オークス(優駿牝馬) G1 5/19(日)東京競馬 11R JRA|#32 【予想】

はじめに

 今週は東京競馬場G1オークス(優駿牝馬)』が開催。芝・2,400mで争われる三歳牝馬限定の一戦。『桜花賞』に続く、牝馬三冠¹ の二冠目にあたるレースだ。
 今年も樫の女王の名を求め、若き乙女たちが顔を揃えた。

 前走『桜花賞』を制し、勢いそのままに二冠目を狙う『ステレンボッシュ』。
 桜の道では苦汁を舐めたが、樫の道に舞台を改めて挽回を誓う『クイーンズウォーク』。
 花の女神フローラの加護をその身に授かった、遅れてやって来た主役ヒロインアドマイヤベル』。
 新緑のターフで牝馬オンナたちの熱き闘いが幕を開ける!

 今回の予想では①コース形態②馬場² 状態を分析し、各馬の脚質と適性を評価。更に、適性未知数2,400mという距離における③過去10年の好走データを検証。それらを踏まえて④展開予想と照らし合わせ、好走が期待できる馬を推奨馬としてピックアップしていきたいと思う。


予想

①コース形態

東京・芝2,400m

 東京・芝2,400mスタート地点正面直線の半ば。初角の1角まで約350mの直線距離が確保されており、コース形態における枠順の有利不利さほど大きくないと言えるだろう。
 また、スタート地点が正面直線ということには、スタンドの大観衆との距離の近さも特徴に挙げられる。人馬共に神経質になるスタート直後から大歓声を至近距離で浴びることとなり、気性的な課題を抱える馬にとっては一つの難所とも言える。

 正面直線から1角にかけてはスタート後のポジション争い。3歳馬にとっては未知数の2,400mともあり、各馬ロスを嫌ってインコースにポジション意識を見せる。
 2角から向こう正面直線半ばまでは緩やかな下り坂コーナー✖下り坂息の入る¹ 区間となっている。ここで一旦、間延びしていた隊列の間隔が詰まる
 向こう正面中間上り坂を越えると、坂を下りながら3角へと差し掛かる。また、その緩やかなコーナー設計下り坂に加え、各馬の好位意識から徐々にペースが上がり始める
 残り800m地点を通過して4角へ。各馬のペースが上がり、馬群が凝縮。それに伴い、やや外へと膨らみながら直線へと向かう。

 ゴール前の直線距離525.9m。その前半には全長160m高低差2mに及ぶ上り坂が待ち構えている。坂を上りきると残り300mはおよそ平坦。ここから最後の追い比べとなる。

 各馬経験のない2,400mという距離においてスタミナ面での適性は勿論だが、東京コース長い直線を競り合うための決め手の持続性も求められる。
 また、G1という大舞台における冷静さと、コースロスを抑える器用な立ち回りも同時に要求される。

②馬場状態

 まずは馬場の内外のコンディションを見ていこう。
 使用コースがBコースへと変更され、馬場の内目の傷みが解消された。昨週の開催でコーナー部分には若干の傷みが出始めたが、直線の状態は概ね良好だ。これはJRAが公表している馬場情報においても見て取れる。
 ただ、その一方で昨週開催レースの映像を分析すると馬場の外目の伸びが良いように映る。
 実際、5月11日(土曜)開催の『六社S』においては ①ワイドエンペラー がロスの小さい最内では無く、馬群を捌いて外目に持ち出すシーンも見られた。これは鞍上がC.ルメール騎手であることを考えると、“敢えて”の進路選択と読み取れる。
 
 このことから馬場傾向⁴ 中程~やや外の伸びが良いと捉えて良いだろう。ただ、馬場の内目の状態もコース替わりに伴い当然良化はしている。外伸び傾向も、大味な競馬が期待しずらいだろう。


 次に馬場の時計のコンディションを見ていこう。
 ここでは同距離設定の2レース、昨週土曜開催の『六社S』と昨週日曜開催の『東京3歳未勝』を参照する。

 まずは『六社S』を見ていく。4歳以上3勝クラスの条件戦。10頭立てながら前半1,000m通過63.3秒とスロー。4角残り800m地点からペースが上昇、直線では順当に上り勝負となった。
 破格のスローペースに加え、Bコース替わりの初日ということもあり、上位3頭は4角通過3番手以内。勝ち馬の上り3F33.3秒上り最速は追い込んだ5着馬の33.1秒

 続いて『東京3歳未勝』を見ていく。こちらは3歳未勝利クラスの条件戦。こちらは11頭立てを前半1,000m通過は62.8秒とスローペース。後続の追随が弱く、先頭を進んだ馬が楽々と逃げ切る展開となった。
 ペースの上昇が無く、一団で直線に向いたこともあり、各馬の追い出しが残り400m地点からと遅め。故に2着馬の34.2秒上り最速と控えめ。勝ち馬の上り3F34.4秒に留まった。

 この2レースから馬場の時計コンディションは良好に映り、33秒台と速い決め手を遺憾なく発揮できる馬場状態だと言えるだろう。

③過去10年の好走データ

 まずは過去10年の開催における着順上位3頭の単勝人気と前走レース、及びその着順とコーナー通過順について見ていく。

過去10年の開催における着順上位3頭の単勝人気と前走レース、及びその着順とコーナー通過順

 まずは着順単勝人気の関係について。
 3歳GⅠという舞台設定故に、実績が評価された単勝人気は比較的結果に直結すると言えるだろう。単勝1番人気馬勝率が60%と非常に好成績を上げており、着外を喫したのは2021年2022年の2度のみ。その一方で2019年以降単勝二桁人気馬が必ず紛れ込んでいる。

 次に前走レースとその着順、そしてコーナー通過順に注目する。
 前走『桜花賞』好走からの臨戦馬が最も好走を果たしており、その勝率70%にも上る。また、『桜花賞』で凡走をしていても、単勝人気において再度評価されている馬は好走の傾向にある。
 更に『桜花賞』好走馬の中でも、4角通過順が二桁順位の馬の好走が顕著だ。これはマイルペースへの対応力中距離への適性が裏返った結果と読み取れる。
 また、前述の単勝二桁人気馬の好走には前走1着と好走している馬が殆どだ。前走成績が1着の馬が人気薄の際は注意した方が良いだろう。

 続いてもう一つ、過去10年の開催における着順上位3頭の1,800m以上のレースにおける好走歴、及び『東京コース』の好走歴も見ていきたい。

過去10年の開催における着順上位3頭の1,800m以上のレースにおける好走歴、及び『東京コース』の好走歴

 距離適性において、2,400mというのは出走する全ての3歳馬において未知数。そこで、好走歴からその適性にアタリをつけたい。
 主に判断に困るのは『桜花賞』からの臨戦馬だが、1,800m以上のレースに好走経験、或いは東京コースに好走歴を持つ馬は実績並みに信頼できるだろう。それも『クイーンC』に好走歴を持つ馬はより適性を信頼できるだろう。

④展開予想

 それでは発表された枠順を踏まえて、展開予想をしていく。
 まずはハナ⁵ の想定だが、未知数の2,400mという距離を考慮し、中距離レースに出走経験のある ④パレハ と ⑪ヴィントシュティレ の二頭が濃厚だと見ている。
 更にその2頭においても ④パレハ の方がテンのスピード⁶ に長けていると映る上、2枠4番と好枠を確保。
 そのため、今回は ④パレハハナを取り切る想定で展開予想を進めていく。

 先頭集団④パレハ に続く形で外から ⑪ヴィントシュティレ ⑯ショウナンマヌエラ が2番手。
 その後ろ、内から ②クイーンズウォーク が外の出方を伺いながら、それをかわして ⑨ラヴァンダ 、大外から ⑰タガノエルピーダ ⑱ランスオブクイーン も4番手の一線に加わって。それを見る位置に ⑫チェルヴィニア ⑮サフィラ が追走。
 以降やや馬群が固まって、内から ①ミアネーロ ③エセルフリーダ ⑧ホーエリート ⑩アドマイヤベル と一団。
 その後ろ、中団馬群の間に ⑤コガネノソラ ⑧ステレンボッシュ が追走。後方に構えて、内から ⑥サンセットビュー ⑬スウィープフィート ⑭ライトバック と続くと見ている。

 隊列に目立った切れ目は無く、比較的まとまった隊列になると想定。またスタート後のポジション争いにも激化の印象は無く、序盤から比較的ラップが落ち着くことが想定される。
 ただ一方で、ラップ構成自体は緩みの小さいものが想定されるため、前半1,000m通過60秒前後極端なスローにはならないと予想。
 向こう正面中間上り坂~3角にかけて今一度ペースが緩み、先団馬群は凝縮。4角を抜ける段階で、先団は横並びで追い出し体勢となると予想。
 そのため、後方待機からの瞬発力×スピードよりも、好位からの決め手の持続性優位性を発揮する直線の攻防を想定する。

推奨馬

 それでは上記の予想を踏まえ、好走が期待できる馬を7頭推奨したいと思う。
 ◎⑦ステレンボッシュ
 ○②クイーンズウォーク
 ▲⑫チェルヴィニア
 △⑭ライトバック
 △⑩アドマイヤベル
 △⑮サフィラ
 △⑰タガノエルピーダ

馬券構想

 今回の◎印のイメージは勝ち切り。極端な展開負けや勝負所での不利が無ければ、馬場の綺麗な外目を突き抜けるだろう。
 ただ、軸馬馬券においては最大限の保険をかけて【ワイド】を購入。◎⑦から○②,▲⑫2
 そして勝負馬券においては【三連複】二頭軸ながしで購入。◎⑦-○②で軸を組み、▲~△に流して5点
 絞った頭数での買い目と3歳馬という不確定要素の多い一戦。ここは堅実性を重視しつつ、回収率を引き上げたいところ。
 合計7点。5月18日(土曜)時点のオッズを参考にし、【ワイド】:【三連複】を11:9の比率で資金配分。総額2,000×X円で購入できる買い目で『オークス(優駿牝馬)的中を狙う。また、回収率も100%~1200%と振れ幅は確保できた。

おわりに

 『オークス(優駿牝馬)』の予想は以上となります。
 今回 ⑦ステレンボッシュ 以外を本命視できないものかとアレコレと策を弄したものの、一向に糸口も見えず…。
 また、○と▲の評価に差は殆どない印象。二頭とも、前走を理想条件で迎えられずの凡走。両馬十分に巻き返しの余地があるでしょう。 

 最後になりますが、予想が参考になればスキフォローを是非よろしくお願いします。
 では、次週『東京優駿(日本ダービー)』でお会いしましょう。村長の競馬ノートでした!

¹…『桜花賞』『オークス(優駿牝馬)』『秋華賞』の3競走の総称。
²…競馬場内、競走コースのこと。
³…ペースを緩め、体力を温存すること。
…馬場コンディションに依存する、進路選択やポジショニングにおける優位性。
…隊列の先頭のこと。
…スタート直後の初速のこと。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?