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星空にいちばん近い夜

これは、あなたと大好きな彼の物語。

あなたは大好きな彼を幸せにする
最高にいい女

彼はあなたを笑顔にしたくてたまらない

ふたりはずっと一緒にいたいと願う

どんなときも隣にいてくれれば、
それだけで最高に幸せだから

大好きなことをたくさんして
もっとずっと自分に夢中になっちゃいましょ

いますぐふわふわ幸せ感じちゃいましょ

今夜は
カクテルみたいに甘い夜を、どうぞ

あなたはいま彼と
駅で待ち合わせをしてるところ

今日は彼と付き合って
はじめてのお泊りデート

遅いなぁって腕時計見ながら
少し不安になったとき
聞き覚えのある彼の声が

ごめん!遅れちゃって
さ、行こうか

テンプレみたいなセリフだけど
走ってきた彼が
嬉しそうにニコニコしてるから、
あなたもつい許しちゃう
彼の笑った顔が大好き

手を繋いで歩き出す

そしてずっと行きたかった夢の
ラグジュアリーホテルに到着

彼が予約してくれていたようで
すぐにチェックイン

夜ご飯は美味しいレストランで舌鼓を打ち
彼とたくさん話す

今まで会えなかったぶんの時間を
埋めるかのように
いくら話しても話し足りない
どんなにくだらないことでも
笑い合えて嬉しくて仕方なくて
このままずっと彼と一緒にいたい、と思う

ふいに彼が真剣な眼差しになる

これから最上階のバーに行こうよ

そしてあなたの手を取って
エスコートしてくれる

バーに着くとそこは異世界
あまりの高さに目も眩みそうだけど
その夜景の美しさにあなたは息を飲む

それはまるで
世界中の星をあつめて輝く宝石箱のよう

彼からあなたへの愛を感じ
あなたは少し泣きそうになる

そんなあなたをみて彼は
心から嬉しくて仕方ない様子
あなたの喜ぶ顔が見たかったんだ、って
優しくあなたの手をとり席に向かう

星に手が届きそうなくらい空にいちばん近い
ふたりだけの特等席

星の煌めきで、彼の瞳が輝いて見える
それともわたしを見つめているから?

そんなにじっと見つめられたら照れちゃうよ

赤くなりながら
飲み物をオーダーする
ふたりで透明に輝く泡で乾杯する

彼はあなたの手に自分の手を重ねたまま
離してくれない

お酒がまわってきて
夢見心地でふわふわしてくる

重ねた手の体温の高さ
彼の話すときうごく唇
男らしい喉仏

彼はまるでとても愛おしいものを見るように
あなたを優しく見つめてくる
何度も、何度も

その瞳に見つめられるとその度に
あなたは囚われたように
動けなくなってしまう

時間が止まり
胸が高鳴って熱くなり呼吸が苦しくなる

実はね、嘘をついたんだ
ここのバーが最上階じゃなくて

さらに上に一部屋だけ
特別なスイートルームがあるんだよ

今日はあなたをそこに連れていきたくて
ここにきたんだ
遅れちゃったのも、予約に手間取ったから
ごめん

特別な夜を過ごしたくて
そう言って彼は照れくさそうに笑う

あなたは彼が愛おしくてたまらなくなる

それは彼も同じで
ふたりは目配せをしてバーをあとにする

そして本当の最上階
スイートルームへ向かう

誰もいないエレベーターに乗ると
我慢できなくなった彼が
ボタンを押そうとしているあなたを後ろから
待ちきれない、
というように抱き寄せて首に優しくキスをする

照れてくすぐったそうに逃げようとする
あなたの腕をぐいっと引っ張って
強く抱きしめさらに濃厚なキスをする

あなたは彼の腕の力に勝てなくて
彼の厚い胸に結局捕まってしまう

とろんとしたあなたの目をみて
彼は我慢できなくなってしまう

彼に愛してると囁かれるたび
身体中にキスされるたび
あなたは幸せで溶けて消えてしまいそうになる

だから繋いだその手を離さないで
ずっとわたしを抱きしめてつかまえていて
ふたりなら
世界一美しい星も手に入れられるから

エレベーターが最上階のスイートに着くと
ふたりで一緒に扉を開ける…

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