#29 天皇賞(春)2024|2週連続的中へ!【予想】
今週は京都競馬場でGⅠ『天皇賞(春)』が開催。3,000mを越える長丁場の一戦であり、4歳以上の、所謂”古馬”による長距離王決定戦にあたる。
今年は、年明けの『ダイヤモンドS』から長距離重賞を2連勝中の「テーオーロイヤル」や、昨年の『菊花賞』を5連勝の内に制した「ドゥレッツァ」。更には本レース3年連続の連対実績を持つ「ディープボンド」など、絶対王者不在ながらも混戦必至のメンバー構成。
そこで①コース形態の分析と②馬場状態の分析を基に各馬の適性を評価。更に、③直近10年の開催における好走馬の傾向を分析し、④展開予想を踏まえた上で好走を期待できる馬をピックアップしていきたいと思う。
予想
①コース形態の分析
まずは京都・芝3,200mのコース全体を見ていこう。
スタート地点は向こう正面の3分どころ。初角の外回り3角までは400m強の直線距離が確保されており、コース形態における枠順の有利はさほど大きくないと言えるだろう。ただ、スタートから100m程で上り坂に差し掛かるため、強引なポジショニングにはパワーを要すると言えるだろう。
前述のとおりスタート後100m程で上り坂に差し掛かる上、3,200mという距離設定故に前半からペースは落ち着く傾向にある。
中盤も目立った起伏が無く、平坦なコース設計故に淡々としたレース展開に落ち着きやすい。
終盤は2度目の上り坂で再度ペースが緩んだ後に一転。残り800mあたりで下り坂に差し掛かると一気にペースが上がり、各馬が長いスパートに入る。
スピードに乗って4角を抜けた先、直線は403.7mと長く、かつ平坦。故に3,200mとタフな印象に反して、勝負所では決め手が求められるコースとなっている。
②馬場状態の分析
まずは馬場の内外の状態を見ていこう。今回は良馬場を想定しているため、同様に良馬場開催である昨週土曜のレースを参照する。また、開催された5レースの芝競争のうち、1勝クラス以上のものをサンプルとする。
いずれも決着は単勝1~3番人気以内の馬ではあるものの、4角及び、直線での進路取りでは内々の馬に優勢な馬場と読み取れる。
次に馬場の時計状態を見ていこう。1,000m通過が60秒前後と上り² をサンプリングしやすい6R『京都4上1勝』と9R『あやめ賞』を参照。また、ここでは同距離設定でのレース開催が無いため、あくまで参考程度の判断基準とする。
6R『京都4上1勝』ではテン³の1,000m通過は57.5秒も、後続の隊列の通過は60秒を切る程度だったためサンプルとした。
その後続の隊列の先頭が勝ち馬となり、上り34.1秒。4角で勝ち馬の後ろ、最内に構えた2着馬が上り最速の33.8秒。
9R『あやめ賞』では7頭立てと少頭数開催ながら1,000m通過が60.6秒と落ち着いた展開。以降、京都外回りらしく残り800m辺りからペースが上昇し、馬群が凝縮。スピードに乗って直線へ向くと、決め手勝負の様相となった。
ここでの勝ち馬の上りは32.9秒と最速。また、3着圏内の馬の上りも33秒半ばまでに収まっていた。
これらのサンプルから例年並みに早い時計の出る馬場状態だと読み取って差支えないだろう。
③直近10年の開催における好走馬の傾向
まずは直近10年の京都開催における着順上位3頭の4角通過順と上り3Fについて見ていこう。
着順上位3頭においては2013年を最後に36秒台の上りは出ていない。タイトな1,000m通過となった2017年が35.0~35.3秒、稍重開催となった2023年でさえ34.9秒~35.6秒をマーク。
過去30頭の上り平均は35.1秒。それと当日の良馬場開催を踏まえると、上り最速には34秒半ばのスピードが求められ、粘り込みを図る上でも35秒半ばの上りは意識したい。
続いて4角通過順に注目。連対⁴ 馬20頭において、4角通過順が5番手以内だった馬は16頭。実に連対馬の80%が4角を5番手以内で通過している。
このことから、好位を確保できる高い追走力、あるいは終盤で好位へと動ける持続力に長けた脚質が要求される。
次に直近10年の京都開催における着順上位3頭の前走競走とその着順、及び4角通過順について見ていく。
好走した30頭において、前走が2,400m以上のレースであり、尚且つ3着以内だった馬は16頭。好走馬の50%以上が直前の中長距離レースにおいて結果を出している。
また前走の4角通過順においても、連対馬の70%以上が4角を5番手位以内で通過している。
前述の上りのスピードと4角通過順の両立は難しく、尚且つ3,200mをこなすスタミナも求められる。非常に高い水準で能力を求められるが故に、戦績の信頼性が高いレースだと言えるだろう。
④展開予想
ここからは発表された枠順を踏まえて展開予想をしてきたいと思う。まずはスタート直後の隊列予想から。
今回のメンバー構成において明確な逃げ馬は不在。故にスタート直後は好スタートを決めた各馬による出方の伺い合いになると予想。
その上でハナ⁵ を想定する第一候補は枠順を加味して①サリエラ。そして第二候補は前走で逃げのイメージを掴んだ⑪マテンロウレオだ。
先団はこの2頭に続く形で⑥ディープボンド、⑩サヴォーナ、⑯チャックネイトが三番手の一線。
その後ろから⑤ブローザホーン、⑦タスティエーラ、⑧ゴールドプリンセスが追走。外目から⑭テーオーロイヤルがこれらに加わる格好。
中団の内目を③プリュムドール、外からは⑨シルヴァーソニック、⑫ドゥレッツァが折り合いを付けながら追走。
差のないところに④ワープスピード、外目からは⑱ハピがポジションを求めながら追走。
やや置かれた後方から⑬スカーフェイス、⑮メイショウブレゲ、⑰スマートファントムが前を追う格好。
前述の通り、出を伺い合う格好に加え、間もなく上り坂に差し掛かるコース形態。そのため展開においては序盤から緩いラップが刻まれると予想。
ただ一方で隊列の全体像としては先団一団、中団以降はややバラけた縦に長い隊列になると読んでいる。
最初の1,000m通過は60秒後半~61秒半ばとスローよりの想定。ただ、⑪マテンロウレオが逃げた場合は、テンの1,000m通過のみ59秒半ばという展開も考慮できる。
以降は隊列・展開のいずれにおいても2週目の3角、坂の頂上までは動きなく淡々と進むと予想。比較的スローに落ち着く展開も、例年の傾向通り残り800m地点から順当に各馬がスパートを開始すると見ている。
故に先行各馬も比較的脚が残った状態で勝負所に向くこととなるだろう。そのため、ジリッぽく粘りこみを狙う馬よりも、持続力とスピードのある決め手を備えている馬に軍配が上がると予想。
また、中団各馬には瞬発力やスピードの持続性能よりも、4角でのポジションセンスとスピードに長けた決め手が求められると言える。
推奨馬
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