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[創作]いつも通り

バカな大学生2人は喋る。

「なあお前、就職どうすんの?」

「え、俺が就職なんてすると思う?」

「いや、まあまあ分かってたけど、実際問題就職しなきゃいけないだろ?」

「まあ、社会的体裁を完全に無視できるほど強くないし、てか俺敏感だし。」

「敏感?お前のどこが敏感なのよ。いつもひょうきんに笑ってやがるじゃないか。」

「おい、舐めてもらっちゃ困る。俺はこう見えても天才的な感受性を持って生まれたのだよ。」

「はあ〜、だから傷ついちゃうから就職できないってか。」

「まあそれもある。けど別にそこまで怖いわけでもない。というか、お前はどうすんのよ。」

「俺は公務員を目指すよ。安定してるし。」

「なるほど、食いっぱぐれないし、いいな。」

「でもさ〜、公務員ってやりがいとかあんのかな。なんかお堅いイメージじゃんか。」

「まあ、やりがいかどうかは分からないけど、理不尽は経験するんじゃね笑」

「笑うなよ、理不尽か..。俺も揉まれるのかあ。」

「まあ理不尽経験して、そっから何か思うとこがあるんじゃないか?」

「よくそんな簡単に言うよな。お前は悟りを開いてるんか。」

「人間世界厳しい、ってくらいは分かってる。」

「まあいいや、最近彼女さんとはうまくやってんの?」

「よくぞ聞いた友よ!うまくやってるよ。俺の彼女は最高なんだ。」

「どうしたいきなり急に。うまくいってんのか。」

「かわいいんだよ、とにかくかわいい。」

「幸せそうだな。」

「だって見た目も可愛くて、性格までいいんだぜ?しかもまだ若い!なんか俺、よくない言い方してる?」

「よくない言い方だが、愛は伝わったよ。いつもお前は彼女の話になると目キラキラさせてんな。」

「しょうがないじゃないか。」

「まあ幸せそうで何よりだよ。」

「そっちは、どうなの?」

「俺は、もしかしたら別れるかもしれない。」

「あら、そうなの。なぜ?」

「んー、何ていうかお互い求めるものが変わってきたと言うか。なんかこう、違うとこを見ている気がするんだ。」

「なるほど。」

「就職したらより経験も異なっていくだろうし、もしかしたら潮時なのかもしれないな。」

「まあ、いいんじゃない。誤魔化しほど酷なものはない。」

「やっぱお前悟ってるだろ。」

「女の子は大切に扱わなければ、すぐにいなくなることだけは知ってる。」

「なんか、ムカつくな。まあとにかく、何だっけ、そのブログか何かで食っていくんだろ?」

「まあまだ形にはなってないけど、ゆくゆくは。」

「それって儲かるもんなんかね。」

「まあ、世の中のニーズをどう捉えられるかかな。それによって変わると思う。」

「じゃあ人気商売、ってわけか。」

「まあ正確には人気の中に信頼があるんだけど、おおよそはあってるかな。」


「応援してるよ。何か当たったら飯奢ってくれや。」

「おう。」

「じゃあ帰るか〜、試験対策もしなければならないしな。」

「あんま気詰めんなよ、働きすぎもよくねえから。」

「だからお前は就職しないのに、何で上から目線なんだよ!」

「そう怒るなって、俺は過去にいっぱい働いたの。」

「よく分かんねえけど、いいや。とりままた来週会おうぜ。」

「了解。今日夜勤か、ファイト。」

「あざ。そんじゃまた。」

「うい。」

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