黒猫シェフ
ノエルを乗り切ったバーテンダーの「うと寝」 冬銀河添え
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ノエルを乗り切ったバーテンダーの「うと寝」 冬銀河添え

黒猫シェフ

「お客様 申し訳ございませんが もし差し支えなければお帽子をおとりください」
初めての客だった


カウンターでその帽子は似つかわしくなかったのだ
何せその帽子はシルクハットなのだ
若者のニット帽子やキャップは、このご時世『しかたなし』と諦めている
勿論、常連様には許さないのだが・・・・
 
「いや すまん 差し支えがある」

「そうでしたか 致し方ありません」

「すまん」

『きっと大きなキズでもあるのだろう でも何もシルクハットでなくたって・・・・』
『ひょっとして あの中に銀河系が広がってたりしたりして・・・』
何気にその客と目が合い、口元が崩れたような気がして目を外した
 
 
フィニッシュを迎えた客が一人二人とカウンターを離れていった
 
カウンターには例のシルクハットの客だけになった

「すまなかったな こんななりで 実はこうなんだ」
その客がシルクハットをぬいだ
 
 
そこには 
銀河系が広がっていた

「おめずらしい・・・・」

「これも仕事ってやつさ」

「お疲れ様です でも・・・なんでまた・・・そんな御大層な・・・」

「ふふふっ 世の中 いろいろあんのよ」
 
 
その客はグラスに残っていたカシャーサを一気に飲み干して席を立った

「じゃあ また いつか」

「はい お待ちしております」
ドアまで見送った
 
曇り空なのか月の面影すら見えなかった

「お気をつけて 」

「ああ ありがと」
客は背を見せて歩き始めた


 
くるっと振り返り

「わははははははっ」
もう一度シルクハットを脱いだ
 
客の頭から 銀河が夜空に流れだした
まるでクリスマスツリーのロープライトが夜空に、ものすごい勢いで巻きつけられるようように
 
 
 
 
 
 
 
客の置き土産
ツリートップのシルバーティンクルを握り締めたまま
バーテンダーがカウンターで目を覚ました



 
後片付けは何も終わっていない あるバーの12月26日の ぐふっ もう昼


           

こんな夢なら よかったのにね  御苦労さま^^

have fun


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黒猫シェフ
1960年生まれ 北海道出身 使役犬(シェパードとかドーベル)トレーナー 家電量販店(そうご電器) アイスター商事関連 パルブレッド(パルシステムグループ ほぼ品質管理部門) とある専門学校(定年なったので)