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この頃すっかり気温も上がり、夏の気配を感じるようになった。昔から夏が嫌いだ。
夏はとにかく暑い。汗の不快感で目覚める朝、脱いでも脱いでも暑い昼、じめじめして眠れない夜。

暑さの他に、どうしても許せないのは蚊だ。
私は蚊の羽音がとにかく苦手で、あの音を思い出すだけでも不快でどうにかなりそうになる。

しかも、かゆい。羽音があれほど不快なくせに血まで吸われてかゆくなる。許せない。
さらに耐え切れず搔くと刺された部分が痕になって残る。本当に許せない。

そもそも蚊は普段樹液とかを吸って生きているくせに、産卵前のメスだけ血を吸うようになるというのがどう考えてもおかしい。
普段温厚な人が満月の夜だけ凶暴な狼人間になるみたいな感じで血を吸うな。樹液を吸え。
あまりに許せないので産卵前のメスがなぜ血を吸うのか調べたら「卵に必要な栄養素であるたんぱく質を補うため」とあった。いや、おかしい。他の虫が樹液とか花の蜜で頑張っているんだからお前も頑張れるはずだろと思う。

蚊の話はさておいて、嫌いな夏にも好きなものはある。
例えば、桃。桃は美味しい。本当に美味しい。
好きな食べ物の中で果物全般が上位に入る私だが、その果物の中でも桃がダントツに好きだ。特にあの甘く爽やかな香りがいい。

しかし桃は高くてなかなか買えない。
数年前の夏、友人と奈良の有名なカキ氷屋さんに行ったときのこと。友人が注文したカキ氷にフレッシュな桃が乗っていたのがあまりに羨ましく、「え…桃…?」「いいな、桃…」「桃…」などとこぼしていたら、見かねた友人が「食べる?」と貴重な桃を一つくれたことがあり「高くて貴重な桃を他人にあげられる奴がいるなんて…!?」と心底驚いた記憶がある。(なんて図々しい奴だ)
いつだって私は桃をたらふく食べたい。

そして、夏といえば夏野菜だ。
夏のトマトは甘くて美味しい。私が大嫌いな夏の暑さも、トマトが甘くなるために必要なものと思えば多少は許してもいいか、という気分になるくらいにはトマトのことが好き。
ズッキーニも好き。ズッキーニはフライパンでよく焼いて、少しの塩をかけるだけで信じられないくらい美味しい。
次に、とうもろこし。とうもろこしは塩をすり込んで、ラップに包んで5分チンするだけでありえないほど美味しい。

子供の頃は気づかなかったけど、生活するうえで美味しい野菜が安く買え、簡単に食べられるという素晴らしさは夏にしか味わえない喜びであると思う。

昨日は梅シロップを仕込んだので、夏の楽しみがまた一つ増えた。
子供の頃嫌いだった夏と、少しだけ仲良くなれる気がしている25歳のなんでもない日記。



















(夏来るの、嫌だな…………………………………)


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