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IT系のお兄さんと書き物

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読んだ小説、観た映画などについて、ふと考えたこと、あとたまに創作をまとめています。ここだけは特にテーマを設けずに自由に書いています。書いている本人が実は一番楽しいのかもしれません。
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#コラム

卒業式や入学式が無くなることについて思うこと

僕は2011年3月に高校を卒業した。卒業間際は高校生活に思いを馳せたり、新しく始まる大学生活にわくわくしたり、いろんな感情が入り混じってはいたけれど、それは概ねとてもポジティブで色鮮やかなものだったと思う。そう、3月11日までは。 その日を境に世の中は一変し、心の中のあの鮮やかな感情達は徐々に色あせて、そして最後にはみな同じグレーになった。卒業式はあったけれど、それは卒業する3年生とその両親だけが参加する寂しいものだったし、大学の入学式はなくなり、さらに授業開始が1ヶ月伸び

宇宙太陽光発電

チャーリーとチョコレート工場という映画にもなった本には、実は続きがあってその中ではなぜかチャーリー達がみんなでガラスのエレベーターに乗って宇宙に行く。当時小学生だった僕も流石にエレベーターで宇宙はちょっと馬鹿げているなぁと思いながら読んでいた。(話自体は割と面白い) だから高校生ぐらいのときに実際に宇宙エレベーター構想が世の中に存在していると知ったときには流石に驚いた。漫画ワンピースの空島編の始まりは「人が想像しうることは、全て実現するのだ」的な格言とともにガレオン船が空か

抱擁、あるいはライスには塩を 江國香織

細雪が好きでその話をしていたら、ある友人が「江國香織が細雪を書いたらこうなる」というコメント付きでこの本を勧めてくれた。高校生の頃に江國さんの本を読んでそれからずっと自分の中では不倫小説の人という失礼極まりない(本当にごめんなさい...)認識をしていたから、むしろ興味が湧いて手に取った。 結局誰かは不倫はしているんだけれども、というか不倫のスケールはむしろ上がっているんだけれども、それが物語の中心にはなっていないところが昔読んだ江國さんの本たちとは違っていて、個人的にはとて