秋になったのでクラシックを語りたい
はじめまして。シモンズです。
ここでは主に私の好きなクラシック音楽や、おすすめしたい名盤について、つらつらと書いていこうと思います。
とはいえ、名曲が多すぎて何から選んでよいかわからないので、具体的な曲の紹介は次回以降にするとして、まずは私がクラシック音楽にのめり込んだきっかけからお話していきます。
完全に自己満足の範疇ですが、最後までお読みいただければ幸いです。
1.鑑賞の授業で聴いた「ペール・ギュント」
私は現在、自分史上における「第3次クラシック音楽ブーム期」の真っ只中にいます。
これから死ぬまでに何度ブームが来るのかわかりませんが、おそらく一生をかけて聴いていくことになるのでしょう。
そんな私がはじめてクラシックに興味を持ったのは小学生時代。音楽の授業でおなじみの「鑑賞ノート」を書いていたときのことです。
ふつう、小学校の音楽の授業といえば退屈なもので、クラスメイトは曲が流れている間中、友達とおしゃべりしたり、内職をしたりしていました。
その日に聴いたのは、グリーグの「ペール・ギュント」。第1組曲のうち、有名な「朝」と「山の魔王の宮殿にて」を鑑賞した記憶があります。
おそらく1時間目の授業だったこともあり、私は眠い目をこすりながら「早く終わらないかなー」とぼんやり考えていました。
ところが「朝」の冒頭、フルートが静かに主題を奏で始めた瞬間、私の頭の中に電流のようなショックが走ったのです。
その静謐な響き! 何という美しい音楽!
私の脳内にはたちまち「朝」の風景が浮かび上がりました。
冬の朝、草原。靄がかかっていて、遠くの木々がかすんで見える。遠くの地平線から朝日がゆっくりと昇ってくると、靄はしだいに灰色から黄金色に変化していく。鳥のさえずりが聞こえ、生き物たちは活動を始める—―。
言いたいことの半分しか表現できない自分の語彙力のなさがもどかしいですが、とにかく曲を聴いたとき、とてつもない感動が広がったのです。
それ以降、私はすっかり「朝」のとりこになってしまいました。
2.フジコ・ヘミングとの出会い
しかし、この時点での私はあくまで「朝」が気に入ったというだけであり、クラシック音楽のファンではありませんでした。
そんな私をクラシックの沼へ引きずり込んだのが、フジコ・ヘミングです。
フジコ・ヘミングは、60代でブレイクした比較的遅咲きの女性ピアニストです。現在は御年90歳と高齢でありながら、今なお日本や世界を飛び回り、精力的にコンサート活動を続けています。私の大好きなピアニストのひとりです。
フジコ・ヘミングといえば、やはりリストの「ラ・カンパネラ」。この曲から彼女を知ったという方も多いのではないでしょうか。かくいう私もそのクチです。
フジコは「楽譜通りに弾かない」ことで有名なピアニストで、コンサートでのミスタッチも多いことから、あまり高い評価をしない人もいます。しかし私はフジコの「ラ・カンパネラ」をアルバムで聴いたとき、その豪快さと音の美しさに圧倒されてしまいました。
その後、私はフジコの弾いた他の曲をかじり聴きするうち、クラシックという音楽ジャンルの存在、それらの現代音楽にはない魅力を少しずつ知っていくようになりました。
これが私の人生における「第1次クラシック音楽ブーム期」でした。
3.「個別的」から「体系的」へ
第1次ブームは1年ほどで過ぎ去り、中学生になった私は昭和歌謡や80年代洋楽など、これまたマニアックな音楽を聴きあさるようになります。クラシック音楽への興味は、新しい刺激によってだんだん薄れていきました。
第2次ブームを迎えたのは大学生になってから。勉強の作業用BGMとして流していたクラシック音楽のまとめ動画によって、忘れていたクラシックへの興味がよみがえってきたのです。
特に私の心を掴んだのはバッハでした。バッハについては別の機会に詳しく語ることにしますが、とにかくその緻密な曲の構成や天国的な美しさに魅了され、バッハの曲を集中的に聴くようになりました。
それからしばらくの小休止を経て、現在の第3次ブームに突入します。第2次と比べて変わったことは、クラシックを「体系的に」聴くようになったことです。
それまでは自分の好きな曲だけを何回も繰り返し聴いていたのが、あまり興味のなかった作曲家にも手を伸ばすようになって、知っている曲が以前より格段に増えました。
新しい曲に出会うたび、どうして今まで聴いてこなかったのだろうと悔しい気持ちになります。少なくとも音楽に関しては、食わず嫌いをしてはいけません。
4.クラシックを趣味にすること
序盤に述べたように、私は「第3次クラシック音楽ブーム期」のさなかにあり、したがって勉強中の身です。そんな私が「クラシック好き」を名乗ってよいのだろうかと、ときどき思うことがあります。
クラシックを「体系的に」聴くようになったとはいえ、現在知っている曲はせいぜい200曲ほど。世のクラシックファンから見れば完全なるニワカであり、まだまだ真の「クラシック好き」を標榜するには至りません。
また、クラシック音楽というジャンルそのものの難しさもあります。テレビのBGM等で毎日のように耳にするほど身近でありながら、突き詰めればどこまでも深い世界が広がっています。
そんなクラシックの奥深さが悪目立ちすることで、「高級な趣味」「敷居が高い」というイメージが先行し、周囲に対してなかなか「クラシック好き」を名乗りにくいのが現状です。
私は、そうした状況が少しでも変わればよいと考えています。最近はネット上でもクラシックの魅力を論じるコンテンツが増えてきており、上記のようなイメージは解消されつつあります。私がクラシックに興味を持つことができたのも、そうした書籍や動画のお陰です。
この記事はあくまで自己満足の域を出ないものであり、コンテンツとして確立しようという気は一切ありませんが、いずれ誰かの目に止まり、少しでもクラシック音楽に興味を持ってくれたなら、私にとってこれほど嬉しいことはありません。
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