[創作]誹謗中傷
高僧は弟子たちと談笑し合い朗らかに笑っていた。
「ほっほっほ」
そこに1人の善人がやってきた。この人物は以前から寺にあらぬ誹謗中傷をつけている人物で、自分の人生のうまくいかないことを寺へはけ口にしていた。
寺に侵入してそうそう、その師匠に向かって罵詈雑言を浴びせた。
師匠は突如黙った。
「・・・。」
「おい、なぜ何も言わないんだ!あれビビっちゃったのかな?おーい、反応できますかぁ!?これだから論者はいけない!何も言い返せないですよ、なんとか言ったらどうですか!ねえ!」
「・・・。」
「何も言えないのか!今まで散々口を開いていたくせに、正念場になるとこれかよ!バカ!お前は何も出来ないんだ!さあどうする、これだけ言われて何もしないわけにはいかないよな?なあ!はぁ?なぜ何も言わないのだ!おいお前、なんとか言えよ!おい!!このクソ野郎!!おい!!!なんとか言ったらどうだ!!ねえ!!!おい!はぁ!?何も言えないのか?どうしたんだ、ねえ、どうしたんだ!!クソ!!!こんな半端者には用などない!!!!」
そうして善人はぶつくさ文句を垂れ流しながら、外に出て行った。
それを見て僧侶はその場にいた門弟と目を合わせ穏やかに、口を開いた。
「ほっほっほ。」
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