は青帯の部。
うちの青帯で期待値の高い2人がエントリー。
しかし青帯マスター1フェザー級(70kg以下)ともなると人数が多いのです。
しかも外国人ばかり。
24人トーナメントで日本人は3人という。
薮田くんは昨年のアジア選手権3位がありランキング3位。そのおかげで初戦シードでした。
初戦の韓国の方にレフリー判定で勝利するも脇腹を負傷。
二回戦でレフリー判定負けでした。
怪我を早く治して今回の悔しさを次に繋げられればいいと思います。

もう1人のマスター3ミディアムヘビー級のランキング2位今城くん。
こちらはランキングポイントの選手が1位以外いなかったのでほぼ運。
初戦を逆転ポイント勝ち、決勝をレフリー判定で見事にアジアチャンピオンになりました。
仕事と家庭の都合で週1ぐらいしか練習できませんが自分の得意な部分を理解してうまく試合した結果だと思います。
ちょっと抜けているけどすごく真面目で頑張り屋です。

二日目は茶帯。
茶帯になりたての奥田レオナルドくん。
実力もついてきたことだし優勝して茶帯をあげたかったのだけど最後の最後がなかなか勝てず。
それでも茶帯で勝てると踏んで出した帯でした。
つまりは負けたら見当違い。
初戦、そんな僕にプレッシャーがある中、いつもの悪い癖でアドバンテージの先行を許す内容。
もうダメじゃと思った束の間にまさかの大逆転テイクダウン。
いつも練習で僕に仕掛けてくるけど意味ないやつが炸裂。
僕、一安心。
準決勝で負けたけどとりあえず一つ勝ててよかった。
堂々と茶帯を巻いて実績を作っていきましょう。
ただあの悪い癖は直さないと黒帯は程遠いです。

2人目は沼津支部佐々木さん。
このところ一コケが多くなってきていてそのためか慎重になりすぎる感じがありました。
しかし初戦で勝利すると準決勝ではこの上ないタイミングで腕十字を仕掛け一本勝ち。
決勝は残念ながら敗れてしまいましたがあの思い切りの良さが出れば良いと思います。


3人目はあっこくん。
今年ここまで2大会出場で敗者復活戦含めて3敗。
昨年のワールドマスター準優勝から乗っていけるかと思ったのも束の間、またまた冬眠生活に入っていました。
あっこも佐々木さん同様、慎重になりすぎです。
ワンマッチ決勝でしたが終始危なげなく本領発揮で久しぶりに優勝。
結果に出てよかった反面、課題も明白です。

佐々木さん、あっこ共に、特に茶帯以上になるともしかしたら全く訪れることのないチャンスを根気よく待てる忍耐力と共に急に来たチャンスを正確にゲットしなければ勝てない世界です。
QBK(急にボールが来た)ではダメなんです。
それこそ【負ける勇気を持って勝ちに行け!】です。

最終日は紫帯と黒帯です。
紫帯は今年から加入した江原くん。
相手は元修斗世界チャンピオンで昨年のブラジリアン柔術紫帯マスター1-2ランキング1位の室伏選手。
ここまで無敗、ほぼ一本勝ちという優勝候補です。
負けはしたものの持ち前のキープ力を発揮して結果的にポイントは取られましたがラストは絞めかけるなど粘りをみせてくれました。
持てる力をほぼ出し切れた印象で負けはしましたが僕は好きなスタイルです。
実力を出し切って負けたならもっと実力を上げれば勝てます。
江原くんの次戦が楽しみです。

ここからは黒帯です。
個人的に一番結果が欲しかったのがマスター1ルースター出場の宮地くんでした。
2015年に黒帯アダルトでアジアチャンピオンになるほどの実力者ですがなぜかうちに来てからは勝ってない笑
そんな彼が昨年からルースターに減量してワールドマスターは3位。
僕的にはまだまだアダルトカテゴリーで見たい選手だし、マスターでは優勝してもらいたい選手。
初戦、代名詞的な絞めで一本勝ち。
そして決勝は翔平くんにレフリー判定勝ち。
宮地くんに関して言えば実力を出し切ったというよりも逆に一歩引いたことがこの結果を呼んだと思います。
これもある意味、【負ける勇気を持って勝ちに行け!】が出来た例だと思います。

マスター3ライト級の山田くん。
正直うちで一番努力して一番強い選手。
今回はルール講習会に出席してくれ千葉にセコンド込み三泊四日ありがたや。
そのため通常よりひとつ上のライト級で出場、感謝。
感謝の気持ちがあるからこそ実力を出し切って欲しい。
僕は毎回こんな気持ちです。
試合は初戦、得意の絞め技で一本勝ち。
いやそれが本当の実力だからって言う気持ちで見てました。
二回戦が大一番。
BJJ HEROというサイトにも載っているレジェンド選手。
ちなみに彼に勝ったらランキング1位の選手とあたるトーナメント。
ワールドマスター前に日本にいながらこういう経験を積めるのはありがたいのです。
結果はアドバンテージ2つ差で負けたものの一回級上でもそのディフェンス能力の確認は出来たと思います。
相手選手からも『すごいなお前!』的な頭撫で撫でをしてもらってました。
ちなみにワールドマスターでピメンタにもやってもらってましたね。

しかし、勝つためには攻めなきゃいけない。
ディフェンスを割いてカウンターに行かないと勝てない。
またまた【負ける勇気を持って勝ちに行け!】なんです。
ベイさん、バラさんの本、たくさん売れそうです!笑

残るはドラゴンズデン超初期メンバーの三人。
マスター5ルースターに拓也さん。
めちゃくちゃ強くて僕は練習ではほとんど勝てません泣
そんな拓也さんは初戦を逆転勝ち。
なぜ逆転勝ちなのか?今でも疑問であります。
僕はスイープしたことなどないのに。
そして最大の注目は決勝戦。
相手はレジェンドであり世界チャンピオンの藤田さん。
めちゃくちゃ楽しみな試合でした。
しかし残念ながら僕は決勝戦が終わったばかりでさらにちょっと負傷してしまいドクターのところにいて試合見れず。
ペナルティ一つ差で負けてしまったのですがやはり拓也さんは強かったと思ってます。
たぶん拓也さんもアレです。
【負ける勇気を持って勝ちに行け!】
何冊目??

現在所属している最古参の野村さんはマスター5フェザー級に出場。
野村さんもまた練習は強い。
というか2年前は全日本マスターも優勝している。
しかしなぜかころっと負ける。
この波が楽しいし、イラつかせてくれる。
そんか野村さんも黒滝さんの訃報で立ち上がったひとりだ。
僕はちょうどドクターを探していた時、天に祈る野村さんが視界に入ってきた。
『ああ、レフ判か?』そう思ったのも束の間、セコンドの山ちゃんが『相手の外掛けをVTRでチェック中です…』
結果DQ勝ち。
続く準決勝もレフ判勝ち。
まあ強いからそれはわかる。
けど、常にミスと隣り合わせにいるお方。
そこはうまくセコンドしてあげないとと思ったんだけど負傷した胸がちょっと痛い。
時計が見えないこともあって決勝は山ちゃんにお願いして僕は2階のみんなのところへ。

前の試合はネクサセンスに移籍した佐藤さんが見事に優勝!
野村さんも続いて欲しい。

決勝戦。相手は1勝1敗の向後さん。
試合はハラハラドキドキな内容でアドバンテージ1ビハインドで残り40秒くらい?
まさかのルーチ(膠着ペナルティ)が相手に入って逆転。
応援席ではリードしたことを伝えない指示、セコンドの山ちゃんもさすが!以心伝心ができてるおかげで野村さんには攻める指示のみ。
野村さんのリードしてたら休む性格をみんな熟知してるなーと思った瞬間でした。
おかげで勝ち名乗りのときの野村さん↓

内容はともかく、アジアチャンピオンだ。
おめでとうございます!

最後は社長と一緒に出場したマスター4ルースター。
僕がポッド1で昨年マスター3準優勝の社長がポッド2。
社長の初戦は和泉の吉岡さん。
スイープで先制を許しましたが後半追いつくも惜しくもアドバンテージ3つ差で惜敗。
今までの吉岡さんとの試合で一番良かった内容。
それと同時に気合いがはいりました。

僕の相手はネクサセンスの関口さん。
これが黒帯デビューの大会です。
関口さんは今までうちのルースターを片っ端から倒してきた選手。
毎年のように全日本マスターも優勝。
ここ数年、ずっと意識してきた選手。八木沼さんも煽るし。。。
いろいろ考えたけど試合直前に自分の中でずっと練習してきたことがまとまって『これで負けたらワールドマスター制覇なんて無理だろ、これまでを信じていってダメなら修正すればいい』の境地にたてました。
続く決勝も想定とは違いましたがきちんと準備できていたので気持ちを切り替えて対応することができました。
振り返れば自分を見つめなおせた初戦開始数分前がよかったんだと思います。
そして環境。
宮地くん、拓也さん、社長とルースターが揃っているおかげでかなり濃い練習が出来ているんだと実感しました。
ありがとうございます!

今大会の優勝のおかげで
黒帯マスター1ルースター級 19位→9位 宮地一裕
黒帯マスター4ルースター級 2位→1位 澤田真琴
黒帯マスター5フェザー級 9位 野村洋平
茶帯マスター3女子ライトフェザー級 3位→2位
となりました。

そして12名の参加でアジア選手権マスター部門(30歳以上の部門)で団体10位に入賞しました。
このレベルの高い大会でこの成績を格闘技未経験組で成し得たところに大きな価値があると思います。


また個人的に嬉しかったのは夫婦で金メダルを獲得できたことでした。
二年前の全日本マスター以来通算3回目です。
次はワールドマスター制覇できるように頑張ります。
ちなみにちーちゃんは試合には出ないそうなので親子で金は夢のまた夢です。笑

これからもエンドレスサマーカップ、全日本ノービス選手権、全日本マスターオープントーナメント、そしてワールドマスターと試合は続きます。
これからも道場生全員で切磋琢磨して成長していけることを願います。
とりあえず【負ける勇気を持って勝ちに行け】を読んでがんばりましょう!

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