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「日本一」は目的ではない、手段だ。

はじめに

年が明けて、早いもので2月になりました。
個人としては2024年に入り、YouTube担当から主務になりました。
(今年もYouTubeやSNSには関わるつもりです)
ここ最近、ありがたいことに他の大学の部活動の方から
「学生主体とはどういうことなのか?」「どのように運営しているのか?」など聞かれることが多いのでnoteに書いてみようと思います。
ぜひ皆さんの部活動運営の参考になれば幸いです。

蹴球部の概要

まず、概要についてお伝えしようと思います。
蹴球部は1学年約50名、全部員で200名ほどの部員で構成されています。
カテゴリーは6つ存在しています。
そして現場を管理する実質的な大人のスタッフは小井土監督だけとなっています。

「小井土監督しか大人がいなくて成り立つの?」と思った方もいると思います。その問いへの答えは学部生・大学院生をはじめとしたスタッフの存在で成り立っているということです。筑波大学には体育専門学群という学部があり、学部だけでなく大学院まで存在しています。主にそこに所属している学部生や大学院生の方々がコーチやトレーナーとしてサッカーの方を運営しています。
ピッチ外の運営については、「局」というものを設け、部の運営を学部生中心に行っています。この局は部員の義務であり、全部員が所属しています。

なぜ学生主体の運営ができるのか

以上がピッチ内外における運営となっています。
では次に、なぜ学生主体の運営ができるのかをいくつかお伝えします。
特に以下の3つが大きな要因かと思います。

  1. 筑波大学ならではの特性

  2. 部員に裁量が与えられる組織体制

  3. 日本一になる≠蹴球部の目指すゴール

(特に3.が一番重要なので順を追ってご覧ください!)

1.筑波大学ならではの特性

まずは大学の特性上という部分は間違いなく大きいです。
先ほども紹介しましたが、筑波には体育を専門とする学部、大学院が存在します。安定的に毎年入部者が居るからこそ、この運営体制が整っていると思います。
また体育専門学群以外の学群も同じキャンパスにあるため、体育専門学群以外の部員も入部できることが大きいのではないかと考えています。
(実際、部員の半数近くが体育専門学群以外の学群に所属しています)

2.部員に裁量が与えられる組織体制

ここまでは筑波ならではの部分が強かったですが、ここからは筑波以外の大学でもできる部分だと考えています。
蹴球部では基本的にほぼ全ての活動が小井土監督からの指示ではなく部員からの提案・アクションで行われます。また意思決定についても、最終的には小井土監督に確認を取りつつもその中心は学生が行います。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。

ここにも書かれている通り、「ポジティブな意味での責任」を部員が取る仕組みがあるからこそ、学生主体で様々なアイデアが生まれ、アクションが生まれます。
なぜこのような仕組みを作れるのか、それは小井土監督の力量の部分が大きいですが、トップダウンで運営している組織はそれを見直すきっかけになれば幸いです。

3.日本一になる≠蹴球部の目指すゴール

3つ目。これが1番大事だと思っています。
蹴球部はMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を掲げ、部としての方向性を定めています。

2024シーズンのMVV

この図を見てもらうと分かる通り、どこにも「日本一」「リーグ戦優勝」とは書かれていません。もちろん、結果は求めますし日本一を目指します。
ただ、なぜ「日本一」を目指すのかというと、「大学サッカーを牽引し続ける」ためです。

日本最古のクラブの1つとして、筑波には「大学サッカーを牽引し続ける」必要があります。
その手段として、「日本一」や「リーグ戦に優勝する」、「ホームゲーム活動を頑張る」、「広報を頑張る」のです。
結果を出すことが目的ではなく手段であるということです。

ただ、ここで大事なのはMVVは策定しても浸透しなければ意味がないということです。
筑波も全てが浸透しているとは言えないものの「大学サッカーを牽引する」というワードは強く浸透しているからこそ成り立っていると思います。

MVVは浸透して初めて意味を持つものです。
チーム作りや、部の一体感で悩んでいる人は「なぜ優勝を目指すのか」「自分たちの存在意義はなんなのか」を部員みんなで考えてみてください。

おわりに

どうしても部活動で目標を立てると「日本一」「リーグ戦優勝」などになりがちだと思います。
ただ、その目標設定では「目標を達成できなかったらそこで終わり」のチームになるし、目標を達成したとしても「目標を達成したからなんだ?」のような状況になります。
上でご紹介したようにMVVがあるからこそ、筑波は学生主体の運営ができています。
(日本一を目指すなら極論、部員はサッカーだけやってればいいと思います)

ぜひ自分たちのチームにしかない存在意義を考えてみてはいかがでしょうか?
最後までご覧いただきありがとうございました!

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