斜陽奇譚

斜陽奇譚完結しました!
この作品の感想を一言でどうぞと言われたらこれでいいのか不安で仕方ありません。です。
氷室冴子青春文学賞に応募するために書き始めた作品で、テーマが青春なのにこれで……いいのか?の不安で押しつぶされそうです。

去年も同賞に応募して最終候補に選んでいただけて、3人の先生方から講評を頂きました。
その中で個人的に衝撃が強かったのが朝倉かすみ先生のお言葉です。
セックスがらみのエピソードが唐突で、作品全体と馴染んでいず、違和感を覚えました。
この一文は本当に本当にびっくりして、衝撃を受けました。
私の周りは性体験など誰彼構わず話す人が多く、私も少なからずそんな人たちに影響を受けています。
そして、セックスなどの性体験や性に関することは生きていく上で必ずぶつかるものだと思っていたので、馴染むとかそんなことを考えたことがありませんでした。
馴染ませるために何かをしなければいけない。ということをしてこなかったし、この講評がなければ気付くこともできませんでした。
頂いた講評で書いてくださった足りない部分や良くするためのアドバイスなど、極力斜陽奇譚には取り入れて書きました。ちゃんと取り入れられたかは心配な部分です。

斜陽奇譚のお話に戻ります。
この作品は海洋博公園に遊びに行った時に見えた伊江島があまりにもかっこよくて、伊江島舞台の小説を書く!というのが始まりでした。
そしてどんな話がいいかなと色々考えて、伊江島という狭い島で同性愛者であることを隠して苦しむ男の子と島でそれを唯一知っている女の子のお話を書こうとなったのですが……ですが……書き始める前から伊江島に対して悪い印象与えるの嫌……となったので、すぐに舞台は架空の村にしました。特にモデルにした場所はありません。
キャラ設定どうしよ〜とふらふらと悩みつつ、あまりいいキャラを作れずにいたのですが、バイエルン王国のルートヴィヒ2世という人物を偶然知り、あまりにぴったりな人生を過ごした人物だったので速攻モデルにすることを決めました。
そして、ルートヴィヒ2世はハプスブルク家随一の有名人、エリザベートと様々な関わりを持っていた人物。そして彼女との関わり方も面白かったのだ、女の子はエリザベートをモデルにすることにしました。
モデルが決まったらそこからは早く、立ち止まってたキャラ設定はさくっと終わり、全体プロットもすぐ出来上がりました。
狭い場所で同性愛者に苦しむ男と、それを唯一知ってる女。そしてセックスに違和感を持たないような話にする。
それをブレずに、最後まで私の書きたいことを書くことができたのですが……青春だよ?となっております。
モデル2人の人生は、私の考えでは幸せではなかったし最期までどうしようもなく救いがないと思っております。
そんな2人がモデルなので消して明るい終わり方はしたくなかったし、終始暗いお話にしなければと。書きながら青春じゃないかも……と悩みましたが、私が書きたいお話、私にしか書けないお話を優先しました。
あと、エリザベートと日本神話の木花咲耶姫のエピソードが重なる点が多かったので、蓑輪家の5人姉妹の名前は日本神話から付けたものです。名前がちょっと変わってるのはそういう理由。吏嗣に関してはりっちゃんというあだ名を付けたいというのが先に思いついたので、りから始まる名前にしました。特に理由はなし。

不安いっぱいの作品ですが、書きたいものは書けました。これには満足しております。
結果がどうであれ、去年に引き続き氷室冴子青春文学賞に応募できたことは嬉しいです。また来年も頑張りたい。
あとですね、私自分の書く三人称大好きなので、今年からは三人称の硬い文章のお話が増えるかと思います。
今絶賛書いてる(進歩激ヤバ)大阪文フリでの新刊も三人称、その後に書く予定の作品も三人称。
去年は一人称の作品を評価して頂けたので、三人称も頑張りたい。

明るいシーンや軽いやり取りなど一切ない終始暗いお話ですが、少しでもモデル2人に興味を持っていただければ嬉しい限りです。

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