#28 マイラーズカップ2024【予想】
今週から京都競馬場での開催がスタート。その開幕週を飾るのはGⅡ『マイラーズカップ』。”春のマイル王決定戦”である『安田記念』の前哨戦に位置づけられているため、実力馬の出走も目立つ一戦だ。
そこで今回は、京都・芝1,600m(外回り)の①コース形態の分析と開幕週を加味した②馬場状態の分析を基に各馬の適性を評価。更に③展開予想を踏まえた上で好走を期待できる馬をピックアップしていきたいと思う。
予想
①コース形態の分析
京都・芝1,600mのスタート地点は2角の奥、向こう正面直線を200mほど延長した先。初角の外回り3角までは約700mと十分な直線距離が確保されており、コース形態における枠順の有利不利は殆どないと言えるだろう。
スタートから400mは平坦。その後、向こう正面半ばから京都競馬場の最大の特徴であり、”小高い丘”とも表現される3角の坂を上り始める。高低差約4mを駆け上がり、3角に差し掛かった辺りで最高地点に達する。当然ペースは一旦ここで落ち着きを見せることとなる。
以降、4角に向かって一気に坂を下り、勝負所の直線へと向かう。
そしてゴール前の直線。距離は403.7mと長めな上、目立った起伏のない平坦設計。勝負所に坂が無い分、瞬発力とスピードに長けた脚質の台頭が顕著な印象だ。
②馬場状態の分析
まずは芝の状態から見ていこう。2回開催の最終日が2月18日となり、約1か月の中休みを挟んだ今開催。JRA公式サイトの掲載情報(馬場情報(京都競馬場) JRA)からも芝の傷みは回復し、最内の馬場も良好な状態。日曜日に雨予報こそあるものの、予想降水量は少なく、”開幕週らしい馬場状態”で臨めると言えるだろう。
また、展開により例外的な年もあるが、上記の”開幕週らしい馬場状態”に伴って内・前有利の傾向にある本レース。ただ、人気上位馬による決着でもあるため、安易に馬場傾向と読むのは早計にも思える。あくまで、能力の発揮に十分な馬場状態と捉えた方が無難だろう。
次に時計面に注目。直近10年の開催のおける着順上位3頭の上り3F¹ のタイムを参照すると、平均値は33.4秒。32秒台前半での決着が見られる年もあり、スピードの絶対値が求められる馬場状態と言えるだろう。
③展開予想
では最後に発表された枠順を踏まえて隊列、及び展開を予想していく。
まずは隊列、ハナ² を主張しそうな馬から見ていこう。今回の候補は2頭。①トゥードジボン と ⑰エエヤン だ。前走『ダービー卿CT』では果敢な逃げを魅せて2着好走を果たした ⑰エエヤン だが、8枠17番と大外枠からの発走。一方の ①トゥードジボン は1枠1番と最内枠からの発走。
今回はこの枠順を加味して ①トゥードジボン がハナに行くと想定する。
続く先団は外目から促して ⑬セッション が3番手を主張。その内では各馬の出方を伺いながら ③セリフォス ⑨ニホンピロキーフ 外から合わせながら ⑭ソウルラッシュ がポジションを確保。
これら先団に加わる格好で ②スパイダーゴールド ④リューベック ⑫ソーヴァリアント までが一団と見込んでいる。
以降、中団はややバラけた想定。外目から ⑮フリームファクシ ⑯ボルザコフスキー がポジションを主張。それを見る位置で⑧トランキリテ が追走。その後ろから ⑤エアロロノア ⑥ビーアストニッシド ⑦ノースザワールド 。 ⑩コレペティトール は内に進路を切り変えて中団の後方。⑪アリストテレス が最後方と想定。
続いて展開の予想へいこう。今回の展開は”京都外回りコースらしいラップ”を想定。
内から好スタートを決めた ①トゥードジボン がすんなりハナへ。外から ⑰エエヤン の主張も考えられるが、京都外回りコースの形態から前半から過剰なペースは嫌うと判断。
よって、スタート~4F目までのラップは緩く刻まれると想定できる。
そして、向こう正面からの上り坂で更にペースは落ち着くだろう。前半600mの通過タイムは35秒前半のスローペースと予想。このペースを保ったまま坂の頂上へと駆け上がっていく。
レースが動き出すのはこの辺りから。2番手に構えていた ⑰エエヤン が残り800m付近から進出。それに ①トゥードジボン も応戦。以下、隊列全体が徐々にペースアップをしていく。
スピードに乗ったまま4角を抜けて直線へ。前述の通りの展開となれば、前半はスローながらも先行勢には持続力×速力が、後方勢には瞬発力×速力が求められるゴール前の攻防となるだろう。
推奨馬
それでは上記の予想を踏まえ、好走を期待できる馬を発表したいと思う。
◎⑭ソウルラッシュ
○③セリフォス
▲①トゥードジボン
▲⑧トランキリテ
△⑨ニホンピロキーフ
△⑩コレペティトール
△⑬セッション
本命馬短評
⑭ソウルラッシュ
近2走は J.モレイラ騎手 が手綱を取っていたこともあり、乗り替わりは理想とは言い難い。ただ、それでも対抗筆頭の ③セリフォス が58㎏の斤量と気性的な課題を残す以上、ここは条件・展開ともに勝ち負けを要求される一戦だろう。
昨年の本レースでは大外枠からの発走に加え、600m通過34.4秒の流れた展開を先団で受けた上での3着確保。昨年の『マイルCS』のクビ差2着、『香港マイル』の僅差4着からも充実度合いは言うまでもない。
買い目構想
今回の◎イメージは当然勝ち負け。ということで軸馬券は【馬連】から。◎⑭から○~▲へ流す形で3点。金額は3:1:1の割合で投資。
続いて勝負馬券だが、地力だけで考えれば ③セリフォス も勝ち負けだ。そのため今回は【三連複】を二頭軸で流す形をとる。◎-○で二頭軸を組み、▲~△へと流して5点。1:1:1:1:1の割合で投資。
軸馬券の的中で110%~180%の回収率を、勝負馬券までの的中で250%~360%の回収率を実現させる。
おわりに
『マイラーズC』の予想は以上になります。波乱の立役者不在の印象を受けるメンバー構成に、推奨馬が概ね人気順と面白味のないものに…。
ただ、固い決着に落ち着くレースこそ、堅実に的中したいものですから。
この記事が参考になればスキ、フォローを是非よろしくお願いします。それでは来週『天皇賞(春)』の記事でお会いしましょう。
¹…1F=200m。
²…隊列の先頭のこと。
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