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スクールカウンセリングは誰のもの


 スクールカウンセラー(SC)による学校での子どものカウンセリングは、保護者から担任などを通して希望が出され、SCコーディネーターの教職員を通して予約に至る流れがある。SCは守秘義務にて、カウンセリングの内容は本人が許可しない限り漏らさないことになっている。

 学校生活で悩んでいる様子がみられる子ども本人に学校の教員からすすめてみたところ、受けたいという希望があればそれを保護者に伝え、理解して予約してもらうという運びになることもある。

 ここまでは大人発信である。

 スクールカウンセリングは本来、子ども本人から直接予約を受けることも可能になっている。すでにSCにかかっている子がSCから直接次回の予約を取ることは特に問題にならない。

 問題は、子ども発信で新規で予約したい時だ。

 現状は保護者に伝えずにカウンセリングを受けさせると保護者が学校に不信感を抱くため、特に小学生は配慮として相談・報告しておく方が無難だ。しかし、無料であり不利益を被るようなものではないので法的には保護者に「許可」を得ることまでは必要ないようである。
 そもそも家庭での虐待がらみの場合、保護者を通すことが危険になりかねない場合もある。その場合は特に連携して慎重に進める。

 結局通常は子どもからカウンセリングの希望があったことを保護者に相談・報告して理解を得る現状にあり、そこで「うちの子にそういうものは必要ないと思う」といった、根底にカウンセリングを受けることへの偏見が垣間見えることもある。偏見を、相談・報告が遅いなどの不信感にすり替え、カウンセリングを受けさせない判断をする保護者の例もある。また、特別支援のグッズなどを使用する際の打診でも保護者の動揺や不快感によって使用させない例もある。こうなってくると、色々と事前に相談・報告することがデメリットにもなってくる場合がある。

 ユニセフによる子どもの権利条約 第3条に 子どもの最善の利益(子どもにとってもっとも良いことを考える)がある。その子のことを一番長い時間考えていると自負する保護者などの大人が、その子にとって最善の利益になるような判断がいつもできるとは限らない。

 置き忘れないようにしたいのは、子どもが希望したというところだ。

 時々頭に流れてくる「子供は子供自身のものだよ」(燕は戻ってこない 集英社 桐野夏生 )という台詞とか、久能整くんが「あなたは子どもの頃バカでしたか?」(ミステリと言う勿れ 小学館 田村由美 )と問うのとか。

 スクールカウンセリングや支援グッズなど子ども自身に関わってその子が望む時、未熟だ何だと目くじら立てずに気ぃ良く叶えてあげたらよろしいじゃありませんか。と言えれば。

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