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キャップ と腰履き

「なんかここやばくね?」

「ぼられるじゃね?」

「やばい人いるんじゃね?」

「やめよ 他いこ」

   

多くの方は、特にお若い方々は、まず『うさんくさい』『危険なにおいがする』

そうお思いになるようです

  

 

私には時間の通い道を、どなたかが通るのかがわかります

 

その時第一印象が悪いと

そっ まずドアが2cmだけ開きます

ドアを開けて差し上げると、一瞬驚かれます

  

いつもより姿勢を正し、いつもよりやや低めの声で

 

「よろしかったらどうぞ」

 

特にお若い方のグループですと覗いていた方が

お仲間のほうを振り返ります

それで

「いやまた後で来ます」

と言われお帰りになる方もいらっしゃいます

 

『すぐかえろ』

うなずきあった上でお座りになる方々もいらっしゃいます

  

メニューをお渡しします

大抵ひじでつつきあって

『そんなに高い店じゃないな』

と確認されます

  

少しからだの筋肉が緩みます

  

そこで

いつもより姿勢を正しいつもよりやや低い声で

「さしつかえなければキャップをおとりいただけますか」

  

一度緩みかけた筋肉が再び緊張します

  

居心地が悪いかもしれませんが・・・

  

  

  

  

おやっ 時間の通り道をどなたかが歩いて来ます

「こんばんわ」

キャップをかぶり腰履きのお客様がお一人おみえになりました

 

 

 

 

お話しはここまで

あっ そんな接遇でございますから

BARイカロスには、お若い方は懲りて二度とお見えにならない・・・ 

とは限りませんのです

 

 

「いらっしゃいませ どうぞこちらに」


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