論文備忘録#Day1「社会心理学で偏見を減少させるためのVR利用まとめと方法論に関するフレームワークの提案」

🗒️ タイトル:
The future of prejudice reduction research: A critical review of the role of virtual reality (VR)

🙋‍♂️ 書いた人:
Roberta Chen, Fiona A. White

🔢 投稿された年:2024

📚 投稿された雑誌:Computers in Human Behavior

🔗 りんく:
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0747563223004247?via%3Dihub

ここからはあくまで論文メモです.
情報を共有,利用する際には必ずご自身の目で確かめてから共有してください.


🤔一言でまとめると

社会心理学の文脈でVRは偏見とかステレオタイプの減少に効果がありそう.でも方法論が標準化されてないから,ワイらがフレームワーク提案するよ

🛣️もう少し詳しくまとめる

VRを用いた偏見・バイアスの軽減

潜在的なバイアスを軽減するツールとしてVRが活用されている.偏見を減少するためのアプローチは大きく2つ
① 個人の体験:アウトグループに対する感情を対象にする
② 集団間の体験:あるグループのメンバーが別のメンバーと相互作用する
前者は視点取得(perspective taking),後者は集団間接触(intergroup contact)という方法によって検証されてきた.

没入感と存在感(プレゼンス)

心理学の文脈でVR研究を行う際には没入感(Immerson)と存在感(Presence)がキーワードになる.イメージとしては没入感は仮想空間という環境に集中・リアルさを感じている感覚で,プレゼンスは仮想環境にリアルにいると感じている感覚.(※この辺の定義があいまい…もう少し調べよう)

少し前にまとめたときの定義

一般に,没入感でもプレゼンスでも高いほどバイアスの結果に影響するといわれている.しかし,従来のVRを用いたバイアス研究はこれらのレベルを適切に記述できておらず,相互作用の程度などもバラバラ

標準化のための2つの提案

そこで,本研究では2つの基準で研究を分類しようと提案している.
その基準というものが①入力デバイスのトラッキングレベル,②身体動作の自由度である.

① 入力デバイスのトラッキングレベル
VR研究に用いられる入力デバイスは様々である.マウスやキーボード,コントローラーをはじめ,完全にモーションキャプチャができるトラッキングデバイスなどがある.本文では,トラッキングできるかできないかの2つに分類している

② インタラクションの自由度
上記の入力デバイスにも影響するがインタラクション,つまり身体動作の自由度にもレベルがある.完全に自身の動きや表情を再現できるものと,座った状態で顔だけインタラクティブなもの,360°動画のように視線のみでインタラクティブではないものの3つの分類がある.

フレームワークを使用した既存の研究のレビュー

色々あるので細かいところは本文を参照.個人的に面白かったものをピックアップ

①集団接触 Intergroup contact
VRを用いてアウトグループ(自分とは異なる集団)とつながり,接触する.
VRを用いることでバイアスを減少させることができる理由として環境条件を整えやすいことがある.例えば,Allport(1954) は異なる社会集団のメンバー間の積極的な接触は、次の4つの条件が満たされていれば、偏見を減らし、積極的な集団間関係を促進できると提唱している.のちにメタ分析(Pettigrew & Tropp, 2006)を通して実証されている.

Allportの4つの条件
1. 集団メンバーの平等な地位
2. 意味のある共通の目標に向けた作業
3. 集団メンバー間の協力
4. 相互作用に対する制度的支援

どんなにがばっても全文にたどり着けない…有識者の方教えてください…

② 偏見を測定するツールとしてのVR
HMDを用いることで,アイコンタクトや頭の回転,手の動きなどの身体行動を追跡することが簡単になる.特に面白かったのは社会的距離の測定.現実世界では社会的距離(パーソナルスペースとか)はあるけど,VRでも同様にあるらしい.

  • 実際、VR研究は、個人が仮想のアウトグループエージェ ントと相互作用し、社会的距離を維持する方法は、現実の場での 行動と一致することを示している(Bailensonら、2003; Yaremych & Persky, 2019)

  • 視線方向が、社会的相互作用中の社会的回避を含む、アウトグループメンバーに対する身体的行動を決定するために使用することができる追跡データを作成することを示している(Yar- emych & Persky, 2019)

あとは,シューターバイアスなるものがあるらしいのでもう少し深堀ってみる.

明日読む論文(多分)

- Tassinari M, ,et.al, 2022 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35834584/ - Pettigrew, T. F. http://et.al. ,2006 https://psycnet.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2F0022-3514.90.5.751

筆者はしがない無職の大学院生です.
自身の研究を通して,世の中に何か貢献できないかと考えこのnoteを投稿しております.noteの投稿はすべて無料で行う予定です.(※おそらくは…)
研究活動,そして僕自身の生命を継続していくためにもご支援いただけると幸いです.

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人類の新しい身体について研究する筆者の研究記録です. キーワード:VR/e-sports/身体性/HCI/VirtualHuman

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