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ふありの書斎
2023年10月17日 21:48
毎年、春になると一斉に白詰草が咲きだす池がある。緑の森奥深くにその池はあった。これは、その白詰草の池と、俺の妹の身に起きた逸話。「袴なんて珍しいわね」「そう、かな…」 わたしは、不思議そうに首を傾げ、両手でポンポンと袴を叩く少年をじっと見ていた。 わたし達の足元には一面の白詰草が咲いていて、都会暮らしのわたしには、とても身体が澄み渡るような、浄化されるような新鮮な気持ちだった。祖母の家