月森乙@「弁当男子の白石くん」文芸社刊

大学卒業後、商社勤務を経て、オランダ、アイダホ州(アメリカ)、アイスランド、バージニア…

月森乙@「弁当男子の白石くん」文芸社刊

大学卒業後、商社勤務を経て、オランダ、アイダホ州(アメリカ)、アイスランド、バージニア州(アメリカ)、サウスキャロライナ州(アメリカ)、ハワイ州(アメリカ)、ドイツ、を経て、現在またアメリカに戻ってきました。

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記事一覧

5.「E」の発音

 はい、これもありますね。  日本人が「え」と発音しがちな「E」。これ、アメリカでは「イー」ということ、多いです。もちろん「エー」もあるんですが、月森、どの単語…

4.「tr」の発音

 これもけっこうあるんですよね。 「tr」。「truck」とか「tree」ですね。  この場合、「とらっく」「とぅりー」と言わず、「と」を「ちょ」とか「ちゅ」と言ってくだ…

3. 「B」と「V」の発音の違い

「l」「r」に比べたら、混同しやすい単語がないので、 Village(村)などは普通に日本語で「ヴィレッジ」と言っても通じると思いますし、 Big(大きい)も日本語で「ビッ…

2.「L」と「R」の発音の違い

 よく言いますよね。 「英語がうまくなるコツ。それはひたすら話すこと」  とはいってもねえ。  押さえておいた方がいいポイント、というのはあるんです。  それは、…

1.さいしょに

 私の英語は、アメリカ英語です。イギリス英語はほぼわかりません。そして、決してうまくはありません。「生活できる」という、ただそれだけの英語です。それでもいいとい…

皆既日食(金環日食)、観測しました

今、ようやく皆既日食が終わりました。  月森の住むこの場所からは完全に太陽に月が重なる様子が観察できるとのことで、学校からは日食用の紙眼鏡を渡されるわ、学校は全…

SHOGUN ついにキターーーーー―っ!

 ……何言ってんの? Hulu(日本ではディズニーだったかな?)で配信中のSHOGUNが全米で話題なのは知ってるよ、っておっしゃるみなさん。  アメリカの田舎を侮ってもら…

第7話 首ちょんぱ

 当時、私たちは某国に住んでいました。  ダンナの祖国の基地の近くに住んでいたので、つきあう方々はおおむね、ダンナの祖国の方々でした。  私のダンナは士官ではあ…

第6話 森のくまさん

 母親にとって、出産は幸せの瞬間だと思います。  私もそうでした。……ただし、ある一点をのぞいては。  娘を取り出した直後、先生が私のお腹の上に、娘をうつぶせに…

アメリカ的バレンタインデーと、その顛末

先日、別の某サイトでこんな記事を書きました。 タイトル「破壊力!!」 みなさま、お元気でらっしゃいますか?  今、アメリカの若い女の子の間では、バレンタインデー…

第5話 キャンプ

 某国の某州に住んでいるとき、近所のご夫婦からキャンプに誘われました。私はキャンプなど行ったことがなかったので、二つ返事で「行く」と返事をしました。  近所のご…

第4話 彼の者

 実はうちには息子もいます。  本を読むのはきらいだし、隙を見てはズルをしようとします。私が隠していたお菓子を食べて、食べかすを放置しています。 「食べたでしょ…

第3話 人種差別

 少し前、某国では人種差別のことを話すのがとてもはやっていたそうです。ただ、「差別をしてきた人たち」に「差別をされた人たち」の気持ちはわかりません。だって、今ま…

第2話 ギプス

 追いかける、といえば。  昔、昔の話です。まだ、子供はいませんでした。  ダンナは某国人で、別の某国のあたりの某国基地の近くに住んでいました。  ダンナの鼻の…

第1話 シュネバル

ちょっと昔。 長女は十歳でした。 とある国に行きました。 その地域に、「シュネバル」というお菓子がありました。スノーボール。雪玉、という名前らしいです。  中世の…

5.「E」の発音

 はい、これもありますね。

 日本人が「え」と発音しがちな「E」。これ、アメリカでは「イー」ということ、多いです。もちろん「エー」もあるんですが、月森、どの単語が「イー」と言って、どの単語が「エー」を言ってるのかもわかりません。適当です。通じない時は、両方言ってみます。それでもだめなときは「イー」と「エー」の中間ぐらいで言ってみる。それでもダメなら、書くしかないですよ。こうなるとほぼ、サバイバル

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4.「tr」の発音

 これもけっこうあるんですよね。
「tr」。「truck」とか「tree」ですね。

 この場合、「とらっく」「とぅりー」と言わず、「と」を「ちょ」とか「ちゅ」と言ってください。

「チョラック」「チュリ―」

 日本語で書くと、かなり危険な感じがします。でも信じてください。私はこれで通じてます。

 では、さいごに「trick」

いいですか、みなさんではいどうぞ。

「チョリック」

 ふざけ

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3. 「B」と「V」の発音の違い

「l」「r」に比べたら、混同しやすい単語がないので、
Village(村)などは普通に日本語で「ヴィレッジ」と言っても通じると思いますし、
Big(大きい)も日本語で「ビッグ」といってもわかってもらえると思います。
一応申し上げると、「v」の場合、上の前歯で下唇をかみ、そのまま「ビレッジ」と言ってください。

2.「L」と「R」の発音の違い

 よく言いますよね。
「英語がうまくなるコツ。それはひたすら話すこと」
 とはいってもねえ。

 押さえておいた方がいいポイント、というのはあるんです。

 それは、発音です。これ、できなくて通じないこと多いです。だって、文法ダメでも、言ってる単語さえわかれば推測できる。でも、その単語自体が通じていなければ、むずかしい。

 で、心折れる。

 発音さえどうにかなれば、あとは、話しさえすれば通じま

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1.さいしょに

 私の英語は、アメリカ英語です。イギリス英語はほぼわかりません。そして、決してうまくはありません。「生活できる」という、ただそれだけの英語です。それでもいいという方だけ、読み進めていただければと思います。

 英会話をするにあたって、一番大事なのは、彼らがどういう人たちか、というのを知ることです。すると、失敗したな、と思っても、心は折れません。なのでここでは、「わたしから見たアメリカ人ってこういう

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皆既日食(金環日食)、観測しました

皆既日食(金環日食)、観測しました

今、ようやく皆既日食が終わりました。

 月森の住むこの場所からは完全に太陽に月が重なる様子が観察できるとのことで、学校からは日食用の紙眼鏡を渡されるわ、学校は全部休校だわ、大きな話題になっておりました。

「いくら皆既日食だからって幼稚園から大学まで休校とかやりすぎだろ!」

 と思っていたのですが、どうやらここら辺は観測にはベストスポットらしく、近隣から人々がおしよせるとのこと。車社会なので殺

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SHOGUN ついにキターーーーー―っ!

 ……何言ってんの? Hulu(日本ではディズニーだったかな?)で配信中のSHOGUNが全米で話題なのは知ってるよ、っておっしゃるみなさん。

 アメリカの田舎を侮ってもらっては困ります。日本で有名なポップコーンも、NY発の、キャラメルがはさんであるクッキーみたいなやつも、私は食べたことないです。見たこともない。いくらアメリカって言ったって、田舎はそんなもんです。

 イチローは野球ファンじゃなく

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第7話 首ちょんぱ

第7話 首ちょんぱ

 当時、私たちは某国に住んでいました。

 ダンナの祖国の基地の近くに住んでいたので、つきあう方々はおおむね、ダンナの祖国の方々でした。

 私のダンナは士官ではありませんでしたが、運悪く士官の奥様方と交流する機会に多く恵まれました。
 彼女たちのマウンティングはすさまじく、派閥争いも相まって、目の前でバチバチと火花が散るようなありさまでした。
 もちろん、士官の妻でもない私などは、虫けら程度の扱

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第6話 森のくまさん

第6話 森のくまさん

 母親にとって、出産は幸せの瞬間だと思います。

 私もそうでした。……ただし、ある一点をのぞいては。

 娘を取り出した直後、先生が私のお腹の上に、娘をうつぶせにおいてくれました。娘はぱっちり目を開け、不思議そうに周囲を見回していました。

 なんてかわいらしいんでしょう。

 感動した瞬間でした。

 娘は一通り周囲を見回した後、私を見ました。バチっと音を立てて目が合いました。どういうわけか、

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アメリカ的バレンタインデーと、その顛末

アメリカ的バレンタインデーと、その顛末

先日、別の某サイトでこんな記事を書きました。

タイトル「破壊力!!」

みなさま、お元気でらっしゃいますか?

 今、アメリカの若い女の子の間では、バレンタインデーに花束をプレゼントし合うのが流行っているのだそう。

 で、今日、娘の友達が届けてくれた花束。

 白い花をピンクと赤のペンキで塗って、グリッター振りかけた一品。
 もちろん花屋で買ったものですよ。

 見よ、この破壊力!

(不思議

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第5話 キャンプ

第5話 キャンプ

 某国の某州に住んでいるとき、近所のご夫婦からキャンプに誘われました。私はキャンプなど行ったことがなかったので、二つ返事で「行く」と返事をしました。

 近所のご夫妻もうちもまだ子供がいない時でした。

 そのキャンプ場は車で一時間ほどのところにある山の中でした。

 途中で道路にコオロギの大群が現れ、道路を真っ黒に埋めていました。近づくごとに形を変えて蠢くその黒いものを、ザリザリと音を立てて車の

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第4話 彼の者

第4話 彼の者

 実はうちには息子もいます。

 本を読むのはきらいだし、隙を見てはズルをしようとします。私が隠していたお菓子を食べて、食べかすを放置しています。
「食べたでしょ」
 と言ったら、
「食べてない」
 と言います。証拠の食べかすを提示したら、
「だって、ち〇ち〇がそうしろって言うから」

 男性の神秘です。

 運動が嫌いですが、家でゲーム中継ばかり見せるのもどうかと思い、サッカーチームに入れました

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第3話 人種差別

第3話 人種差別

 少し前、某国では人種差別のことを話すのがとてもはやっていたそうです。ただ、「差別をしてきた人たち」に「差別をされた人たち」の気持ちはわかりません。だって、今まで「面白い」と思って差別したりバカにしてきたりしていたのですから。
 というわけで、かなり面白いことになっています。

 うちの娘は、見方によってはラテン系にも中東系にもアジア系にも見えます。
というわけで。

 ある日、クラスの誰かが、

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第2話 ギプス

第2話 ギプス

 追いかける、といえば。

 昔、昔の話です。まだ、子供はいませんでした。

 ダンナは某国人で、別の某国のあたりの某国基地の近くに住んでいました。

 ダンナの鼻の中に大きなポリープがたくさんできていました。そのせいで、顔の形まで変わっていました。医者はそれを、「白いぶどうをぎゅっ、ぎゅっと詰め込んだ感じ」と表現しました。

 わたしたちは遠いところに住んでいたので、手術をするのに片道四時間かけ

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第1話 シュネバル

第1話 シュネバル

ちょっと昔。
長女は十歳でした。
とある国に行きました。

その地域に、「シュネバル」というお菓子がありました。スノーボール。雪玉、という名前らしいです。

 中世の結婚式の時に供されてきた伝統的なお菓子で、リボン状に切ったクッキーをぐちゃぐちゃに丸めて揚げ、表面にたっぷり粉砂糖をかけたものでした。娘の顔くらいある、その大きなボール状のものを買いました。

 娘がかじりつこうと大口を開けたら、口に

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