日本の地震等災害時の避難民vs難民in the UK

今日は朝の礼拝後、午後のイベントを挟んで互いに時間を合わせ、Jとともに教会正面、トラファルガー広場に面するナショナルギャラリーに立ち寄ることになった。

要するに、朝から半日ほとんど私たちは一緒にいたわけで、ナショナルギャラリーでの美術談義のみならず、行き帰りの列車の中でも話題はさまざまにわたり。

何事にも精力的に取り組む彼女、教会に来ているイラン人難民家族のことも気にかけている様子。美術鑑賞の後、ナショナルギャラリーでのカフェで一服、その話を聴いて。私の勉強不足もあって、イランの方の困りごとについて明確に知らないのを恥ずかしいなあと思いながらも、会話が深まるにつれ難民・移民問題の難しさを改めて実感することもあり、本当に複雑な問題ではあります。

その家族はケント州の住宅を実質的に追い出されてロンドンに来て、それ以来2年くらいホリディインでの住まいを強いられていて、何より問題なのは、子どもたちが適切な教育を受けられないでいることらしい。それは確かに早急にどうにかしなければ。

私「あ、でもちょっと待て、ホテル住まいって今ホリディインって言った?」
J「うん。食事も提供されているはず。でも一家で一部屋よ」
私「……」
私「あのー、ちなみに旅行者としてロンドンに滞在する時には私、大概YHAのドーム(大人数部屋)なんだよねえ」「いや確かに、一時滞在するだけなのと住むのとは大違いよね……ははは」
と言いつつ、「お恥ずかしながら、日本の先の地震での避難民の写真がこちらになります」とiPhoneでお示しする。

J、この状況を知っているって。ニュースで見たことあるって。海外の人、というかJのような教養のあるイギリス人にならば、日本のこの、恥ずかしい程に非人道的な避難民の扱いは知られていたんだ。

うーむ、ホリディインか……災害時の避難民どころか東京の1Kアパート暮らしよりランク上やで〜ははは、と冷や汗をかくばかりのわたし。

もちろんここでの問題点が、難民の待遇がイギリスで良すぎるといいたいのでは決してありません!問題はそこではなく、日本と比較した場合、(1Kアパート問題はともかく)日本での災害時避難民の扱いがあまりにも非人道的すぎるということです。

しかし、なぜ日本は「困っている人」に対してこんなひどい扱いをするのか。
ここは、Jと私で意見が一致しました。
それは、「困っている」当人たちが声を挙げないからです。「私たちをこんな目に合わせてひどいじゃないか」と政府に対してクレームを言わないからです。

今回の能登地震での被災地は高齢者が50%くらいの地域であって、それをその方たちに求めるのは酷といえるかもしれません。しかしそうであるならば、それを代弁する人たちが声を挙げることが必要ではないでしょうか。

そして「それを代弁する人たち」にあたるのがジャーナリストであり、市民であると思うのです。



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