何かと不憫な江澄を語りたい。

今日のメインはタイトルの通りです。

何かと不憫な江澄を語りたい

江澄(ジャンチョン)また字を晚吟(ワンイン)。彼は魔道祖師及び、その実写ドラマ陳情令に出てくるキャラクターです。

毒のあるハイパーツンデレ坊ちゃんマンなおかげか勘違いもされやすく、敵も作りやすい彼ですが

作中一といってもいいほどハードモードな人生を送ってると、個人的には思うのです。

まあもちろん、魏無羨と比較したら...うーん。いや、比較は野暮ですね。まどそしのキャラだいたいハードモードな人生送ってっからね

そんな彼に対して、陳情令を3周ぐらいした辺りから「不憫すぎて苦しくて最高だな」と思うようになり、今ではとっても大好きなキャラになってしまったので、

考察のような感想のような、とりあえず江澄が報われますように!という願いを込めて、noteを書こうと思います。

しばしお付き合いください...

(注意:自己満記事ですが、もし見てくれる優しい人でネタバレ嫌な人は見ないでください...
あと、陳情令とアニそしな江澄メインで語っています。原作未履修です🙇‍♂️)

【①江澄の出自と性格】

出自
雲夢・蓮花塢が本貫の雲夢江氏。江澄はその雲夢江氏の次期宗主で、現在の宗主である江楓眠と、その夫人・虞紫鳶(虞夫人)の息子です。

性格
跡取り息子なだけあって、もちろん坊ちゃん。ちょいとわがままで犬が好き(ここら辺の性格は、姉・江厭離金子軒の息子・金凌にまんま受け継がれていたりする笑)。

厭離が優しく包容力があるおかげか、激しめな性格の江澄とは性格の釣り合いが取れている感じ。

そんな自己主張激しめの性格は、お母さんの虞夫人から受け継がれたものであるよう。自他に厳しい虞夫人の性格と、江澄はまさにそっくり。おまけにツンデレなところまで完全に母譲り。可愛い。

ちなみに楓眠の穏やかな性格は厭離に受け継がれている感じがします。

【②江澄(ハイパーツンデレお坊ちゃん)の劣等感】

江澄の人生は、「愛情不足」と「劣等感」が影を落とした上、かなりハードな道のりです。

雲夢江氏の次期宗主として
雲夢江氏の跡継ぎである彼は、昔から父の楓眠、母の虞夫人から厳しく育てられています。

いずれ一族や仙門を率いる身であるため、それ自体は仕方ありません。

しかし、魏無羨と共に育ったことが、彼にとって最も幸福で、最も不幸だったのかもしれません(詳細は後述)。


魏無羨の存在
雲夢江氏の次期当主であるにもかかわらず、江澄には兄弟子として、自らを遥かに凌ぐ霊力を持ったスーパーエリート(チート)仙師魏無羨が居ました。

2人は幼い頃から雲夢で育った幼馴染。両親を亡くしていた無羨にとって、江楓眠は実の父のような存在でした。

兄弟のように育った彼らは、次期宗主とその相棒という関係で、たまに喧嘩もしながら基本的には仲睦まじいのです。しかし...

兄弟子の魏無羨は、あまりにも優秀すぎる仙師で、江澄が無羨に実力で勝ったような描写は見受けられません。次期当主としてまとめ上げる力を身につけねばならない江澄にとって、無羨は頼れる相棒でありつつ、自身のプライドを傷つけ続ける存在であり続けたでしょう。

実際、跡継ぎとして育てられた彼はプライドが高く、跡継ぎとしての立場や然るべき振る舞いも理解していたと思われます。だからこそ、無羨に対して敬愛の念と同時に、負の感情も蓄積していったのではないかと思います。

もちろん自他に厳しい性格の江澄は、修練を怠るタイプではありません。しかし何度修練しても、魏無羨に実力では敵わないのです。

もちろん、江澄は弱いわけではありません。魏無羨がチートすぎるんです(マジで)。兄弟子の無羨と常に比較され、次期宗主として期待を一身に受けていたであろう彼にとって、優秀すぎる相棒は時として恨むべき相手にもなり得たと思います...


雲夢江氏の気風
雲夢江氏は人間らしさ、自由のようなものを主軸にしている、仙門の中では1番理想的な一門に描かれています。

藍湛の姑蘇藍氏のように数多の規則で縛り付ける仙門とは対照的ですね。笑笑

「祓うべき怨念を集めて使役し敵を撃退しちゃえばいいじゃん」という、通念上の禁忌すら破って現実的な方法をとってしまう、いわゆる“型破り”な事ばかりする魏無羨は、まさしく雲夢江氏の気風を受け継いだ仙師であると言えますが、江澄はどうでしょうか。

虞紫鳶と江澄
先程、江澄は母親の虞夫人の性格を引き継いでる...なんて言いましたが。虞夫人は何かと型破りすぎて騒ぎを起こす(敢えてこう言います)無羨のことを「立場を弁えていない」と非難しています。

雲夢江氏の門弟とはいえ、宗主の実子ではない無羨は、いつかの宗主・江澄の侍従のような立場でいるべきだと、虞夫人は考えていたでしょう。

あとで詳しく言及しますが、虞夫人は、岐山温氏によって雲夢江氏が攻め滅ぼされた時、(特に陳情令では)自らの息子と、散々嫌ってきた無羨を共に雲夢から逃した上、夫の楓眠不在の中一門をまとめ上げて戦っています。

まさに城を枕に討ち死にした彼女ですが、この一連の行動を見ると、雲夢江氏の自由な気風は、彼女のような、立場と型にハマった振る舞いを意識した人々によって保たれていたのではないか...?なんて思うわけですよね。

“宗主の妻”として、宗主不在の雲夢江氏の留守をしっかり守り切ろうとして果てた虞夫人。彼女のような組織の締め役がいるからこそ、雲夢江氏の良心に従った自由な気風が生まれたんじゃないかって思うんです...

熱く語りすぎましたが、そういう組織に必要な立場を、江澄も引き継ぐ必要があった訳で。楓眠も、息子に少し厳し目に当たることが多いのは、宗主の立場で部下の自由な振る舞いを認めることが必要だと教えたかったのかな、とか

虞夫人が息子に無羨より強くあれと期待してたのは、次期宗主に見合うだけの力量をつけてその立場に君臨してほしいという願いだったのかなって。

そうやって育った江澄は、きっと誰よりも自分の立場や振る舞い、型にハマることを意識してたのではないかな?と思います。

いやもちろん、魏無羨に影響されて羽目外してる時もあるんですけど!笑
無羨を嗜めたり、どんだけ自由にやってもお咎めなしの無羨にムカついてる描写もありますよね。

次期宗主だからこそ自由にできない江澄からすれば、楓眠からもその自由で型破りな振る舞いを褒められさえする無羨のことが羨ましかったでしょう。

(ただ、無羨が自由にできるのは、藍湛が次男で宗主の立場に無く比較的自由に動けるのと同じで、立場に縛られることがないから、というのが大きいでしょうね。)

また、虞夫人からの、無羨との実力比較なんてしないで...と思っていたんじゃないかなと思います...(完全に主観ですがね...)

結局立場に囚われるしかなかった江澄は、切ないと思いますね...(泣)

【③江澄と魏無羨の歪な関係】

私は江澄を「ハイパーツンデレ坊ちゃんマン」とか言ってますが、彼は本当に絵に描いたような「別に〜〜じゃ、ないんだからねっ///」なツンデレヒロインだと思うんですよ...

対して魏無羨は常識にとらわれない天才肌タイプ。少年漫画の主人公のような、皆から好かれる正統派。天然人たらしで正義感溢れるところはまさに竈門炭治郎のような...

ツンデレヒロイン×正統派人たらし主人公の場合、個人的にこの図式が成就するには時間がかかる場合が多いと思うのですが、結局彼らも年月をかけた上に思いが一方通行って感じになってしまいましたよね。

ツンデレだからツンツンしたことしか言えないんですよ、江澄は。

しかし劣等感を抱きつつも、周りから比べられようと、ツンデレ坊ちゃんなりにデレるところはきちんとデレているんです。

岐山温氏に追っ手を差し向けられた時
雲夢が岐山温氏に襲われ、虞紫鳶と江楓眠が殺されてしまった時のことです。

江澄は無羨と厭離と共に眉山へと落ち延びる道中で、岐山温氏に捕まってしまいますよね。

このシーンでは、熱を出してしまい宿で寝ている厭離、そして彼女へ薬を買ってくると宿を出る無羨、父母を失ったショックで言葉もない江澄がそれぞれ描写されています。

薬を買いに外へ出た無羨は、岐山温氏の追手に取り囲まれますが、寸前のところで「こっちだ!」という言葉が聞こえて命拾いをするのですが

この「こっちだ!」の時に岐山温氏に捕まってしまったのが江澄でした。

でもあの表情を察するに、無羨にこれ以上迷惑かけられないし自分が捕らえられたら無羨助けられるし...みたいな感じがしますよね。

しかもこの描写が最終的に描かれるのって、その時じゃなくて「江澄の金丹が無羨のモノだと知った後である上、最終話の江澄が思い出すひとシーン」だったんですよね〜

まあこの時捕まって化丹手に金丹を消されていなければ、無羨が所謂邪道に走る必要も無かったので、何とも言えないところではあるけれど...

岐山温氏の追手に囲まれて捕えられる無羨なんて見ていられなかったし、彼なりに助けようとしたんですよね。

もしかしたら、弱い自分より強い無羨が生き残って厭離と一緒にいた方が彼らも幸せだろうし厭離を守れると思ったのかもしれない。

姉上をよろしく」「達者でな

達者でな、という、ツンツン99.99%の彼がなかなか口にしないセリフ。この場面と最終話の江澄が魏無羨に対して発する「達者でな」は、深すぎて言葉になりませんが...

でも、話を戻すと結局、良かれと思って動いたことでも、彼の選択っていつも上手いこといかない。

ちゃんと本音を話しなよ?というのはこういうことなのかなと...切なくなりますね。

金丹の話
彼らの関係を最大限に拗らせた原因は金丹でしょう。

先述の通り、岐山温氏に捕まった江澄は、雲夢の蓮花塢に連れ戻され、拷問の末に化丹手から金丹を消されてしまいます。

金丹は仙師の命とも言うべきもので、霊力の源です。これが無ければ人離れした術や技を使うことが出来なくなり、普通の人間として生きていく羽目になります。

さて、金丹を消されて大ショック、身体も動かない江澄は、父母を失ってすぐというのもあって死ぬほど病みまくり、目を離すと死にそうな勢い。

元々「達者でな」と言って温氏に捕まっているので、本当は死ぬ気だったのかもしれないですが、はからずも達者を願ったその相手・魏無羨から助けられてしまい、死ぬこともできないような状況では、鬱にもなるでしょうね...

ここら辺から、2人で今までなんとかやってきた江澄と魏無羨の関係性がだんだん拗れてきますよね...

まず、無羨は屠戮玄武と戦い武功を挙げるなどした結果、岐山温氏に目をつけられ、結局雲夢と宗主夫妻が滅ぼされる遠因を作ったことに憂き目を感じていたことでしょう。

無羨自身は何も悪いことはしていません。いや、まあその...姑蘇では掟破りなことばっかしてたけど...

屠戮玄武をやっつけたのは、温氏の温晁からそこに放り込まれただけだし、基本彼が暴れ回ってるのは弱きを助けて強きをくじく為ですからね。

しかし、虞夫人も言っていましたが、活躍のしすぎで目をつけられてしまったのです。無羨は悪くなくても、岐山温氏というヤバい仙門に目をつけられるような目に余る活躍は、結果的にお世話になった雲夢を壊滅させてしまうことに。これには非常に責任を感じたことでしょう。

しまいには、虞夫人から「お前の命に代えても守れ」と言われていた息子・江澄が温氏によって金丹を消されてしまう始末。雲夢江氏次期宗主が金丹のない状態というのは、仙門の断絶とも言うべき非常事態...

そこに、半分の成功率とはいえ、自分の金丹を抽出して他人の身体に入れる方法があることを突きとめた無羨。命に代えても江澄を守ることが、お世話になった雲夢、そして江澄への恩返しだと思ったのでしょうね。

一方の江澄。父も母も失い、一度は「無羨のせいで雲夢は滅ぼされた」と宣います。実際先ほども言ったように、遠因は彼の活躍にあるので、このような考えになるのは仕方がありません。

しかも、屠戮玄武との戦いでは、江澄自身もその場にいた多くの仙師たちを蘭陵にまで送り届けるという活躍をしているんです。影の功労者なんですが、もちろん屠戮玄武殺しの無羨や藍湛程の名声はないわけです。(後片付け部隊は評価されづらい人間社会...><)
これは拗らせますよね...

それでも、彼ら(無羨と忘機)の行動の正しさは理解しているので、王霊嬌が虞夫人をけしかけ、虞夫人が無羨を紫電でぶっ叩いた時は、「彼に非はありません」と庇う仕草すら見せています。江澄良い子だしちゃんと次期宗主らしく部下を守ろうと動いてるんですよ...(赤子を見守る母の図)

けれど、理不尽に父母を殺されてしまっては、無羨が悪くないと頭では分かっていても、「お前の活躍が無ければ雲夢は目の敵にされる必要も、父母が殺される必要もなかったのに」という考えになるのは自然でしょう。

ここですでにもう、江澄→無羨への感情が捻じれてますよね...

乱葬崗でのvs魏嬰戦
前半の悪役である岐山温氏・温若寒を始末すると、今度は岐山温氏の残党狩りが苛烈になっていきます。

温情や温寧姉弟の温氏庶流の家も、もれなくその対象で、主に蘭陵金氏(主犯は金子勲)からひどい迫害を受けます。

金丹が無いため、公には既に邪道に走ったと見られていた魏無羨は、同じ温氏でも温情達は多くの仙門の殺戮に加担していないことを理由に、彼らに救いの手を差し伸べることになりますよね。

金子勲の部下達のせいで霊脈が断たれていた温寧を、陰虎符によって傀儡として復活させた魏無羨は、傀儡となった温寧を使役し、金子勲の部下たちを殺戮し(てしまっ)たおかげで、特に蘭陵金氏に恨まれてしまうことに。

そして無羨が仮にも雲夢江氏の門弟であるということで、若き宗主・江澄にも非難の目が向けられてしまいます...

この時は「無羨が邪道に走ったのは金丹の件が理由」であると知らない江澄は、どうして無羨はそこまで温氏傍流と温姉弟に手を差し伸べるんだろう...という状態でしょう。

金丹を消された時に介抱してもらったとはいえ、金丹の手術を行った張本人が温情であることを知らない江澄が、魏無羨の行動を謎に思うのも無理はありません。しかも、無羨は陰鉄に匹敵する強力な法器・陰虎符を精製したことによって各仙門から敵視されており、江澄は江澄で部下の管理不足を責められる始末。

江澄にとってみれば押しても引いても地獄でしかなく、どうしろと?!?って感じですね。笑

この時彼に与えられた選択肢は2つ

①魏無羨を呼び戻して陰虎符を蘭陵金氏に渡す
②魏無羨を破門する

金丹の事情を知らない江澄からすれば、自由にやっている魏無羨を問いただした後に①の選択肢をとるしかなかったでしょう。

それに、何より①は蘭陵金氏(金光善)が望んでいたことです。

蓮花塢を復興させてまもない彼が、宗主歴が結構長い(しかも父・楓眠と仲良いとか言ってくる好色おっさん)金光善に「あんたんとこの魏無羨をなんとかしろよ」と言われたら...従うしかない...(こんなんお腹痛くなるわ)

それでモヤモヤした状態で乱葬崗に行ったら温寧に呪符大量に貼り付けてなんか蘇生を試みてるし、温氏と普通に暮らしてるし...もう訳わからんでしょう。

金丹の事情を知らない江澄の頭の中にはハテナが浮かびまくっていたでしょうね。

結局、魏無羨のことは「そこまでして英雄気取りがしたいのか」と誤解したまま、決闘を行なって「破門」を宣言することとなります。

これ以上雲夢江氏に迷惑をかけないように「破門にしてくれ」と言う魏無羨と、昔「藍氏が双璧なら雲夢は双傑だ!」とか言ってくれてた奴が突然約束を破って「破門してくれ」と言うもんだから破門するしかなくて破門した江澄...

視聴者(ワイ)「なんで本当のことを話さないんですか???(n回目の疑問)」

いや話せないのは分かってる、けれどもここで話していたら、金凌誕生パーティーの惨劇(金子軒殺害)も、江厭離の殺害も起こっていなかったと思うと、めちゃくちゃ分岐点ですよね...


兄弟子は殺せない
破門したとはいえ、交流が無かったわけではない江澄と魏無羨。

江厭離が金子軒に嫁ぐ際の花嫁姿を見せる時には、わざわざ人目のつかない場所を選んでその場に同席しています。

同席しているところからも、やっぱり(どうしてわざわざ雲夢に戻らない選択をしたのか...)と揺れ動いているんでしょうね。辛!!!

その後、金子軒が魏無羨(※実際は金光瑶と蘇渉)によって殺され、仙門全体が夷陵老祖討伐に動き始めると、江澄も仕方なくその波に流されてしまいます。

温姉弟が蘭陵金氏の元へ行き、彼らと一族が滅びたと世に声高にその事実が広められた時、闇堕ちした魏無羨こと夷陵老祖がかつての不夜天城へと赴きます。そこには魏無羨を殺せと叫ぶ血気盛んな仙師達の姿が。

魏無羨が陳情笛で怨念を操って一対多数の戦闘を繰り広げる最中、蘇渉が吹いた笛によって操られた仙師によって、江澄最愛の姉・江厭離が死んでしまいますね。

無羨にとっては笛で命令していないのにどうして厭離に害が及んだか分からない状態。江澄は、父母に続いて姉までも無くす、しかもまた兄弟子・無羨のせいで...!ということになり、怒り心頭になるしかないでしょう。

それでも。崖から落ちて死のうとしていた魏無羨は藍湛の手を握っていましたが、後ろからやってきて無羨の腕を刺す勢いだった江澄が刺したのは兄弟子の腕ではなく、崖だったんですよ。

無羨の動きを見ると、藍湛危ない!!!という感じで手を離している様にも、自分が死んだら江澄は嫌われ者の自分を殺した功績で雲夢江氏に恩返しできる...なんて思ってる様にも見えました。

ここで非情に兄弟子をしっかり殺せないところに、江澄の優しい性根が現れていると思うと涙が出てきますね。

実際、陳情令も2話だったでしょうか、16年後に大梵山で天女の幻影が現れ、鬼将軍・温寧が現れたということで夷陵老祖が復活した?!と騒いでいた藍氏一門や金氏、そして江澄の部下たちのシーン。

仮面の男(魏無羨)が魏無羨なのかどうか執拗に聞いている江澄は、恨みこそあるでしょうが、半端な人物に兄弟子を勝手に名乗って貰いたくないとすら思っている感じが...(個人的にですがね)!

しかも江澄がいけ好かない(藍ニとまで言っている)藍湛が、その男を庇っているときたら、そりゃあ紫電もぶちかましますよ...(ハイパー擁護)

けれども、紫電に反応がないので、「?こいつは魏無羨なのか?」と不思議に思っている江澄。
すると姑蘇藍氏の門弟・藍景儀から「でも夷陵老祖は江宗主が殺したのでは?」と言われてしまい

そこで、とても切なそうな顔をするんですよね...(泣)

江澄自身が殺したと世間には伝わっていたら、たしかに江澄のやっていることは整合性が取れないですよね。殺した相手の復活を疑っているので。

でも、それでもしつこく魏無羨の復活を疑っていたのは、どこかで彼の帰還を待っていたのかもしれないですね。景儀に痛いところを突かれて悲しい顔をしていたのは、そういう後ろめたさがあったのではないかと思います。


打ち明けてくれていたら。
金光瑶の陰謀によって乱葬崗に集められた仙門のみなさんが、魏無羨によって徐々に「魏無羨ってほんとは悪い奴ではないのでは...?」となっていき、蘭陵に帰る前に皆で蓮花塢に立ち寄る場面がありますね。

ここでも江澄はツンデレを発揮して、魏無羨に色々言っても追い払うことはなく接しているのですが、私は偉いと思うんですよ...

だって無羨は一応父母姉の仇ですからね、この時は。

その後、江おじさんや虞夫人に手を合わせる無羨と藍湛に暴言を吐きかけた江澄は、今まで抱えていた想いが爆発したのか、喧嘩をふっかけてしまいます。

仕方ないと思いますよ、だってこの時までは本当に兄弟子のことを家族の仇だと思ってるんですから。

けれど、随便を引き抜く事ができた事で状況が変わってしまいます。

ことの発端は霊力不足で、蓮花塢でぶっ倒れてしまった魏無羨へ怒りが止まらない江澄、金丹のことは知らないけど無羨絶対守るマンの藍湛、そして金丹のことを知っている温寧が出会ってしまったことによります。

事情を知っている視聴者側からすると、江澄が無羨へぶつける言葉の数々は酷いものですが、事情なんて知らないから兄弟子を恨むことしかできない江澄の気持ちを考えたことがありますか?(強火)

そんな彼に、「おめえの金丹は魏無羨のやつだぞ」「(陳情令では、一時期気になっていた相手でもある)温情がいたから金丹移せたんやぞ、お前は乱葬崗に温情がいた時は助けてくれへんかったけどな!」

「魏無羨の金丹持ってるから随便抜けるんやぞ!!!魏無羨のおかげで生きてんのにその言い方は何やいい加減にしいや」

と、温寧が爆発して、無羨から口止めされていたことまで全部吐いてしまいます。

アニメ魔道祖師ではこの告白を聞いて絶望したままの江澄で終わってしまったのである意味1番救われない描写だったなと思います。

陳情令の方は、この後随便を色んな人に「抜け!」と言って騒ぎ散らかしたらしい事がわかり、また悪事がバレた金光瑶から金丹の件で煽られたりしていますが

金光瑶との戦いの中で和解ができているので、救いはあったかもしれません。

けれどここで、やっぱりそういう事情は洗いざらい言って欲しかったという話になりますよね。

小さな頃からずっと育ってきて、相手のことを知り尽くしているからこそ閉口してしまった2人。

でも結局、言葉にしなかったからこそ、すれ違い、袂を分つことになってしまった。

拗れた関係の先には、思いがけない辛い未来が待っていました。せめて彼に金凌が居たことが救いなのかな。そう思うことにしておきます。

おわりに

魏無羨の自由具合についていける人間は、自分が型にハマっている上で、魏無羨の自由を認められる人なんだろうなと思います。

だから、規律に厳しい場所に育ちつつも、型破りと自由を会得した藍湛は、魏無羨の隣に相応しい人物になったんだと思います。しかも彼の場合は事情を知らずとも勝手に信じてくれる謎の忠犬みがあるんですよね。

だから忘羨は黙ってても大丈夫なんです。

でも江澄と魏無羨はそうじゃない。きちんと気持ちを言葉にせずに拗れてしまった彼ら。型に戻そうとする江澄と、江澄のために茨の道を行く無羨。

もう、辛いよぅ...(語彙力)

長々と書いてしまいましたが、要は江澄目線の魔道祖師がしんどすぎるってことですね。

父母姉を失って、恨むなと言われる方が無理なのに宗主をやって、精神をぶち壊されて。でも元凶(だと思っている)の兄弟子にトドメは刺さない。

こんな健気な坊ちゃん、いる?

ということで、魔道祖師や陳情令を2周目以降に見る方はぜひ、江澄の立場も考えつつ見ていただくのをオススメします。苦しくて考察が捗りますよ。笑

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