見出し画像

【日本IP編】 2018年ニュース総集編

「ソニック」「ロックマン」「ビバップ」「DDR」「電車男」。日本原作のゲームを皮切りに、訴求性の高いアニメ作品などが国外で活動の芽を出しはじめている。「進撃の巨人」に加え、ひいては「機動戦士ガンダム」までが権利活用の対象になるとは、数年前、誰が考えただろう。

遡れば、ネットフリックス製作の長編実写作品『アウトサイダー』のデビューに加え、是枝監督の『万引き家族』の世界的な評価など、邦画作品の活躍も目覚ましい一年となった。中国での「ドラえもん」の成功も忘れてはならない。

一方「クールジャパン」が残した負の遺産に対し、光があてられた。『カメラを止めるな!』でにわかに湧き上がった邦画界へ、超低予算映画の業界事情に警鐘を鳴らす報道もなされた。

2019年は、すでに日本産IPを原作とした大作映画の公開が控えている。コンテンツ海外進出のカギは、それらの業績によって大きく左右されることになるだろう。

関連記事:

日本原作「ゴールドラッシュ」の狼煙
(掲載:mofi 第226号 2018/11/05)

1月−3月

■ 戦後ヤクザになるアメリカ人を描く『アウトサイダー』予告編公開
3月9日にネットフリックスで公開。浅野忠信や椎名桔平、そして忽那汐里の活躍には期待大。(O)

■ セガの名キャラ『ソニック』2019年に長編映画公開
パラマウント配給、ニール・モリッツがプロデュース。任天堂の『スーパーマリオ』に次いで、日本産のキャラクターが脚光を浴び始めている。(O)

■ GKIDS、『打ち上げ花火』北米配給権を取得
今年のアカデミー賞最優秀長編アニメーション賞にもノミネートされた「The Breadwinner」の配給も手掛けたGKIDSのアニメーション推しが続く。旧作ジブリ映画の配給やディスク化もたて続けに実施中。アニメの勢いはまだまだ続きそうだ。(O)

■ ハリウッドから日本へ 国からの還付金制度導入を提案
「日本を題材にした作品が日本で撮影されない」ことへの機会損失を是正すべく、日本国領事館主導での提案書が提出された。その記念パーティーには筆者も参加したが、華やかであった。果たして提案通りの製作体勢は整えられるのか。アメリカ慣れしたスタッフも、日本には十分にいると思うのだが。(O)

■ ウェス・アンダーソン監督『犬ヶ島』の脚本務めた野村訓市氏
面白い関わり方の、面白い経歴の、面白い日本人、というイメージ。(M)

4月−6月

■ 園子温監督新作、ニコラス・ケイジ主演で英語圏進出
「Prisoners of the Ghostland」と題した園監督の最新作には、Eleven Artsのコウ・モリ氏を含む製作会社4社が携わる。うち、現在開催中のカンヌでは、海外窓口担当のXYZ Filmsがプリセールスで同作品の交渉にあたっている。脚本はAaron HendryとSafaiが手がけた合作。暗い、未知の次元へと引き込まれた女児を救出するため、ケイジ演じる男性が奔走する物語。(O)

■ Viz Media、オリジナルIPへ進出 ネットフリックスで新作アニメ
ネットフリックスで人気を博したアニメ「Castlevania(悪魔城ドラキュラ)」のプロデューサーと手を組み、メキシコを舞台にしたアニメ作品を製作する。日本国外での「アニメ」製作が加速している。国産アニメの海外進出も遅れを取っている暇はない。(O)

是枝裕和『万引き家族』にパルムドール カンヌ映画祭
日本の映画作品では、1997年の今村昌平監督『うなぎ』以来、21年ぶりの快挙。レッドカーペットに僭越ながら参加して観ることができたが、観客の拍手の熱量は高く、10分間は鳴り止まなかった。日本では6/8公開。(M)

『映画ドラえもん のび太の宝島』が中国で週末1位を獲得
中国における「子どもの日」も手伝って、初週$24.3Mの滑り出しで着実に1位。中国におけるドラえもん人気は、いまも健在だ。(M)

■ 経産省主導の映画会社「ANEW」の消滅 ヴァラエティでニュースに
かつて映像分野でのクールジャパンを牽引すると言われ、鳴り物入りで創設された「ANEW(オール・ニッポン・エンターテイメント・ワークス)」。6年で60〜80億円近くを使い切って、5,000万円にも満たない金額で売り払われた同社は実質的に形骸化し、実務スタッフが丸ごとゲーム会社で同様の事業を立ち上げるという不思議な再スタートを切った。なおこの一連の報道、必ずといっていいほどHiro Masuda氏という方が絡む。粘り気の強い方のようだ。(O)

■ 倫理問われる邦画界 低予算の限度競う傾向
安かろう悪かろうは常識的に受け入れられているが、そのうちの何作かが当たると途端に讃えられる。洋画ホラー界でも同じような現象はあるものの、程度の酷さからいくと日本に並ぶ国は少ない。(O)

7月−9月

■ 『機動戦士ガンダム』実写映画化企画を発表
アニメエキスポで発表された本作の実写映画化は、レジェンダリー・ピクチャーズとの共同製作。『パシフィック・リム』や『ゴジラ』といった大型ロボット・大型怪獣シリーズを擁する同社とのシナジーはいかに。(M)

■ レジェンダリー、ワーナー・ブラザーズ配給への復帰説浮上
“Detective Pikachu” がワーナーでの配給になったことが先日発表されたばかりだが、レジェンダリーがユニバーサルと締結していた配給契約が今年12月に切れることをうけ、ワーナーに戻るのではないかとの情報が飛び交っている。フランチャイズ作品を欲するユニバーサルからすると痛手になるか。(M)

■ Indiewire紙「『カメ止め』は『ショーン・オブ・ザ・デッド』に次ぐ名作」
総合評価A-(Aマイナー)は同紙のレビュー値としては最上級と言っていい。海外での展開が望まれる。(O)

10月−12月

■ 「ダンス・ダンス・レボリューション」実写映画化

■ 「ロックマン」実写映画化 マシ・オカがプロデュースに関与

■ 『電車男』北米でドラマ化 グローバルロードが製作?
プロデュース陣にフィル・ローゼンタール、ロイ・リー。監督にアダム・シャンクマン。一方、製作のGlobal Roadはというと、『タイヨウのうた』のハリウッド映画化作品や『タイガー&バニー』の実写映画企画にも着手している親日感があるが、今年9月に破産宣告を申請したばかり。スタッフ布陣は強力。実現に期待できるか。(O)

■ 「僕のヒーローアカデミア」レジェンダリー製作で実写映画化へ
レジェンダリーの日本IP推しが目立つ。また、2018年10月はとくに日本IPの実写映画化発表が目立った一ヶ月だ。近日中にコラムにまとめて考察したい。なお日本配給は東宝で決まっているとのこと。(M)

■ 「進撃の巨人」実写映画化 「It/イット」監督が手がける

■ 小栗旬、2020年公開の “Godzilla vs. Kong” に出演へ
日本の原作のみならずタレントもまた世界的な舞台に進出する契機になれるかどうか?注目されるキャスティング。(M)

■ 『カウボーイ・ビバップ』Netflixで実写ドラマ化 渡辺信一郎監督が監修
これまでの日本IPの海外展開について報じられている数々のニュースでも、ひときわビッグなタイトルだ。全10話、渡辺信一郎監督が監修するとの報には期待が持てる。(O)

■ 『ブレードランナー』アニメ企画進行中 神山健治と荒牧伸志両監督就任
アルコンが復活させたカルト映画の続編『ブレードランナー2049』は、一大フランチャイズのはじまりとなるはずだった。しかし興行の不振ぶりから、直接の続編を製作することにはブレーキがかかっている。アニメ企画の進行の背景と言ってもいいだろうが、きっかけはどうでも良い。強烈なタイトルに日本人アーティストたちが絡むことそのものに意義がある。(O)

■ 「ウルトラマン」北米展開へ再出発 リブート企画も始動か
「ウルトラマン」が海外展開の仕切り直しへ踏み出すようだ。ハリウッド・フランチャイズのデジタル戦略に寄与してきたとされる「スターライト・ランナー・エンターテイメント」とのパートナーシップが基軸。ストリーミング系で新たなシリーズを製作するとの見通しもある。伝統的ヒーローの飛躍なるか。(O)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?