見出し画像

普通の女性が結婚や出産をしながら普通に働いて管理職になること


先日、アルテイシアさんと太田啓子さんのこの対談記事を読みまして。


ちょうど私がいつも感じていることが書いてあって、うれしくなったので引用します。

========================引用=======================

私たちは女性の政治家はおろか、女性の管理職を目にする機会さえ少なかった。存在するとしても、特別に有能なスーパーウーマン的な女性像が多いじゃないですか。

そうじゃなく、普通の女性が結婚や出産をしながら普通に働いて管理職になる姿を見たことがないから。やっぱり「見たことのないものにはなれないし、目指せないのかな」と思うと、もどかしくなりますね。

======================引用おわり=====================


そうそうそうなのよ!

ここ数年「普通の女性が結婚や出産をしながら普通に働いて管理職になる」ような会社にするにはどうすればいいのか、ということを考えている。もっと大きく言うと「普通の女性が結婚や出産をしながら普通に働いて管理職になる」社会になるにはどうしたらいいんだろう…ということ。


齢40を過ぎて人事の仕事にシフトしたころ、密かに心に決めたことがありました。

引き受けるからには、普通のおばちゃんが定年まで正社員で働ける会社にしよう

「『普通』ってなんだよ!」とか、「妙齢の女性をおばちゃんて言うな!」とか、本筋とあまり関係ないんで触れませんけどとにかく、(自分も含めて)普通のおばちゃんが定年まで働きたいと思える、働くことがあたりまえだと思える会社がもっと増えたらいいのになと思う。

日本企業の99%以上が中小企業で、従業員数でみると約7割が300名以下の中小企業に勤めている。とすると、名の知れた大企業でいくら働き方改革や女性活躍推進が進んでも、多くの中小企業が変わらない限り、日本社会の働き方は変わらない。

大学卒業後20数年、大きな会社でも小さな会社でも働いてみて、社内でも取引先でも競合他社でも、「普通のおじさん」にはいっぱい会いましたけど、私より上の世代で、「普通のおばさん」で定年まで働いている人って滅多にお目にかかれないのです。本当です。

私より上の世代の働く女性は、上級管理職になるスーパーウーマンか、パートの事務職か、みたいな。ちょっと極端すぎないかと思うわけです。

スーパーウーマンを選べば、朝5時起きて弁当作って、子供寝かしたあとにまた仕事して…って。     死ぬよ?

パートの事務職を選べば、昇給昇格は望めない、本来の能力は高いのにサポート的な仕事ばかりで年収は200万とか…って。   生活できないよ?


極端だよ!どっちも選びたくない。


私はずっと、その中間を取りたいと思いながらサラリーマンを続けてきました。

その中間の層=普通の女性が頑張れば管理職、そこまで頑張らなかった場合でも正社員として定年までする層 が増えれば、きっともっと生きやすい社会になると思うのです。



今働いている会社は50人程度の中小企業なので、私ができることなんて本当に本当に小さなことで。

ただ、例えば、我が社に新卒で入った人が他社に転職したとき、「いま思えば前の会社は働きやすかった」とか「そういえば、女性だからといってサポート的な役割を理不尽に期待されることがなかったな」とか「小さな子供がいる場合は男女関係なく時間の余裕がなくてあたりまえだよな」とか思ってくれるとうれしいし、その小さな意識の集合が、社会を良い方に変えるのではないか。


まぁでも現実はね、私いちおうマネージャーなのにいまだに『契約書の袋とじ』だの『切手貼って郵送』だの頼んでくる男性社員はいますからね。おばちゃんには頼みやすいんだろうね。同じポジションでも男性マネージャーには頼まないからね。

そんな時は、「頼んできたその社員に見える場所」で、「その社員の直属の部下や後輩」に、「男女関係なく」その事務処理を教えて、次からはそのチームの下位等級の社員ができるようにする。

もちろん事務職がいる場合は事務の方に頼めばいいと思うんだけど、事務仕事ってこれからどんどん削減されていくだろうし、自ら事務職を目指したいという従業員には「その業務ではずっと年収は上がらないけどそれでもいいか」というコンセンサスが必要だし、あんまり勧めたくない。ジョブ型の企業であればアシスタントに頼めば良いのだろうが、当社を含めて日本の企業がジョブ型雇用に完全にシフトするとは思えないのです。少なくとも今のところは。


えっと、話がそれましたけども、つまり言いたいのは、そういう毎日の小さな事から、人の意識って徐々に変わっていくと思うので、私は今日も、東京の端の方で、あきらめないで草の根運動を続けようと思います。

これからの若い人たちがもっと生きやすい社会になりますように。


今日も仕事がんばろう。