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前十字靱帯断裂って,やらかしたときは痛いけど,その後は痛くないんだって。

3月19日から1か月あまり,自宅を留守にした。
京都で学生生活を送っている下の子が「練習試合で靱帯切れたかも」と17日に連絡してきた。「かも」なら親はいらないかもと思ったのだが,「膝から下が動かない,松葉杖なの」の一文で「だめだこりゃ」と思い,行くことにした。

わが職場の店長,
「いつ帰ってこれるかなあ..1か月はかかんじゃね?」
「じゃ,1か月間はお休みということでお願いします。」

エレベーターの無いアパートの4階に住んでいるため,不憫に思った優しい同級生が,私が来るまでの間,泊まらせてくれていた。お世話になりました。ありがとうね。

骨と骨を繋いでるのが靱帯。骨と筋肉を繋いでるのが腱。
次女がやらかしたのは前十字靱帯。ブチんって。いやあ,痛い..想像しただけで痛いじゃないか。
「何したの?」
「え、バックアタック撃って着地に失敗したの。左膝をね、こう内側に入ったまんま床に。」
「音した?」
「いや,音はしなくて,膝に関わってる筋がグニッてなるのがわかった。」
やった瞬間は痛かったけれど,10分もすると治まって,その後は痛くないという。痛くないけど力が入らない。力が伝わらないから歩けない。
膝周りがかなり腫れている。触るとぷにぷにしている。血だか水だかが溜まっているのだろうか。
「そんなに腫れて痛くないの?」
「うん。なんも切れてなくて,ワンチャン捻挫みたいなもんなのかも」とのんきなことを言っていた。

やらかした直後に部活御用達の整形外科に連れていかれた。偶然にもアパートの近所の町医者。そこでレントゲンを撮ってもらうが,レントゲンだけではわからないから,22日に梶井町にある放射線クリニックでMRIを取ってくるよう言われたという。

MRIを撮った次の日、町医者のところに行く。初老の医師が画像を見ながら、
「はい,前十字靱帯断裂ね。ほら,ここにあるべき前十字靭帯がないやろ。ほんまやったら,こっからこういう風にあんねん」
ふうん,そうなんだ。
こことは違う整形外科に31日に入院,4月1日に手術ということになる。
手術をやってくれる病院に、目の前で電話をしてくれた。
出ない。
また掛けなおすがやはり出ない。
少しイラっとした様子で携帯を取り出して掛ける。今度はすぐにしゃべり始めた。
「今,病院に電話してんけど,だーれも出えへんねん。休みなんか?まあええわ。あんな,1日に手術入れてほしいねん。うん。他入ってんの小さい手術ばっかりやろ。うん,そこに入れたって。ほなな」プチ。
「あんたは上司か」と笑いをかみ殺して聞いていた。
電話の向こうの医師は若いのかなと思った。
手術してくれる病院に25日までに行ってくれと言うので,次の日に行ってみたらびっくり。似た感じの初老の医師だった。大学の先輩後輩なのかな..

「靱帯の手術って繋ぐ手術やと思いますやろ?」
え?違うの?
おもむろに手術の内容が書かれてある冊子を取り出しタイトルを指さして
「前十字靱帯”再建”手術、言うんです。再建するんですわ。」
はあ。化学繊維でできた平たいひも状の人工靱帯を見せてくれた。膝から2か所で腱を採取し,人工靱帯も使って前十字靱帯を作りなおすのだ。骨に穴を開け,そこに人工靱帯を通し,引っ張って金属プレートで固定…もうそこから先は覚えてない。あまりにリアルな説明で気持ちわるい。私の膝がゾワゾワした。手術は全身麻酔で行われる。内視鏡を使うので傷は小さくて済む。時間は1時間ちょっとかなとのことだった。
生身の体にメスを入れて手術するというのに、医者にとってはロボットのパーツの取り替え、修理みたいな感覚のようだった。

入院の日は、いかにもベテランといった、恰幅のいい看護師さんが出迎えてくれた。
「さすがに泣かへんな」
と笑いながら。親と離れて心細くなるから、小学生やもっとちびっ子だと泣いちゃうのかな。20歳の小娘はにこやかに病棟に消えていった。

手術が終わり、医者から電話がかかってきた。問題なく終わったとのこと。半月板が少し傷ついていましたが、自然治癒しようとしていたので、触ってませんとのことだった。
まあ、無事に終わってほっとした。手術から二日後,リハビリがスタートしたという。
「マッサージしてくれて、足曲がりやすくしてくれた。全然痛くなかった 」とのこと。
1週間で退院した。リハビリの続きは町医者のところでやってくれとのこと。

帰宅して足を見せてくれた。縫ったところと内視鏡用の穴を開けたところはまだガーゼでぴっちり覆われている。防水用の透明なシートも張られている。シャワーを浴びてもいいのだろう。
ひざ周りやふくらはぎの内出血が痛々しい。右足と全然ちがう。同一人物の足とは思えない。ボコボコに殴られたんですか?という感じになっている。足全体に紫色や黄色が点在している。
「内出血は日に日に下がってくるんだって。」
「じゃあ,最終的には,かかとと土踏まずに紫色が溜まるんだね。」
10日ほどして予想通り、紫色は溜まった。

退院して翌日の夕方,町医者のところに行った。たっぷり2時間半,リハビリをしてからの診察。
「もう松葉杖いらんのとちゃう?」
ということで松葉杖は片方だけになる。そういうもんなんだ。ずいぶんスパルタだなと思った。
帰る道すがら,
「リハビリの先生に体かったいなって言われた」
「まあそうよね。今まで大きな怪我をしなかったのが不思議なくらい」
特に股関節が硬い。家で地道に柔軟体操してください。
自転車で10分もあれば大学に着くけれど、歩いていかねばならない。しかも松葉杖で。25分くらいかかるらしい。
帰宅したらかなり足が浮腫んでいたが、それも日に日に治ってきた。若いってすごい。

今は町医者のところに、週に一回リハビリに通っている。午前中、たっぷり3時間。
大臀筋と腿を鍛えて膝をカバーせよということなのか、よくヒップアップに効果的と言われている運動、横向きに寝て腿から足を上下させる動作をやっているという。最近は負荷を高めるためゴムチューブをつけてやっているとのこと。さらに立派なお尻になるねえ。

2か月経ったけど,もう自転車に乗ってるって。若いってすごい。
まだ部活はできなくて,その時間は一人トレーニング室で筋トレしてるのかな。何せ全治8か月なもので。
もう少しで正座の練習だとか。

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