見出し画像

最近のベルリン‐ドイツ総選挙のポスター合戦とKlima Streik(気候デモ)

ベルリンの街にあふれる選挙ポスター

9月も終わりに差し掛かり、ベルリンはすっかり涼しくなってきた。
9月を通して、街中を歩いていて目に付いたものと言えば選挙ポスター。9月26日に行われたドイツの次期首相を決める総選挙を前に各政党が宣伝合戦をしていたのだ。

画像3

メルケル首相の所属するCDU。ドイツ人の知人によると、中高年層からの絶大な支持を受け、常に得票率の高い政党らしい。
"Von hier. Für Sie. Wieder in den Budestag. (ここから。あなた方のために。連邦議会でもう一度。)"と言うメッセージには、第一党として今後も留まり続ける意気込みが見える。

画像1

上の写真は、若者に人気の緑の党のポスター。
"Grün wählen für Berlin (ベルリンのためのグリーンな選挙)”と言うメッセージ。ポスターに写る党員たちも割と若いのが特徴的。

画像3

一番上は、極右政党のAfD。"Hände waschen. Nicht Hirne. (手を洗おう。脳みそ(洗脳)ではなく。"と言うメッセージはなんだか意味深。
真ん中は風刺雑誌の編集者が党首を務めるちょっと変わった政党、Die Partei。労働者視点の政策が多いが、ポスターに”Vote for the Queen”とは、もちろん皮肉だろう。
一番下は、ドイツ社会民主党SPD。SPDはYoutubeでの宣伝にも力を入れていた。この優しそうなおばさん、Franziska Giffeyの顔を何度Youtubeで見たことか。
選挙の結果は、SPDが僅差でCDUに勝ったそうだ。これから、どのような政党が構成されるか、市民の注目を集めている。

選挙直前に行われた気候変動デモ

画像4

選挙の直前の9月24日金曜日には、気候変動への取り組みを主張するKlima Streik(気候変動デモ)が行われた。学生たちの環境保護運動Fridays for future と合同の大きな取り組みだ。ストライキ、と言う言葉が使われるのは、学生たちが学校へ行かず、学業をストライキしてこの運動に参加しているからだと思われる。

Fridays for future (未来のための金曜日)と言う運動は、知っている人も多いと思う。中・高、大学生を中心とした若者たちが、毎週金曜日に気候変動への問題意識のために集まり、デモを行っている。この運動の提唱者はスウェーデンの若き環境保護活動家、グレタ・トゥーンベリ。
今回のベルリンでの集会は、総選挙前と言うこともあり大規模なものとなった。数々の環境保護団体や若いミュージシャンなどが連邦議会の前に集う中、グレタもスウェーデンから参戦した。
彼女のスピーチの様子がインスタに上がっていた。

「もちろん投票は大事だが、それだけでは十分ではない」
「これからも街へ出て、デモを続け、政治リーダーたちに気候変動へのアクションを本当に取ることを要求し続けなければならない。」
「私たち、人々は変化を迎える準備が出来ている。私たちは変化を強く求めているし、私たちが変化なのだ。」
彼女の言葉にデモの参加者が歓喜する。

グレタと言えば、この数日後、イタリアで行われたCOP(気候変動会議)の事前ミーティングでのスピーチもSNSで注目を集めている。

グローバルリーダーと呼ばれる大企業や政治関係者たちの、具体性の欠ける気候変動への対応に対する、彼女のまっすぐで辛辣な言葉は毎回注目を集める。
「Green Economy, blah blah blah.」
「Net zero by 2050, blah blah blah.」
”blah blah blah"という、中身のないお喋りを形容するフレーズを何回も使う彼女のこのスピーチには、以前にもまして政治リーダーたちへの苛立ちがダイレクトに表現されていた。

彼女のラディカルな主張には賛否両論はあるが、実際にヨーロッパを中心とした学生が気候変動への関心を高め、定期的に集まってデモを続けているという事実は、彼女の影響力の大きさの証拠だと思う。
そして、彼らより年上の大人たちは、この運動の高まりを真摯に受け止める必要がある。

ベルリンでの次回のKlima Streikは10月22日。
是非、この様子もお届けしたいと思っている。

サポートいただけたら創作費用にあてます!