福祉の世界に 6 特別養護老人ホーム編

前回もお読み頂きありがとうございます。続きです。

特別養護老人ホーム…所謂『特養』と呼ばれる高齢者介護施設です。
皆様、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
寝たきりの方が多い、認知症の重度の方が沢山いる、車椅子の方ばかり、一つの大きな部屋に何人も入居している…こんなイメージではないでしょうか。

私が特養に勤めていた頃は、認知症が軽度であり歩行が可能な方も入居出来る時代でした。寝たきりの方ももちろんいらっしゃいましたが、皆様や世間がイメージする施設とは異なります。
その後、要介護3以上という区分の方しか入れないみたいになりますが…

ユニット型と多少型の簡単な違いを…
ユニット型というのは、所謂個室です。一人に一部屋という感じです。洗面所がありトイレがあります。
多少型とは、一つの大きめの部屋に4人程が入っているという感じです。

令和5年現在では多少変わっているかも知れませんが…
こんな感じです。

私が勤めていた頃は、色々な方がいました。
1日中、施設内を歩く方やどこでも排泄をしてしまう方
自力でご飯を食べれない方、話す事が出来ない方、触れるだけで痛がる方、入浴を嫌う方…様々でした。

Uさんと仕事をし始めて気付いた事があります。
何をするにも丁寧でスピードが速い。

そして、認知症の方と接している職員は必ずあると思う事がUさんにはありませんでした。

『イライラする事』です。
Uさんは、どんな状況でも入居者の方に笑顔で接していました。
介護される側も、介護する側も人間で感情があります。なのでイライラしてしまうのは当たり前の事なんです。
職員に対しても同じです。しかし、Uさんにはそれがありませんでした。
なぜなのか…本人に聞いてみました。

『僕は、プロとしての仕事をしているだけだよ』
サラッと答えられました。
プロ…
正直、初めて仕事に対してのプロ意識を持とうと思ったのはこの時でした。

それからは、Uさんに噛り付くように仕事や考え方を教えて頂きました。

ご飯を一緒に行ったり、飲みに行ったりプライベートでの付き合いも増えていきました。
そして、Uさんの事を知っていきます。
Uさんに許可を貰い、少しUさんの事を紹介?したいと思います。

Uさん
高校を卒業し、福祉系の専門学校に通い卒業。
障がい者福祉に携わる。仕事での人間関係のストレスでパニック障害を発症。一時車の運転が出来なくなる。自分が自分らしくいられない事への葛藤が始まり、仕事を辞め病気療養を開始。
服薬治療をしながら福祉の仕事に復帰。
とある研修でDさんに出会う。(施設長)
Dさんに自分の事を話すと、スカウトされる。
自分が自分らしくいれる、差別をしないが彼の芯にある物。
アニメが好きで特にエヴァンゲリオン。→私と一緒。
穏やかな性格で、怒りを出す前に相手の話をちゃんと聞く。
プライベートな時間はダメ男で自己中心的。
仕事とプライベートのギャップがひどい。

こんな人です。
10年以上の付き合いになりますが、師匠は変わらない。

そして、
彼の怒りを頂点にしてしまう事件が発生します。

また、次回。
ありがとうございました。





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