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新臨床家に勧めたい10冊ースクールカウンセラー編

新臨床家に勧めたい10冊ースクールカウンセラー編を紹介してみようと思う。

①松本俊彦『自傷・自殺する子どもたち 』

自傷行為の実態やメカニズムなどについて豊富な臨床経験や研究に基づいて書かれており、自傷行為について幅広く知ることができる。援助にあたっての心構えや対応についても具体的に紹介されている。

②松本俊彦『世界一やさしい依存症入門』

依存症について読みやすく書かれている。薬物依存、ゲーム依存、自傷行為等の事例がそれぞれの章に載っている。依存症の仕組みと歴史についても学ぶことができる。

③村中直人『〈叱る依存〉がとまらない』

叱るということについて脳科学も踏まえて依存という新たな視点から考えることができる。叱ることのメカニズムや虐待・DV・ハラスメントと<叱る依存>についての関連についても書かれている。

④吉川徹『ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたちー子どもが社会から孤立しないために』

ゲーム・ネット依存についてとてもフラットに書かれている。また、発達障害とネットやゲームとの関連についても触れられている。ゲーム・ネット依存に対する支援本の決定版と言える。

⑤パレットーク『マンガでわかるLGBTQ+』

LGBTQ+についてマンガで知ることができる入門書。様々な体験談が載っており、法律についても触れられている。研修用としても参考となると思われる。

⑥井上祐紀『10代から身につけたいギリギリな自分を助ける方法』

中高生自身が様々な生きづらさを感じた時に解決を得られることを目的に書かれている。安全な相談者と距離をおくべき相談者を見極めるヒントも載っている。

⑦角田豊『学校臨床力を磨く事例検討の進め方』

学校での事例検討の進め方について理論編と実践編でそれぞれ描かれる。自己心理学に基づいている。現場に即した方法論が記述されており、教師との協働に役立つ。

⑧諸富祥彦編集代表『速解チャート付き 教師とSCのためのカウンセリング・テクニック2 「気にしたい子」「困っている子」と関わるカウンセリング』

不登校やいじめなどで困っている子の理解と対応について基本が押さえられている。また、ヤングケアラーやLGBTQ+など近年重要となっているテーマについても扱われている。

⑨諸富祥彦編集代表『速解チャート付き 教師とSCのためのカウンセリング・テクニック4 保護者とのよい関係を積極的につくるカウンセリング・テクニック』

第1章では保護者との信頼関係づくりについてジョイニング、リソース、コンプリメント、例外探し、「成功」の責任追及などSFA(解決志向アプローチ)の観点から具体的に記述されている。

⑩山崎孝明『精神分析の歩き方』

新臨床家の世界地図。どのオリエンテーションにおいても、またどの領域においても重要なことが書かれている。日本の心理臨床の歴史も学べる。初任者が陥りやすい失敗についても触れられており、独り善がりにならないためのヒントが散りばめられている。

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