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一重の私が二重幅の重要性を考える〜KYNEの絵を見て〜

 福岡市美術館で開催されている
「KYNE  ADAPTATION」を見に行った。

  おととしくらい、同じく福岡市美術館に行った時、常設展にあったKYNEの絵を見た。
大きいからというだけではない、その存在感に圧倒されたことを覚えている。最近になっていろんなところで、同じような絵を見かけることが重なった。
「あ、あの人の絵だ‼︎」とわかる。そういう唯一無二感が私は好きだ。
だから「KYNEの国内初となる大規模個展」と謳われたこの展覧会で、たくさんのKYNEの絵が見られることを楽しみにしていた。

 圧倒的に女性を描いたものが多い。
そして、絵の中の女性たちの多くはこちらを見ている。意志の強そうな眉と二重幅が広めの目で…。
 この強いまなざしが印象に残るのだ。

 見ていると、この広めの二重幅が重要に思えてくる。パッチリというわけでもない、目を見開いているわけでも睨んでいるような目でもない。少し気だるいような、アンニュイな雰囲気なのだ。強いまなざしとアンニュイという言葉がつながらないと自分で思いながら書いているけれど、アンニュイでいて、絶対に媚びないような強さを感じる(個人の感想です)。
 二重幅によって、目の印象が変わるのかどうか…生まれてからずっと一重まぶたの私にはわからない。でも、この絵にとってはこの二重幅が重要なことのように思えた。眉の位置や形も関係しているのかもしれないが…。

 これからは、人の顔を見る時は二重の人の二重幅に注目してしまいそうなくらいの勢いで、今、二重幅というものが気になっている(自分の理想の二重幅を探してしまいそうでこわい)。

 二重幅に力が入りすぎてしまったが、個展はとてもよかったし、ちょっと遠いけど足を運んでよかったと思う。

 たくさんの人が、同じ場所にいて同じ絵を見ていても、それぞれが違うことを想い違う感想を持つ。そんな中にいると、普段は曖昧な
自分が好きなもの、それを好きな理由がくっきりと浮かび上がる気がする。そこは自分というものを際立たせてくれる最高の機会、そして場所だった。

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