循環器専門医試験について

循環器専門医試験は受ける人は不安でいろいろとネットで検索しているのではないかと思います。少しでも情報を入手しようとネットの書き込みを見たり、人によっては過去問や予想問題を買ったりしているかもしれません。特に循環器専門医試験は公式な過去問の販売はなく、専門医という雑誌に問題が少し乗っているだけで情報が少ないうえ、出題範囲が広く対策がしにくいのもあると思います。また、合格率が高いため落ちたらつるし上げられる不安もあると思います。
私は既に合格していますが、試験を受けた感想としては簡単ではありませんが、時間を掛けて対策しないと合格できないほどの難易度ではありませんでした。対策をした時間としては不整脈専門医試験>総合内科専門医試験(J-OSLER導入前)>循環器専門医試験>>内科認定医です。
合格率は毎年90%弱、問題は120問程度で除外問題ありで正答率が65~70%がボーダーラインのようです。普段から手術や治療の際にガイドラインを確認している真面目な方であればほとんど対策しなくても70%程度は答えられます。

試験問題は出題範囲が広いためガイドラインのclass2aや2bを細かく問う問題はほとんどなく、class1適応を中心に出ます。ガイドラインで弁膜症、心筋症のclass1適応の治療は確認しておきましょう。医師国家試験と異なり新しく承認された薬や適応拡大となった薬は早い段階から出題されるためこちらも確認しておきましょう。
細かくは聞かれないため専門にしている分野があればそこはあまり勉強しなくても大丈夫です。私は虚血・不整脈を専門にしていたためその分野はほとんど対策しませんでした。EPSや抗不整脈薬、抗凝固療法、抗血小板療法はある程度経験していればほぼ解けますが、経験が少ないのであれば必ず確認しておきましょう。EPSはPSVT、AFL程度で基本的な診断しか出ないのでそれが分かれば十分です。LQTやBrugadaはよく出題されますが診察する機会は少ないのでこちらはガイドラインで確認しておくことを勧めます。
私が受けた年は意外と心臓MRIの画像所見を問う問題が出ました。心臓MRIは遅延造影のみの典型画像ばかりでT1 mappingやSTIRは出なかったと思います。対策がしやすく、得点源になるので遅延造影の典型画像(MI、アミロイドーシス、サルコイドーシス、DCM、ARVC)は覚えておいた方がいいと思います。
また、ASOや動脈炎、肺高血圧症のような病院によっては循環器内科が診ていない疾患も出ます。詳細に覚える必要はありませんが、診た経験がなければ疫学、診断、治療は確認しておきましょう。IPHに何を使うかなど詳細は出題されなかったと思います。
先天性心疾患はASDやVSD程度でほとんど見たことがないという方も多いのではないでしょうか。上記の通り難易度の高い問題は少ないですが、過去にはTGAに合併する不整脈を選ばせる問題も出ています。学会は成人先天心が診れる医師が少ないことに対して問題意識を持っているため出題されなくなることはないと思います。ただ、私が受けた年は数問しか出ず、全部できなくても十分合格は可能でした。範囲が広いわりに出題数が少なく、費用対効果があまりよくないので時間があればガイドラインを診ておくぐらいでよいでしょう。

過去問は重複している問題はあるため役には立ちますが、それだけでなく上記に書いた点を中心にガイドラインをきちんと読むことを勧めます。

2018年、2021年の過去問を掲載しているサイトがあるので参考にしてください。
2021年日循専門医試験問題 再現 | 2018年日本循環器学会専門医試験 受験体験記と試験問題再現 - 楽天ブログ (rakuten.co.jp)
2018年 日本循環器学会専門医試験 受験体験記 再現問題 | 2018年日本循環器学会専門医試験 受験体験記と試験問題再現 - 楽天ブログ (rakuten.co.jp)
2021年 日本循環器学会専門医試験 受験しました。 - YouTube

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