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だいたいのものは自分で作ることができるんだなぁと実感すると、なんて豊かなんだろうと思う。

今、台所の窓辺で待機しているのは、生麹に塩と水を混ぜて作った塩麹と、長らく冷凍庫に眠っていた梅に砂糖を加えて毎日手でかき混ぜることによって出できあがる梅酵素シロップ。

それに、自分で初めて編んだカゴに冬瓜をのせてある。

ビニル袋ではなく、新聞紙で折って作った袋にはまゆちゃんちのじゃがいもが入っている。

じゃがいもと玉ねぎを入れているカゴは、どんぐりさんが結婚祝いに編んでくださったものだ。

もらった当時は、カゴが編めるなんてすごいなぁと思っていただけだったのに、あれから3年ほど経った今は自分で編むことができた。

まりちゃんがわかりやすく教えてくれたおかげで、型にとらわれず自由に、楽しくデザインしながら編めた。

接着剤も釘も何もいらず、植物と自分の手だけでいろんなものが作り出せるんだな。

秋には森に植物のツルを探しに行こうと話した。

原料調達から。すごいワクワクする。


「どこでどんなふうに育っていた植物かわかるとまた楽しいんだよ。」

と、まりちゃんが言っていた。


沖縄の海辺で拾ってきたツルは、沖縄に長く住んでいた友だちが喜んでカゴに編みこんでいた。

こうしてぐるぐると巡っていくのか。

循環の輪の中にいる。


買う側から、作る側になるほうが、断然楽しいじゃん。

そんな感覚。


だから、わたしもできるところから少しずつ、作る側へ、手渡す側になろうと、この夏の間にまたひとつ、気持ちが固まったことがある。


本屋を作ろうと思う。

名を「羅針盤ブックス」という。


この話はまた今度書こう。



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