バタフライ・エフェクト~股関節編~

税金を払ってきました。高い!
しかし払わねば、平穏に生きていくことは難しい。

わかってはいても、妙に悔しくなります。
この金で高級焼き肉をチャンネーにおごって、いい顔できたのに。
そんな考えが脳裏をよぎります。
古くてダサいでしょう?
これが昭和生まれです。
物心ついたときには平成でしたが、ギリギリ昭和です。
やはりあの時代には大きな問題がある。

そういえば税金を払い終えて歩いていたら、股関節が痛くなりました。
なにかの因果関係があるはずです。
そうか、これがバタフライ・エフェクト!
身をもって体験することができました。誠にありがとうございます。

いや、安心するのはまだ早い。
もっと明確に悪意ある何者かが、私の股関節を狙ったのかもしれないぞ。
例えばスカラー波かなにかを照射して……
つまり、これは秘密結社の陰謀です。
僕はムー読者だった時期があるので、わかるんです!!

やめましょう。むなしくなってきました。
これからの時代は陰謀論より、陰毛論です。
僕は「陰毛は適切に処理すべきだが、パイパンは許せぬ」という主義です。
なぜかは自分でもわかりません。
理屈ではなく、魂の叫びです。
あのフワフワした毛が好きで、剃ることを受け入れられないのです。

昔、心から尊敬していた女性がパイパンにしたことがありました。
僕は「ちょっと待ってくれ、話が違う!」と深い悲しみに暮れました。
美しくも悲しい思い出です。

人間が互いを尊重するためには、陰毛の有無は公にすべきでない。
パイパンにするのは自由だが、俺には言わないでくれ。
俺の心の陰毛までパイパンとなり、砂漠となってしまう。
陰毛は、そっと部屋の隅に落ちているだけでいい。
そして風に舞い、見知らぬ誰かのもとへ飛んでいく。
やがて春になり、陰毛はその誰かの心に花を咲かせるだろう。
明るく美しいチンポポの花を。
今、床にくっついた陰毛がどこへ行くのか。
それは誰にもわからない。
陰毛は旅人なのだから。

そういえば中学の修学旅行のときです。
風呂場で、僕は大勢の前で陰毛を切ったことがありました。
ジョキジョキジョキジョキ切りました。
みんな大ウケです。
僕を憎むウチダくんだけは苦い顔をしていました。
翌日、教師陣は「風呂場に大量の陰毛が浮いている!」と大激怒です。
クラスで男子だけ緊急ホームルームが開催され、犯人捜しが始まりました。
ですが、おそろしくて名乗り出ませんでした。
僕を売るヤツもいません。
ここで懺悔いたします。陰毛を切ったのは私です。
そして、男子特有の愚かな連帯感に感謝いたします。
数年前、同窓会に行ったら半数が無職でした。