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早期発見では救えてない

   こども家庭庁から「こどもを家庭内の虐待から守るために、教職員等の皆さまの力が必要です!」チラシが配布。

 要保護児童対策地域協議会に挙がっていてもずっとひどい暮らしをしている子がたくさんいる。関係者として早期発見して、報告して、ずっとマークして、記録を続けているが、何年経てばその子は救われるか。殴られた跡があると事態が動きやすい。体のアザがないか確認してほしいとして対応することがあるが、ないものはなく、嘘はまた違う窮地をもたらす。

 私の感覚では、身体的虐待の案件は減り、目に見えない系が増えた。

 保護者が精神疾患を抱えながらのモラルハラスメント・モンスター保護者化等による子どもへの心理的虐待が多い。保護者の精神疾患の看病はヤングケアラーにも分類されているが、精神疾患によって感情の起伏の激しい大人が管理する生活自体、子どもにとって虐待だと感じている。

 心の傷は目に見えないため「家に帰りたくない」がパワーワードになるが、家自体は悪くないので、子どもにとって本来の願いは「家に帰りたくない」のではなく、

「親に変わってほしい」だと思う。

それがどうしても手に入らない。友達の親とだいぶ違うことがだんだん確実になってくる。
 一時の感情で一時保護までいっても結局親のいる家へ帰る。そしてまたおかしくなっていく。本来は悪い方が出て行くべきだ。誰だって生まれ育った家の中が落ち着くし、知らない場所で知らない人達と生活するのはエネルギーも必要だ。保護中は友達のいる通い慣れた学校にも行けない。

 虐待された子が大人になったときの回想に、何も聞かずに保健室で食べさせてくれた休ませてくれたとか、担任の先生が養子にしたいと家に相談しに来てくれたのが嬉しかった・・・などがある。

 事を動かさないでほんのつかの間の安心した時間を過ごさせてやる程度か、無理に終わるも根こそぎ救おうとする姿か。

 とにかく、早期発見や報告では救えてない現状がある。

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