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雨の日曜日

よく降りますねえ、雨。大阪はこれで三日目です。

雨は嫌いじゃない。家の中にいる分には。お洗濯ものなんかきょうび、乾燥機があるから問題ないし。

転勤になって前の職場のように一駅お散歩がてらに歩くというわけにもいかなくなった。ひたすら地下を歩く歩く歩く。

正直つまらない。

転勤が6月からだったので雨の季節になるし、そのあとはすぐ暑い季節になるからと思って地下を歩くコースを選んだ。だけどつまらない。

途中、大阪の中心地を通っていくから買い物好きな人にはたまらないところなんだろうけれど、服をたくさん持ってたら組み合わせとかに悩むだけなのであまりほしいと思わない。

毎日たくさんあるお店の前を通って、行って帰るだけ。

最近、物が欲しいと思わなくなった。もう少し若かったときはあれこれほしいものだらけだったような気もするんだけど、最近全くそういう欲求がない。子供たちと服を買いに行っても欲しいと思うものがない。

でも、一つだけまだ欲しいと思っているものがある。

海の見えるところに住みたい。広い空が見えるところに住みたい。猫がいればなおよし。

それが最後の欲しいものになるかもしれない。

暑い季節が終わったら、地上に出よう。たとえ大阪のコンクリートジャングルでも地下よりはいい。空が見える。

子供たちが小さかった頃によく読んだ絵本の中に、「雨もまた楽し、傘させば」というフレーズがあった。

雨の日でも子供は外に出たがる。長靴はいて傘をさして、支度が大変なんだけど雨の日のお散歩は楽しかった。長靴はいてるから水たまりもへっちゃら。近くの公園に行って、雨が降ってても水面を泳ぐカモたちを眺めて楽しんだ。

子供たちが大きくなってお散歩は必要なくなり、雨の日は家の中でじっとしていることが多くなった。

雨を嫌って空の見えない地下を延々と歩く道を選ぶようになった。

雨で髪はぐしゃぐしゃになるし、服が濡れると職場で着替えるから、ロッカーの中に入ったままの服は帰りに再び着るときひんやりと冷たい。

だから雨に濡れない道を選んだけど、雨の日は嫌いじゃない。

「雨の日もまた楽し。傘させば」

暑い季節が終わったら、地上に出よう。たとえ大阪のコンクリートジャングルでも地下よりはいい。空が見える。

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