[創作]地元には興味があるけれど、地元の連中には興味はないわ
「私、生まれた場所には感謝しているわ。私を生んでくれて、そして私の愛する季節感を育んでくれたから。
だけど地元の連中には興味はないわ。なぜなら彼らは精神が安定しているからよ。
ぶっちゃけて言えば彼らは変わっていないのよ。私が昔知っていた彼らのままだわ。
でも一体、人間ってそんな固定化のされた存在なのかしら。
私はとても疑問に思うわ。
つまり私が全国に飛び交い、そこで素晴らしい人たちと交流を深めるのも、彼らがノイローゼを経験しているからだわ。彼らは変化し続けているの。
つまるところ彼らは貧弱で、脆くて、繊細だったんだわ。だから心が貧窮したの。でも彼らほど魅力的な人間はいないわ。
なぜなら彼らはその諸々の風雪を乗り越えた後に、目覚ましい四季の変化を見せるからよ。彼らは豊かな情緒を持ってるわ。
つまり全国に飛び出す理由は、全国の方が苦しんでいるからよ。
全国の方が繊細だからだわ。
故に彼らは繊細で、弱くて、それでいて才能が抜きん出ているのよ。
これが私が世界に目を向ける理由。
もちろん地元の人にだって、変化をしている人はあるかもしれないわ。でも聞かないのよ、ノイローゼで不適合を起こして、その後に表現活動をしている、って人。
結局前から知っていた彼らが目の前にいるだけなんだわ。
痛烈な批判でしょう?
でもそもそも、私だって人権がなかったのよ。
ましてや今みたいな口ぶりはしてなかったわ。
けれど私は生まれ変わった。彼らはいまだ彼らのままだけど、私は以前の私ではないわ。
だから私は素晴らしい人生を生きてるわ。
今日も全国には行き詰まってる人がいるの。
そのことを聞くと私はいてもたってもいられないのよ。
なんて人生は素晴らしいのでしょう!
地元には感謝をするわ、私を生んでくれて。でも地元の人と話すのは、ちょっとしばらくはお預けね。」
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