言い訳

 三ヶ日の終わり頃、遅ればせながら流行り病にかかった。私は基本逆張りというか天邪鬼な性格なので、これまで流行りとは無縁であったのだが今回ばかりは仕方なく流行の激流に呑まれた。我ながらあまりにも呆気なく、不甲斐ない結果だった。なんだ?いつもビタミンCの顆粒を口をすぼめながら飲んでいるではないか?ピルクルは……あれはただのブドウ糖ジュースだ。健康になんら作用しない。
ピルクル~~唯一の習慣~~!!役に立て!
 
 夜中、自室で絵でも描こうかと画策し始めた時に異変を覚えた。頭がクラクラするという表現が真に的確だ。脳の中に鉄球を仕込まれた、例えるならばマリオパーティーの巨大な玉から逃げるミニゲームみたいな感覚。まともな思考なんて働くはずもなく、大人しく布団に潜った。「朝になったらきっと改善されている」と浅はかな思考を睡眠導入剤にして就寝したのだが、結果はその真逆だった。明らかに頭の鉄球は重くグレードアップし倦怠感と発熱のおまけ付きだった。私は火を見るより明らかな体調不良を尻目にし、あろうことか納豆ご飯を2杯も平らげた。未知からの攻撃によって奇行を起こしたのか、さてまたコロナであるという自覚から目をそらせようとしたのか真相は謎であるが、これが起因してガッツリ腹を壊した。
 下痢便。下痢便。下痢便。怒涛の下痢便ラッシュ。
 私はトイレのドアをガチャゴチャ開閉しまくった。学校で小便を垂れ流した次に惨めな時間だった。それは異色演奏者の仲間入りを果たした時でもあった。この後私はトイレの開閉音でYouTuberデビューを果たし収益化までこじつけるのだがそれはまた別のお話。
 
 後日、正式にコロナと申告された私はしこりが取れたような心地がしていた。やっとコロナにかかれたという安堵も混ざっていただろう。まあ、こうして私は食っちゃ寝の免罪符を手にすることに成功した。

 手にはカゴ。
目の前には木製の棚と陳列された本の数々。平積みの本が段段と連なっている。
そうかここは本屋か。
LIBROにしては大きい。まあ店舗によるかもしれないが、陳列の記憶からジュンク堂書店だろうか。
ん?
BLEACHだ。
あやかしトライアングルだ。
何故かこの2作品が交互に並んでいる。
BLEACHの一巻。あやトラの一巻。BLEACHの二巻。あやトラの二巻。BLEACHの三巻。あやトラの三巻。BLEACHの四巻。たまこまーけっと四巻。
……「たまこまーけっと」はオリジナルアニメだよ!!!

目が覚めた。
うんちみたいな夢を見た。
まだ8時……仕切りの隙間からクイズドレミファドンが見える。
まだこんな時間なのか……。
そんな嫌な日々を幾日か過ごした。


そして今、めっちゃ吐きたい。
ゲロロロロロロ………
ヒント :バンドです


正解は…
ゲスの極み乙女



ジョジョの奇妙な冒険~陥没乳首は掴めない~