見出し画像

ポチェッティーノ監督のマネジメントについて考察

トッテナムがクラブ史上初となるCLベスト4進出を決めました。
今回はその快挙を達成した準々決勝マンチェスター・シティとのセカンドレグでのポチェッティーノ監督のマネジメントについて考察してみました。

状況としてはファーストレグをホームで1ー0で勝利したものの、エースのケインが負傷で欠場。
その他にも負傷者を抱え、決してベストな布陣とは言えない中でアウェイのエティハドというのは言うまでもなく難しい試合。
今シーズンのスパーズは新スタジアム建設に費用が掛かり、補強も出来ず。
その中でスパーズは勝ち上がりました。
その要因にポチェッティーノ監督の決断力や修正力があってこその歴史的な勝利となったことは間違いありません。
その中で特に3点のポイントに絞ってまとめてみました。

1,ポチェッティーノ監督の試合での振る舞いや姿勢
2,素早いシステム変更での修正力
3,守備的MFシソコのアクシデント負傷→CFのジョレンテを投入という決断力


1,ポチェッティーノ監督の試合での振る舞いや姿勢
前半11分で2ー2という撃ち合いの展開になったこの試合。
相手の戦術的な狙いや出方などを探る暇もなくスコアが動きました。
当然、ポチェッティーノ監督はある程度の想定をして準備をしていたはずですが、さすがにこの展開は予想外だったです。
しかし、焦りや苛立ちといった表情は見せず、テクニカルエリアの最前線に立ち冷静に選手たちのプレーを分析している姿勢がありました。
ハーフタイムでは、前半終了の笛が鳴る前に走ってドレッシングルームに戻る姿がありました。
これだけ目まぐるしい展開の中でも冷静に分析し、ハーフタイムでは戦術的な修正を選手に伝えたことが予想されます。
選手はピッチの中でアドレナリンMAXで戦っているので冷静にプレーすることは非常に困難を極めるはず。
その状況下でポチェッティーノ監督の振る舞い方や姿勢が選手に与える影響は非常に大きなものがあると思います。

2,素早いシステム変更での修正力
スパーズは4ー3ー1ー2の並びでスタートしました。
恐らくシティにハーフスペースを有効活用させないために3枚を中盤に並べ、少しでも中央にスペースを与えたくなかったのではないでしょうか。
しかし、それでもシティはRSBウォーカーが偽サイドバックでハーフスペースを有効に使いながら前進をしてきます。
試合も早々に2ー2という展開になり、そろそろコントロールして落ち着かなければという中で前半18分にポチェッティーノ監督が動きます。
4ー3ー1ー2から4ー4ー2へのシステム変更を行いました。
直後にスパーズは失点するものの、その後ゲームを落ち着かせると同時に4ー4ー2にすることで選手のプレーもクリアになった印象を受けました。
シティはどうしても得点を奪って勝ち上がらなければならない状況だったので、前線から圧力をかけプレスにくるのでスパーズは後ろから繋いで前進することが難しい状況でした。
4ー4ー2にすることで守備時はコンパクトに保ち、奪ったらショートカウンターで素早く縦に展開することがスパーズの良さを引き出す形となりました。

守備的MFシソコのアクシデント負傷→CFのジョレンテを投入という決断力
前半36分シソコが負傷するアクシデントが起こります。
この日のシソコは非常に効果的なプレーが出来ていました。
MFウィンクスがファーストレグで負傷し、この日の相棒はワニャマだったのですがあまり出来が良くなったですね。
それでもシソコがカバーし、なんとか中盤のラインを簡単に突破させないように広範囲を動き回っていました。
このシソコの負傷はかなり痛手になることは間違いありませんでした。
この日スパーズの控えに中盤が出来るのは2000年生まれのスキップのみ。
18歳のスキップを起用するのは難しい展開でした。
ポチェッティーノ監督の決断は、
2トップの一角デレ・アリを中盤に落とし、195cmのCFジョレンテを投入。
結果、この采配が的中し貴重な3点目をジョレンテが取りました。
得点シーンだけに限らず、ジョレンテが入ることで時間を作ることが出来ました。
シティのCBラポルトゥとの空中戦ではジョレンテが競り勝つ確率が高く、有効なポストプレーで先発メンバーにはなかったオプションをチームに与えました。

監督に必要なマネジメント力
監督の振る舞い方や姿勢が選手に与える影響を監督自身が理解していること。
状況を分析し、取り返しがつかなくなる前に素早く修正する力。
予期せぬアクシデントが発生した中で、現状の戦力でベストな采配をする決断力。
以上がマウリシオ・ポチェッティーノ監督のマネジメント力についての考察です。
このマネジメント力についてはサッカー、スポーツだけに限った話ではないはずです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?