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おごそかに りりしく

「今日何やるの?」
は教室に入ると
「あー!来たー!」「おはよう」
とおしかけてきた人たちが
二言目くらいによく聞く、
挨拶めいた言葉。

だけど、
私が準備の作業中に一人で寄って来て
尋ねる人ってのは
もう少し、本気で。

「今日、何をやるのか」
内容を聞き出したい
という、なんといったらいいか、
質問の目的意識が高い印象がある。

この日も
みんなが遊んでいる輪から離れ
4歳氏が真剣なおももちで
「今日、何やるの?」
と声をかけて来た時、
後者のほうだな、と感じた。
とっさに
何をどうどこまで答えるか
頭の中でシャッフル。

「ハサミ、使うよ」
使う道具を一つ挙げてみた。

かみしめるように
「ハサミ」
と繰り返す4歳氏。

「むずかしい形を切ることになると思うよ。
やってみる?」
と付け加えると

おごそかなお顔で
「だいじょうぶ!」
とうなづく。
ひきしまった口もと、
横にふくらんだ小鼻。

こーれーはー
静かにエンジンがかかってますね!

「みんな!はさみだって!」
と駆け戻っていった。

開始時には
みんなのガヤガヤが収まるのを私が待っていると
「みんな!今日、ハサミなんだよ!」
と先ほどの4歳氏がご一喝。
なんとなく静まる皆さん。
ハサミっていうより
4歳氏の気迫だな。

最初の手順は
クレヨンでー、と説明すると
4歳氏、
「今日、ハサミじゃないの?!」
ときびしいお顔。

「いっこめやるのがクレヨンね。
このあとでハサミのところがでてくるからね。
まずはこれやろうね」

むっつりとだまりこんで取り掛かる。
ご納得いただけたよう。

この方、3歳氏の時は
けっこう、なんかあると
すぐ、
ふぇ〜ん!
のタイプだったよなあ。
いつのまに、こんなに前のめりの
気合いの人になったんだろ??

ハサミの段階に入って
苦戦する人もいるなかで
気合十分でやりきっていた。
気合だけでなく、
日頃からよく使っているのだろうのを
感じさせる腕前。

「みて〜!」
そのあとのニコニコ、柔らかい顔は
あー、3歳氏の時の
平和な顔だなあ。

自分なりに意欲的にとりかかる姿ってのは
その人がいくつでも
凛々しく、清々しいものだな。
と感じた日でした。

※印象に残った口元と小鼻が頭に残っているうちに描いてみたww

#幼児とアート



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