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【親知らず抜歯】体験レポ



先週、親知らず全4本の抜歯が完了した。


2022年7月(JICA海外協力隊派遣前) 右 上下
2024年6月(JICA海外協力隊派遣後) 左 上下


親知らずは、その人の状況によって抜くか抜かないか様々だろう。


周りの人と話していると、この年齢で抜く人が案外多いことに気がついた。


「親知らず抜かなきゃだな。でも、痛そうだな。腫れるのかな。心配だな。どうやって抜くのかな。なんかよく分からないな。怖いな。でもいつかは…」


こう思っている人は少なからずいるはず。私もそうやって引き延ばしてきたうちの一人だから。


なので、需要があるかは分からないが、自分の親知らず抜歯体験をここに残すことにする。





1. 抜歯を決めたきっかけ


私の場合、今まで何ともなかった親知らずが、2〜3年ほど前から痛みだした。


でも、それは我慢できる程度で、痛みというより違和感に近いものだった。3〜4日も経つと、その違和感はなくなっていた。これを、数ヶ月おきに繰り返していた。


そして、JICA海外協力隊の派遣前訓練が始まった。


今まで地方の実家で公務員として働いていた田舎者が、東京のホテルで研修生活。そして、東京の後は福島の田舎で隔離訓練生活。


親知らずは環境の変化に敏感だという。


東京から福島へと向かうバスの中で奥歯に違和感を感じ、それはあっという間に激しい痛みに。


飽き飽きしていた支給弁当生活から、せっかく食堂の美味しいご飯が食べられる環境になったのに、口を開けるのも痛い。噛めない。食べるのはものすごく遅く、自分より後に食堂に来た人たちが食べ終えてどんどん去っていく。夜は、痛みで眠れないことも。


英語の授業では、“How are you ?”の返事に、“My wisdom teeth hurt.(
親知らずが痛いです)”と返したことが何度かあった。(ここで親知らずという語彙をゲットした)


約3ヶ月後にはルワンダに派遣されることが決まっていた。ルワンダに行けば、1年8ヶ月間日本に帰ってくることはない。ルワンダでこの痛みが来たらどうしよう。ルワンダの歯医者で抜歯…。その選択肢はなかった。


地元の病院に予約を入れ、福島での訓練が終わったら、すぐに抜歯することにした。


2. 抜歯の方法


抜歯は、日帰りか入院かになるだろう。


その人の生え方によって、日帰りでできる場合、入院した方がいい場合、それぞれだと思う。


私の場合、入院が必要なほど生え方が悪いわけでもなかったが、入っている保険の関係で、入院での抜歯を希望していた。


そして、抜き方は大きく分けて以下の3つがあると説明を受けた。

【麻酔】
部分麻酔(局所麻酔)…麻酔を歯茎に注入。痛みは感じないが意識はある。[日帰り or 入院]

静脈内鎮静法…睡眠薬を使用。痛みは感じない。眠っている間に終わる。
[入院]

全身麻酔…痛みは感じない。意識もない。でも、体への負担もあり、何か色々大変(適当でごめんなさい)[入院]

(左右上下4本一気に抜くとか、何か特別な理由でもなければ全身麻酔はそうそうないらしい)




つまり、日帰りの場合は部分麻酔、入院の場合は静脈内鎮静法か全身麻酔。逆に、部分麻酔が嫌なら入院になる。

診察のときに「忙しいから日帰りで抜きたい」とか、「静脈内鎮静法がいい」とか、抜き方を希望することができる。(自分から何も言わなければ、日帰りで部分麻酔になることが多い)


私は、1回目は部分麻酔、2回目は静脈内鎮静法で抜いてもらった。実際の体験についてはまた後で。



3. 抜歯までの流れ


次は、抜歯に至るまでの流れ。


抜歯が完了するまで何度か病院に行かなくてはならないし、総合病院だと、平日の午前中にしか診察してもらいないことも多い。平日に仕事をしている場合は、休みを取ることがネックになることも多いだろう。


私の場合、1回目(右 上下)は派遣待機のため仕事をしていなかったので平日でも構わず行けたが、2回目(左 上下)は仕事をしていた。


※住んでいる地域や病院によって違いがあると思うので、あくまでご参考程度に。


①かかりつけの歯医者で相談


まずは、自分が普段診てもらっている歯医者に行く。いきなり総合病院に行くと、3000円ほど初診料がかかってしまう。(ちなみに、かかりつけの歯医者でも抜歯できる)

そこで、親知らずの状況を教えてもらったり、虫歯がないか確認してもらったりする。虫歯があると親知らずは抜いてもらいないので、もしあれば、抜歯までに治療しておく必要がある。


紹介状を書いてもらい、その紹介状を持って総合病院に行く。



②総合病院で診察・検査


総合病院で初回の診察。平日の午前中しかダメだったので、午前中3時間休みをとって受診。しなければいけないことはたくさんあった。

・診察…親知らずの状況確認、抜き方についての相談、抜歯日の予約
・血液検査
・心電図検査
・CT検査


4時間目が始まる11時半には職場に戻らねばならなかった。他に待っている患者さんもたくさんいて時間がかかり、3時間以内に全ての検査が終わらず、CT検査だけ後日行くことに…。


その日中に全て終えるなら、午前中いっぱいはみておいた方がいい。


③入院・抜歯手術

1泊2日の入院。入院した日に手術。詳しくは後で記載。


④抜糸・入院費支払い

抜歯手術が終わったら、約1週間後に抜糸に行く必要がある。(漢字ややこしい)

これも午前中だったので、2時間休みを取った。抜歯は、病院に着いて受付をして10分後には終わった。早い。ありがたい。


入院費は、退院した日に支払うのではなく後日郵送だった。抜糸の日までには届いていたため、ついでに支払いを終える。


流れは大体こんな感じ。


私は、親知らずの抜歯のために平日4回休みを取り、病院に行った。

・診察(午前中3h)
・CT検査(午後1h)
・入院・抜歯(1日)
・抜糸(午前中2h)



4. 入院(1泊2日)の流れ


これは、病院によって様々だと思うので、あくまで一例。


【1日目】

8:00〜 絶食

10:00 入院

点滴

14:00 抜歯手術開始

15:00 抜歯手術終了

点滴

18:00 夕食

点滴

21:30 消灯(多分)  寝る時は、点滴の管ははずしてもらえた。


【2日目】

7:30 朝食

点滴

9:30 診察(術後の状態確認)

10:00 退院


入院は大部屋で、一部屋に4人。個室なら追加料金がかかる。


大部屋だと何かとガヤガヤするが、何の問題もない。


旅行でドミトリーに泊まることが多い自分は、ドミと病室を比較し、ベッド広いし、ちゃんとカーテンあるし、コンセントあるし、棚に鍵ついてるし、自分の机まであるし、ドミより全然広い〜すごい〜と感心していた。

ちなみに、wi-fiもバッチリ。
入院中も時間を無駄にしたくないせかせか人間は、PC、iPad、刺繍グッズなど、暇つぶしグッズをたくさん持参。



トイレと洗面台は大部屋の中に一つずつあった。シャワーは希望したら浴びられるそうだが、1日のことだし、大して動いてないし浴びなかった。



5. 手術や術後の痛み、腫れについて



大変長らくお待たせいたしました、ここでようやく体験レポです。(ここまで読んでくれた人、ありがとうございます)


先述したように、私は2回の入院を経験している。1回目は部分麻酔、2回目は静脈内鎮静法。ここでは、それぞれの体験と個人的な感想を記録していく。

【部分麻酔】


■術中
・麻酔のため、歯茎にチクっとした痛みあり。苦ではない。
・術中は痛みはない。
・痛みはないが、意識はあるため、歯をグイグイ抜いているのはわかる。これが恐怖!!!


麻酔をしているから痛みはないのだが、抜かれている、引っ張られている感覚があるのは恐ろしかった。「何かの間違いで麻酔が切れて、痛みを感じてしまったらどうしよう〜〜〜終わる〜〜〜」と、無駄な心配をしていた。こんなもん、二度と経験したくないと思った。


幸い、術中に麻酔が切れることはなく(当たり前)、無事に終わった。
口が小さいため(乾燥もしていた?)、口周りが裂けて切れていた。残念。手術前にはリップ塗ってください。


■術後
術後、腫れはなかった。せっかくなので分かりやすく腫れるのを期待していた。少し残念。

術後の痛みはそれほどなかったが、退院してから痛みが強くなり、絶えず痛み止めを服用。口はあまり大きく開かない。歯を抜いた方の歯では食べ物は噛めない。抜糸するまでの1週間がつらかったのを覚えている。口の中に糸がある不快感も強かった。


抜糸をした後は、その不快感が見事に消え去った。痛みもそれほど感じず、穴もすぐに塞がって通常の生活に。



【静脈内鎮静法】


■術中
・最初に、綿棒で歯茎に苦い薬を塗られる。口いっぱいに苦みが広がる。
・点滴で眠る薬を入れる。
・起こされる。ハッと気づき、「あっ、すいません、寝てました。」と心の中で言ったときには、手術は終わっていた。
・体感は5分。時計を見たら、50分程経っていた。一瞬意味がわからなかった。すごい。
・麻酔で意識がぼんやりしている。
・口は思うようには動かず、ちゃんとは喋れない。(「はい」くらいしか言えない)
・抜いた歯を2本見せられて、本当に手術が終わったのだと理解する。
・麻酔の影響で、立つとふらふらする。車椅子で病室へ。


■術後
・病室に到着。ふらふらし、頭がくらくら。麻酔の影響。
・ベッドでしばらく眠る。
・起きたら普通に話せるようになっていた。
・夕食…少しの痛みは感じるものの、食欲が勝る。歯を抜いた方に食べ物が入ると不快だが、問題ないレベル。抜歯後なので軟食(おかゆなど)だったが、白ごはんをくれ〜〜〜と思っていた。お腹が空いていた。
・その後も特に痛みを感じることはない。夜も普通に眠れた。
・朝食…看護師さんに、「今日も軟食ですか…?」と聞いた。(もっと他のこと心配して)結果、軟食だった。白ごはんがよかった。
・退院〜抜歯の1週間、毎食後に飲むという薬を忘れずに服用していたこともあり、特に痛みは感じなかった。(期待していた)腫れもなかった。
・1回目のような不快感を感じることもなく、退院翌日からはほぼ通常の食生活ができた。
・仕事も普通にできた。常に話す仕事なので、術後の翌週は、授業をすることや話すことはきついかなとも思ったが、何の支障もなかった。歯を抜いたことなんて忘れていた。(は言い過ぎ)でも、影響と言えば、給食を食べ終わるのがいつもより少し遅くなるくらいだった。
・1回目同様、抜糸後はすぐに穴が塞がってきて、ほぼ通常の生活に。




以上が、私の2回の親知らず抜歯体験である。

1回目と2回目の痛みや不快感の違いは、必ずしも抜歯の方法だけによるものではないかもしれない。


病院に行く頻度、痛みや恐怖心、費用

どこに重きを置くかは人それぞれだが、私が人におすすめするなら【静脈内鎮静法】である。心的負担はほぼゼロだった。


痛みや恐怖は我慢できる、忙しくてあまり休みが取れない、できるだけ費用を抑えたいという人は、日帰りの部分麻酔がいいだろう。





6. 費用


最後に、親知らず抜歯にかかった費用。


【入院(1泊2日)の場合】

診察・検査   約10,000円
入院・抜歯手術 約35,000円
抜糸      約1,000円

計       約46,000円


※これは2回目の費用。1回目は記録していない。なお、日帰りで抜歯はしたことがないので、そのケースの費用は分からない。


共済でいくらか返ってくるし、私の場合、保険で全額保証される。




とりあえず、無事に4本全部抜き終わってよかった。

これから抜こうと思っている人のお役に立てればうれしいです。









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