日本人が英語を話せない理由を考えてみた
日本人の英語力は低いという話を今までたくさん聞いてきました。
今回はその理由を自分なりに考えてみようと思います。
日本の英語力ランキングは80位
まずは世界的に見て日本人の英語力はどの程度のものか調べてみました↓
2022年11月17日にEnglishHub掲載された、
「日本の英語力は世界111ヵ国中80位ー2022年版英語能力指数ランキングが発表」という記事がわかりやすかったので一部抜粋します。
この記事によると日本の順位は80位で、全体的に見ても低い英語能力に分類されています。また、他のアジア諸国と比べても英語力は低いほうだと言われています。
なぜ日本人は英語ができないのかググってみた
では、その理由を考えてみたいと思います。Googleで検索したところ、以下の結果が得られました。
そもそも言語として英語と日本語は違いすぎること
日本では英語を使う機会が少ないこと
実践的な英語学習をしていないこと
私も上記に賛成です。
ひらがな、カタカナ、漢字を使う言語を母国語として生きてきたのに、いきなりアルファベットを使って話せと言われても無理です。しかも日本にいれば英語ができなくても困る事はありません。
ですが、これは日本に限る話ではないと思います。アルファベットとは無縁の言語を使う国も同じ状況だと思います。
それなのに日本人が特に英語力が低いのには、他に理由があるんじゃないかと考えました。
日本人が英語を話せない理由は、歴史にある
私が着目したのは歴史的背景です。
名古屋外国語大学教授の福田 眞人さんの論文『明治翻訳語のおもしろさ』が興味深かったので、その内容をベースに書きます。
まず翻訳の黎明期は明治時代。その時に外国語を含めた海外の文化が輸入されて、以下の言葉が日本語に翻訳されました。
今ではどれも日常で使う言葉ですが、明治前は日本語に存在しない言葉だったようです。
そして翻訳家たちが翻訳する際は、外国語の意味やニュアンスのまま表現しようと意識したようです。そして、この試みの背景には、次の想いがありました。
強調したいのは後半の”植民地政策に 屈しないようにしようとした”という箇所です。私はこの意図が、日本人が英語が話せない理由の根源だと思います。
つまり当時の翻訳家たちが頑張って外国語を日本語に落とし込むプロジェクトを成功させた結果、日本人は外国語を使わなくても生きていくのに困らなくなったのです。
個人的には、これはとても恵まれている環境だと感じます。
なぜなら母国語だけでは高等教育を受けることができない国や、英語が話せないと生活に支障をきたす国もたくさんあるからです。
これは香港に留学していた友人から聞いた話ですが、
「当たり前に自分の国や言葉があるのが羨ましい。(香港では)自分のアイデンティティを確立するのが難しい。」と現地の人に言われたと話していました。
そのため、この背景を知ってから日本人は英語が話せないという趣旨の
話題を見ると、まるでそれが悪い事のように話されていることに
疑問を感じるようになりました。
結論
日本語は表現の幅も広くて、豊かな言語であることをもう少し誇りに思ってもいいのではないかなというのが私の主張です。
長々と書いてしまいましたが、
日本人が英語を話せない理由は、日本語が豊かであるから
というのが私なりの結論です。
あとがき(余談)
※ここからは余談ですが、最近、日本文化ブームが来ているように感じます。
例えば、鬼滅の刃(大正時代設定)とか、「君の名は」「すずめの戸締り」(日本神話を導入)とか。
歴史と芸術が好きな身としては、アニメの中に歴史的要素を見つけると嬉しくなります。
そして民俗学について詳しくないと気づけない形で取り入れるクリエイターの技術にも勝手に感動しています(笑)
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