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技術書典7の爆死問題で考えたこと

技術書典7の爆死問題についてつらつら考えました。他同人イベントと技術書典の違いについてなどもメモ。根拠の無い雑談的なもの。

他のイベントと、技術書典との違い

ここのところ、花房なゆたさん(@1060work)の問題提議なども見て、色々考えていたのですが、そういえば技術書典と、他の同人イベントはちょっと感覚が違うなと思い当たりました。この「他のイベントと違う空気」が爆死問題への温度差になっているように思うのです。

まず、そもそもの「同人イベントとは何か」ですが、同人イベントというのは、歴史的経緯からしても「同好の士が善意でイベントを開催し、参加する人もお客ではなく、一緒にイベントを作る人である」が前提であると思っています。なので、店と客ではないわけです。

「イベント主催者(運営)に、サークル参加者がお金を払う」ことも、「サークル参加者に、一般参加者がお金を払う」ことも、

×店と客
○必要経費の一部を負担している的なもの

のようなものが一般的なイベントの考え方であると言っても良いでしょう。

同人イベントと言えば、コミケのような巨大なものや、企業の主催するオンリーなどもありますが、普通の人が50スペースくらいで開くものもたくさんあります。
バブル期のコミケ壁サークルなどは、相当な金額が動いたようですが、根底にあるのは、「同好の士が集まって楽しむ」のがメインであり、お金儲け(商業)の場ではないパターンが多いのです。

皆が集まるらしい→楽しそう!!→参加したい!→どうせなら自分も本を作って皆に見てもらいたい!→よし、本を作ってみよう!!
という流れです。
なので、8ページくらいのコピー本を出して100円で頒布しようとするも、2部くらいしかはけず、参加費7000円とコピー代は丸々赤字のサークルであっても「楽しかった!」と感じる人もいるわけです。

そのため、運営がポカをしても、運営だけ責めるのではなく、皆で解決しようという文化があります。(イベントは皆で作るもの思想)

ここまでが、ちょっと乱暴ですが、一般的なイベントの前提。
詳しく知りたい人は、詳しい人に聞いてください。コミケのルーツとも言える黎明期の日本SF大会・日本漫画大会の話なんかも読んでみると良いです。

技術書典は技術・知識をマネタイズする

技術書典は、どうかと言えば、若干性質が違うように思います。
同人イベントに参加経験のない人がサークル・一般ともに多いことは置いておくとしても、「技術・知識を収益化できる場である」側面が非常に強いです。これは悪いことではないです。念のため。寧ろ大変良いことです。形のない「技術」や「知識」が、目に見える「お金」として評価されるということなのですから。

スポンサーによるスカウトも公認されており、商業出版へのルートも明確に提示され、頒布数も多いところは尊敬されます。(というか、尊敬するよそりゃ)
つまり、他の同人イベントと比べると、「祭に参加」よりも「商業」面が強い。だからこそ、運営のポカ=サークル参加者の不利益につながりやすいです。

他の同人イベントでは許される「コピー本売った!二冊売れた!楽しかった!!」を、運営がサークル側に期待することは、技術書典では通用しません。
技術を換金することが目的の一つなので、いくら祭が楽しくても、やっぱり赤字であることは、サークル参加者にとってマイナスなのです。

売れなかった本の価値

また、先に書いた「形のない『技術』や『知識』が、目に見える『お金』として評価される」ことも一定の危険性をはらんでいます。つまり、「売れなかった=評価されなかった」本(技術・知識)は、「価値がないのか?」という話です。

本題から外れるので、詳しくは書きませんが、技術書典で同人誌が頒布されるまでに、同人誌には色々な要素が組み込まれます。それは、メインの技術の価値であったり、文章の質であったり、図のわかりやすさ、組版など、本の性質的なものもあれば、宣伝や表紙、著者やサークルの交友関係、など、外周的な要素もあります。
なので、「売れなかったんなら、本の質(技術や文章)が悪かったんだろpgr」というのは、非常に短絡的な結論です。悪い場合もあれば、そうでない場合もある。
原因は調査しなければわかりません。

ただ、サークル参加者によっては、この妄想とも言える「本の質が悪かったのではないか」に捕らわれてしまう方もいらっしゃるでしょう。
「売れなかったのは、本の質が悪いかもしれない」でも、「自信を持って書いた本が、そこまで悪かったのだろうか」
皆さん、印刷所から、製本された本が届いた時は、きっと嬉しかったろうと思います。思ったより格好良い。素人が作ったのに、印刷してもらったらそれらしい。技術書典はたくさん売れるらしいから、自分も売れたらいいな、と夢も膨らんだことでしょう。
それが、あまり売れなかった。しかも、運営が明らかなポカをしているのに、なんだか忖度する(ように見える)空気もある。

そりゃ、怒りもしますよ。

我々は、コミケの評論島も、技術書典も結構買い物します。今回はサークル参加で友人に買い物を頼んだので、少ししか購入しませんでしたが、買いまくることも多いです。だって、技術書も評論も同人誌も好きだもん。積ん読が軽く百冊超えてるけど、コレクションでも良いじゃん。コピー本も好きだもん。50円とか100円で、立ち読みして読み終わるようなものでも、つい買っちゃうくらいには、本が好きだ

そうした観点からすると、たしかにイマイチな本も存在しますが、それにしても今回の技術書典は辛かった(からかった)のではないかというのが、正直な感想です。
内容は悪くないんだから表紙どうにかしたら、もうちょっと売れただろとか、宣伝したら良かったのにとか、集客に工夫をして欲しいケースはありますが、本の性質的なもの(技術・文章)は、そこまで悪くない。自信を持って欲しい。必ずしも、「売れない」ことは、本の性質的なものの価値とまったく同じじゃない。

なぜ、頒布数が低かったのか、というのは、複合要因なので、いくつかデータを集めて分析しないとわかりません。
ただ、大雑把に言っても、チェック数を下回る人数しか、サークルスペースに来てもらえてないので、三階過疎問題は、三階勢が苦戦した要因の一つであろうと分析しています。
(サークルスペースに来た人=購入した人+立ち読みしたけど購入しなかった人。遠くから大澤君の顔を見て、クスっと笑って去って行ったり、歩みを止めなかった人を除く。つまり、複数の表紙を各3秒以上見るか、見本誌を手に取った人以上をカウントしています。おかげさまで、見本誌を手された方は、購入につながるケースが多かった。ありがとう。ノールックで購入された皆さんも、本当にありがとう!!
ちなみに、こんな感じの本売ってました。

だって、一冊の本書くって良いことだよ

残念ながら、在庫を多く抱えてしまったサークルも多いでしょう。ここまま押し入れに入れて眠らせてしまったら大変もったいないので、技書博2に参加するサークルに委託したり、他のイベントに出す、とらのあなに委託するなども、考えてみてはどうでしょうか。
BOOTHで電子版がはければ、紙の本の赤字を埋める助けにもなります。
会社や取引先で配ってしまう手もあるかもしれません。
一冊本を書いたということは、名刺にもなりますから、自棄にならず、活用してください。
あなたの本は、大変良い本です。まだ、読みたいと思ってる読者はいますよ。

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小笠原種高と大澤文孝を中心としたモウフをかぶる活動をしている集団です。お仕事の依頼等は、ウェブサイトからどうぞ。 とらのあな、BOOTHに委託しています。 ■紙の本 とらのあな →モウフカブールで検索 ■電子本 BOOTH https://mofukabur.booth.pm
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