「いっすーくるま」です。単車の事故編

私の少年時代は、「巨人の星」「あしたのジョー」というマンガに代表されるように、スポーツ根性物が大ブームでした。そんな中、小中高校と野球部で過ごし最後の夏は、背番号１を付けて投げ抜きました。ところが、私がエースだったばっかりに１回戦で敗退でした。この時代の練習風景などは語れませんが、そのお陰で負けない根性は身に付いたと確信します。青春時代、人生経験主義からの実感で生き方を決めるべきと考え、良い事も悪い事もガムシャラに経験しました。・・・・何をしたかは書きません。
今日は、オートバイの事故について書きますね。昭和53年４月、将来のレストラン経営を目標に東京調理師専門学校へ進学しました。そこで地元の友人２人と３年ぶりに再会。さらに横須賀から通う３人とも知り合いとなり、この６人で渋谷などで遊ぶようになったのです。学校では、公衆衛生学や栄養学など沢山の学科を学び、実技として和・洋・中の調理実習もやりました。
入校1ヶ月が過ぎると、週末に泊まり込みで横須賀へ行く事になり、仲間のうち5人で、夜の横須賀中央の街へ繰り出して行きました。まだ、昭和53年という時代は、都内でも地元でも滅多に外国人を見かけることなどありませんでした。ところが、横須賀中央は、沢山のアメリカ人が歩いていて、とても日本とは思えなかったのです。私が、いつも聞いていた音楽は洋楽で、ラジオのFEN（今は、AFNというアメリカ軍放送網）から流れる全米トップ40など聞ける時には、必ずベスト10が発表される最後まで聞き込んでいました。
「すっげー、街がアメリカみたいだな。カッコイイジャンか」そう言った私は、その後、2ヶ月ほど毎週末に横須賀中央へ通う日々が続きました。酒場に行っても、ディスコに行ってもアメリカ人が飲んで、踊っていたのです。ブラザーと叫びながら友達にもなりました。それから、4ヶ月が過ぎた夏季休暇。私たち学生には、首都圏にあるホテル、旅館などへ20日間泊まり込みで働いて来るという教育実習がありました。仲間６人のうち1人は、和食を希望していたので、洋食希望の私たち5人は、湘南の葉山にあるホテルへ8月8日から働きにいくことを決めました。教育実習当日の8月8日、川崎の地元の友人と2人で葉山のホテルへ出発致しました。午前9時45分、ホテルへ到着すると少し遅れて横須賀の友人3人が、顔を見せたのです。私たち5人を、洋食のチーフが出迎えてくれました。大きな調理場へ案内された私たちは、調理師の皆さんへ挨拶を済ませると20日間の実習内容を聞かされたのです。大きな調理場は２つに分かれていて、片方は洋食、もう片方は中華の厨房になってました。私と地元の友人は、前半の10日間、中華で働くことになり、先輩から中華の調理場の流れを教えてもらいました。そして、一旦、寮へ行って荷物を置いて来るように言われ、その後は、調理服に着替えて午後3時、出勤となりました。私たちは、調理場でディナーのオーダーが入るのを待ちました。最初に中華のオーダーが入ったかと思うと次から次へとオーダーが入りました。そのたびに調理師全員が動き出します。
時には「おおー、銀皿が出てねぇぞ」「あっ！今すぐ出します」「早くしろ料理が冷めちまうぞ」「すみません」など大声が飛び交いました。午後9時30分、オーダーストップと共に調理場の動きが緩やかになるのです。調理師たちは、明日の仕込みと片付け、調理場の掃除へと動きが変わっていきました。午後10時30分過ぎに寮へ帰って自由時間となるのです。私たちは、全てシステム勤務でウィークデイに休暇を取り、週末の土・日は全員で働くのです。働き始めて3日目、横須賀の友人が休暇でした。彼は、自宅へ帰りオートバイに乗って寮へ戻って来たのです。私は、好奇心も旺盛だったのか、仕事が終わった夜に彼のオートバイで、あの有名な心霊スポットの小坪トンネルへ行くことを約束したのです。深夜0時前に彼の運転するオートバイの後部座席へ私も跨ると、エンジン音と共にゆっくり走り出しました。深夜0時丁度、オートバイは、小坪トンネルへと入り込んでしまいました。あまり長くないトンネルですが、その中は、何故か薄暗いのです。すると、バイクのギアが入らなくなり、運転手がカチャカチャとギア操作しますが入りません。後部座席の私は、「この中で止まったらヤバイぞ」と叫んでました。
その瞬間、ガクッとギアが嚙み合ってオートバイが走り出したのです。そして、小坪トンネルから逃げるように飛び出して行きました。・・・・そして、この帰り道で120キロのスピードで正面衝突したと思いますでしょう。
違うんです。この日は、何事もなく寮へ帰って就寝しているのです。
この小坪トンネルで何物かが、取り付いたのか？それは、定かではではありませんが、今日は、この辺で打ち込みを終わりに致します。