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ルース・ベイダー・ギンズバーグの絵本

うちの家では、絵本を含め、様々な本を通じて社会を学ぶ文化がある(私を除いて)。本なら惜しみなくお金をかけようという方針で、私は娘の絵本をよく選んで購入するようにしている。私が幼い頃に好きだった本、話題の本、いただいた本、うちの本棚は大人が見てもワクワクする。

今日は、珍しく旦那が絵本を買ってきた「わたしは反対! 社会をかえたアメリカ最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ」という新刊の絵本が本棚に並んだ。ポップなカラーリングに英語がちらほら。まだ4歳の子供には文字量も多く感じた。内容は通称RGBと親しまれ、映画にもなったアメリカ合衆国の女性法律家の話である。1993年にビル・クリントン大統領に指名されてから死去するまで27年間にわたって連邦最高裁判事(陪席判事)を勤め、特に性差別の撤廃などを求めるリベラル派判事の代表的存在としてアメリカで大きな影響力を持った人物だ。絵本には、彼女の人生で起きた性差別の出来事が描かれ、そのようなケースと向き合ってきた彼女の姿勢が示されていた。違うと思ったことにはNoと言おう!というのがメッセージだ。

 娘は、4歳となり、主張も激しい年頃だ。嫌なものはNoと言えるようになった。やりたい事も言葉で伝えられるようになった。母としても自分の気持ちを表現できる娘に育って欲しい。一方で、人の気持ちもわかる人間でいてほしい。世の中にはいろいろな立場の人間がいて、立場によってものの理解の仕方が違ったり、意見を変えざる得ない状況に置かれる事もある。そんな多様性のある人や社会を変えるには、ルールそのもの変更や構造を変える必要がある。またそれを本当の意味で浸透させるには行動変容させる仕組みが必要なのである。

その絵本を読んで、自分の意見をもった上でどんなアクションを自分がとっていくのか、その先の事についても考えられる人間になってほしいと願う。絵本にかける期待度は120%…苦笑。倫理観、ジェンダーの課題、自分の姿勢、職業観…私自身もこの絵本から学ぶことは多かった。この本を訳したさくまゆみこさんは、アフリカ系アメリカ人に関する社会課題を描いたローザという絵本の翻訳もされていて、どうやら社会派な翻訳家さんのようだ。すでに本棚にはローザもあったので、さくまさんと少し近くなったように感じた。子どもより絵本が好きなのは、実は私なのかもしれない。

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