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時間について:時間ではなくエネルギーで考える

時間について考えてみる.すると,パッと2つのことを思いついた.

  1. 時間は有限である

  2. 今に集中する

これらについてもう少し考えてみよう.

時間の有限性について

締め切り.様々なことには,締め切りがある.課題・原稿の提出期限,賞味期限,旬やトレンド,婚期,人生.私たちは,意識的・無意識的に時間を箱のように区切って,期限やトレンドなどを認識している.時給というシステムも同じだ.時間に対して給与が支払われるが,そこには時間を箱のように区切るという前提がある.果たして時間は箱のようなものなのだろうか.本来,時間とはアナログなモノで,どこかで区切りよく線を引けるようなものではない.時間を箱のように扱うのは,時間がデジタル,つまり離散的だという思い込みが根っこにはある.連続的で捉えることができないはずの時間を,離散的で計測可能にすることで期限や締め切りを作っているのだ.
なぜ,そんなことが必要なのか.私は哲学や歴史の専門家ではないし,この文章は単なる妄想で,下調べは全くしないことが主義なので,事実は不明.私なりに考えられるのは,社会を形成する上では共通の客観的な指標が必要だったのではないかと考える.時間という共通な概念がないと,例えば農作物の収穫を伝達できない.主観的な温度や明るさを伝えても,それは感覚的・主観的なので,他者には伝わらない.同様に,1:n の構図で主権が存在し,多くの人を管理するような社会では時間を客観的で離散的にする方が管理しやすかったとも考えられる.ともあれ,ここで重要なのは時間は連続的,主観的なものであるということ.本来,箱のように区切ることができるものではないんじゃないかと考える.

そう考えると,「時間は有限である」というのはおかしいような気もする.言い換えるならば,「生命は有限である」だ.いつか訪れる死は,人生の締め切りといえるかもしれない.しかし,時間は誰かにとって固有のものではない.私にも,あなたにも同様に時間は存在する.だから,「時間は有限である」はおかしい.「生命は有限である」と言い換えてみよう.すると,新しい気付きを得ることができる.生命を主語にすると,人生を時間ではなくエネルギーで捉えることができる.人生を0歳から100歳までのデジタルで客観な時間ではなく,すべての細胞が死ぬまでに生産できるエネルギーの総体と捉えるのだ..同様に,時間で管理する制度はやめて,エネルギーや集中力で管理するのだ.

今に集中する

エネルギーの観点から時間を捉え直すと,時間の一線的な流れに対する新たな理解が生まれる.エネルギーは常に「今」の状態であり,過去や未来という時間軸に捉われない.例えば,太陽から放出される光は,我々がその光を感じ取る瞬間に存在し,そのエネルギーは現在の形でのみ体験される.この光が地球に到達するまでの過程や,それ以前の太陽の状態は,我々の現在の体験とは無関係である.

このように,エネルギーは時間の制約を超え,常に「現在」に集中している.人間の行動や思考もまた,この「現在」のエネルギーによって動かされている.私たちが行うあらゆる活動,感じる感情や思考は,現在のエネルギーの状態によって決定される.つまり,過去の記憶や未来への予測は,現在のエネルギーの流れの中でのみ意味を持つ.

この視点から見ると,過去や未来は単なる思考の産物であり,物理的なエネルギーの流れの中では重要性を持たない.現在とは,エネルギーが最も生き生きと活動している瞬間であり,この瞬間こそが最も実質的な存在である.したがって,私たちが真に重視すべきは,過去や未来に思いを馳せることではなく,現在のエネルギーをどのように活用し,享受するかということになる.

つまり,これは禅の精神である.禅は,常に現在に意識を集中させ,その瞬間に完全に没入することを教える.過去の思い出や未来の憂慮に囚われることなく,現在の瞬間に真の意味を見出すことが重要である.

禅の教えにおいては,各瞬間は独立しており,互いに連続していないと考えられる.すべての瞬間は,それ自体が完全であり,無限の可能性を含んでいる.したがって,エネルギーを現在に集中させることは,禅の教えによる生活のあり方と直結している.

現代社会において,私たちはしばしば忙しさに追われ,過去の後悔や未来の不安に思いを馳せることが多い.しかし,禅の精神を取り入れることで,現在の瞬間に集中し,そのエネルギーを最大限に活用することが可能となる.現在に意識を集中することで,心の平穏を得るとともに,より生産的で満足のいく生活を送ることができるのだ.

このように,エネルギーをもとにした時間の捉え方は,禅の教えと深く結びついている.現在の瞬間に意識を集中することで,私たちは真の自己実現に向かうことができる.これは,単なる時間管理の技術を超え,心と精神のバランスを保つための重要な哲学的アプローチである.


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