#04 われら骨盤ニュータイプ (茂木秀之)
身体はなくなったのか
「身体の時代であります。」
野口整体の継承者である片山洋次郎は、『整体から見る気と身体』文庫版をこの一文で始めている。
養老孟司は、現代人は身体がなく、脳だけになっているという趣旨のことを繰り返し語っている。これはよく知られており、身体がないとか身体感覚がないという言説はよく見られるようになった。しかし片山が見ている身体は少し様子が違うようである。『整体から見る気と身体』の原著は1989年に書かれた。ここから続く90年代、私たちの身体に何が起きていた