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ブルーセーバーズ2話 ブルーセーバーズ

 慶太たちは命からがらゴンから逃げてきた。

「無様なもんだな、お前たち。」トーゴーが厳しい言葉を浴びせる。

「何だと?現場に出ていないくせに偉そうな。」慶太がトーゴーを睨む。

「落ち着け、慶太。」武人が慶太をなだめる。

「落ち着けだと?魔法使いが偉そうに言うな!」慶太と武人がにらみ合う。

「まあまあ、一旦作戦を考えよう。」ナギが2人の間に入った。

「作戦なんか関係ない。俺たち人間は、あの化け物には勝てない。」慶太はそう言って部屋を出て行った。

「ヤツは今でも人間を虐殺している。俺はそれを放っておけない。俺は行くぞ。」武人はそう言って現場に向かった。

「まったく、どいつもこいつも…。」ナギは頭を抱えた。

「お前たちはどうする?逃げ出してもいいぞ。」ナギがカールとジェットに話しかける。

「馬鹿言え。俺の目的はドラゴニア星人を全滅させることだ。俺は現場に行くぜ。」

「私もこのまま負け続けるのは嫌ね。」

「じゃあお前らはブジンをサポートしてやってくれ。俺は慶太の様子を見てくる。」そう言って3人は解散した。


「よう慶太。こんなとこで何やってんだ。」ナギが慶太に話しかける。

「別に、何も。」慶太は無愛想に返す。

「他のみんなはもう反撃に向かったぞ。」

「じゃあお前も行けよ。」

「お前がまだここに居て安心したよ。帰れるチャンスはいっぱいあったもんな。」ナギは笑った。


「地球人という種族は馬鹿なんだな。」ゴンが倒れる武人に向かって言う。武人のまわりではジェットとカールも倒れている。ゴンが武人にとどめを刺そうとしたところでナギが現れる。

「次は俺が相手だ。」ナギとゴンの戦闘が始まった。ナギは戦闘民族ということもあり、ゴンに食らいつく。だがゴンは戦闘民族でも上澄みの存在。ナギもすぐに吹き飛ばされてしまった。

「さて、これで終わりだな。」そう言ってゴンは口にエネルギーを溜め始めた。4人は立ち上がることができない。ゴンの口からものすごいエネルギー弾が放たれた。だが4人に当たるすんでのところで、誰かが高速移動で4人を助け出した。

「来ると思っていたぞ。慶太。」武人はよろめきながら言った。

「まったく、お前らは俺がいないと何もできないな。」

「また減らず口を…。」ナギは笑った。

「1戦目で取ったヤツのデータを解析してたんだ。この試合、勝つぞ。」慶太が意気込む。

「当たり前だ。」武人は魔力を込めて構えた。

「正攻法で戦っても奴には勝てない。俺とナギで攻める。俺は高速移動ができる機械を埋め込んできたから問題ないが、武人はナギの重力を軽くしてくれ。ギャラクシーズの2人はこれで俺たちの援護を。」慶太はそう言って、ジェットとカールに銃を渡した。

「これはヤツに効く弾を込めた銃だ。ドラゴニア星人は強靭な皮膚を持っているが、金が弱点だ。高い金払って作った金製の弾だ。大事に使えよ。」慶太が説明する。

「じゃあ、行くぞ!」慶太のは掛け声とともに走り出した。先ほどの戦闘とは比べ物にならないほど速く動いている。そのあまりの速さにゴンは対応できす、慶太にボコボコにされている。

 少し遅れて武人がナギに魔法をかけ、ナギの重力を軽くする。高速移動してナギも慶太に加勢した。ジェットとカールも隙を見つけては弾を打ち込んでいる。

「おのれ小癪な…。」ゴンは4人の攻撃を防ぐことを止め、口にエネルギーを溜め始めた。防御を無視して一撃必殺で勝負を決めるつもりらしい。

「おいおい、それは甘えんじじゃねえの。」ジェットはゴンのわずかに開けた口に弾を打ち込んだ。この激戦の中で弾を命中させたジェットの狙撃の腕はなかなかのものである。続いてカールがジェットの攻撃によりできた隙をついて、左右の肩を狙撃した。「うぎゃああ!」ゴンは腕が使えなくなった。

「決めろ!お前たち!」武人が地面から魔法で蔦をはやす。その蔦はゴンを絡めとり、ゴンの身動きを封じた。

「魔法の同時使用なんて無茶しやがって。行くぞナキ!」

「ああ!」

「合技:カルマ衝波斬しょうはざん」 

 2人が初撃ゴンの体をX字に切り裂く。ゴンが声を発する間もなく二撃目が発動する。先ほどのX字の傷から衝撃波がゴンの体全体に響き渡る。ゴンは叫び声とともに後方に大きく吹き飛んだ。


「お前たち、良くやってくれた。」トーゴーが5人に語りかける。

「お前たちのお陰で地球は守られた。本当に感謝する。」そう言ってトーゴーはどこかに行った。

「これからどうするんだ、ナギ、ブジン。」慶太が2人に言う。

「俺はまた宇宙に戻るよ。他の星にもまだ困ってる人はいるし。」ナギが答える。

「私はまたいつもの日常に戻るよ。」武人も答えた。

「じゃあ、俺たちはそろそろ行くよ。お前たちは最高だ。ありがとう。」ナギは武人に、そして慶太にハグをした。

「おい、もうちょっと地球にいろよ。もっと宴をやろう。」慶太がナギを引き留めるが、ナギは首を振る。

「いや、残念だが。でもまた地球には絶対に来る。それまで死ぬなよ。」そう言ってナギたちは地球を去った。

「さて、行ったな。俺も帰るとするか。」武人はそう言って帰る準備をする。

「なあ、ブジン。お前のこと馬鹿にして済まなかったな。お前は俺が知るなかで最高の魔法使いだよ。」慶太は握手を求める。

「ありがとう。私も少し君のことを誤解していたが、君は最高だ。これからもよろしくな。」こうして武人と慶太は握手を交わして別々の道に進んだ。


「では彼らの存在はあなたに一任します、トーゴー。彼らが敵になったらかつてない脅威になります。しっかり監視するように。」とある場所で女がトーゴーに命令する。

「ええ、ではこれからメディア対応がありますので、私はこれで。」

「くれぐれも余計なことは言わないようにね。」トーゴーは何も言わずに立ち去った。

 トーゴ―はとある部屋に入った。そこには世界中の記者とカメラが集まっていた。

「今回の事件の黒幕は誰なのですか?」さっそく1人の記者が質問をする。

「今回の事件は地球外生命体の襲撃によります。」トーゴーが答える。

「では、いわゆる宇宙人の存在を認めるということでしょうか?」

「ええ、そうですね。」

「今回、宇宙人から地球を守ってくれたヒーローたちは誰でしょうか?」

「彼らを知らないのか?」「田舎のヒーローなど知らないな。」「何だと?」1人の記者の質問に対し、各国の記者たちが口論を始めた。

「静かに!今回地球を救ってくれたのは、そうですね…。青い星を救う者たち『ブルーセーバーズ』とでも名付けましょうか。今後、ブルーセーバーズの活躍に期待しましょう。」

ーTo be continued ー

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