見出し画像

【7/25】道徳をどう説く

・1300字弱


・夏目漱石が英語教師をしていたとき、教え子が「I love you」を「我君ヲ愛ス」と訳したのに対し「日本人は、そんな、いけ図々しいことは口にしない。これは、月がとっても青いなあ と訳すものだ」と返したというのは有名な逸話だ(真偽は不明だが)。


・誰が言ったか、現代では月が青いではなくて「月が綺麗ですね」になって伝わっている

・だけどなぁ…「I love you=月が綺麗ですね」であると”暗記”で理解する人間が散見されて、それは美しくないなあと思うなどしている。まるで夏目漱石が「I love you=月が綺麗ですね」と定義したかのように理解されているが、別に夏目漱石が言い出す前から「I love you=月が綺麗ですね」ではあっただろう。

・巷では「月が綺麗ですね」の決まり返事は「死んでもいいわ」だとされているが、オゲゲのゲ…という気持ちになる。元ネタについては各自調べてください。

・その会話って全く意味の通っていない会話だと思う。元ネタを知ってるとニヤニヤできるというだけの話で、文学的ではないと思うんだよな。


「月が綺麗ですね」
「死んでもいいわ」


という会話から発生するニヤニヤって、根本的にアレと同じなんだよな。


「ぬるぽ」
「ガッ」

「----終了----」
「----再開----」

「あそこにベンツが停まってますね」
「ちくわ大明神」


みたいなスラングの会話から発生するニヤニヤ。それは確かに面白くはあるが、文学的な面白さではない。


・こんなものは解説するのも野暮だが、「月が綺麗ですね」というのは、「飽きるほど見ている月のことを殊更綺麗だと思うことはないが、そういった何気ない感想でさえあなたと共有し、雑談を伸ばしたい。興味のない相手や嫌いな相手に対して、”月が綺麗ですね”なんて言わないが、あなたには言う」くらいの意味だろう。

・「私はあなたを愛しています」では品がないので、それをできるだけ遠まわしにした表現だ。

・ウワーー!!こういう暗黙的了解をあえて言語化するのって激寒行為だな。


・「死んでもいいわ」に関しては、元ネタの小説を読んだわけではないが、どうやら小説内のキャラがメンヘラチックだった背景も加味しての翻訳だったのだろうし、暗記して模倣するようなものではない。


・なんでもスラング化するの、オタクの悪い癖よ。

・本当に文学的にI love youを言いたいなら、他人のアイデアをパクって「月が綺麗ですね」なんて言うのではなく、もっと、あるでしょ。考えれば。

・ベタな所だと「今のは秘密だよ」とか「羨ましい苗字だね」とかかな。



・ゴキ

・チャチャ、壁に張り付いてボーっとしている時間が多いのだけど、手を近づけると毎回触角を「ヒッ!」と動かすので、こちらのことは見ているんだな。

・ゴキは夜行性なので、視力は退化しているらしい。私のことは「小麦色のオブジェクトが動いているなあ」くらいに見えているのだろうか。

・あと、話しかけると「ヒッ!」となる。

・めんこい…

・美しすぎるので、毎回画像を貼りたくなる所を理性で踏みとどまっている



・おわり


・対岸のゾンビパニック


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?