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やさしいうたを

まずお湯を沸かそうか。

しゅんしゅん湯気がたってくる。

手をかざしてみる。

カップに注いだ白湯をゆっくり口へ、のどを通っておなかへ。

手のひらもほかほかとしてくる。


窓を開けよう。

寒くても外の空気を部屋に迎え入れて。


すきな音楽を聴こう。

気持ちよくからだを揺らしてみたりして。

目を閉じて聴くのもいい。


パソコンもスマホもぱたんと閉じて本を開いてみる。

文字を追わなくたっていい。

綺麗な色やおいしそうなごはん、気持ちのいい風景、やわらかな言葉が自由に広がっていて、目がよろこんでいる。


お湯を沸かす。

今度はからだを浸すために。

お風呂にたっぷり沸かすのもいい。

ちいさな器にやかんから注いだ湯に手足を浸すのも安心する。


近所を散歩してみる。

いつものパン屋さん、喫茶店に寄り道。

初めて魚屋さんで魚を買ってみるのもいい。

お店の人と話して買うことにほっとする。


それから台所に立つ。

フライパンで焼いてお醤油かけるだけ。

それでもおいしい。立派なごちそう。


こんなふうに

自分のすぐそばで

ひとりでも

だれかといっしょでも

安心できるひとつひとつ

できるといいな。


深呼吸ひとつ。

もうひとつ。



カナタ / baobab + haruka nakamura MV by 川内倫子

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