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お薬おばさんのつぶやき

私は薬局で働く薬剤師。
お薬おばさんのつぶやきも書き加えましょう。
薬局では、市販薬や病院で処方される薬を扱う。
病院で処方される薬は、国が定めたルールに沿って流通し、何か問題が起こる度に末端の薬局で一般の人たちに、個々に事情を説明する。
端的に言うと、今まで扱っていた薬が入ってきません、代替のこの薬で何とか我慢してください、と言葉を選びながらお詫びする。
いつも、被害を被るのは、そういった立場におかれている人たち。
コロナ禍以前にも、そういった事態は少なからずあったのだが、ジェネリック医薬品の事件、追い討ちをかけるかのようなコロナ禍、世界情勢により原料の輸入の問題など、測り知れない事情により、現況はかつてない状態に陥っているような気がする。何より恐ろしいのは、その状態に慣れてきている事。
すでに、ロキソニンとロキソニン後発品までも入荷しなくなり、1週間経過した。
そのうち入ってくるだろう、と信じて待っている事自体が、異常事態。カロナールですら危なっかしい時期もあった。

こんな馬鹿げた事、未だかつて無かった。薬局にロキソニンが無いなんて。

これはもう非常事態なのでは。国民が健康に安心して日々を送る事が当たり前ではない世の中になっているにも関わらず、非常事態に気付かぬふりをして毎日を過ごしている。

これは戦時中と同じかもしれない。まだ大丈夫、という正常化バイアスが働いているのだろうか。何年か後は、時すでに遅し、かもしれない。

薬を調達する事も流通させる事も出来ない、非力な自分には、祈ることが精一杯のことかもしれない。どうか、辛い状況や悲しい状況におかれている方々の苦痛が、少しでも減り消え去りますように。

考えることはいつも同じ。ヒトは何でこんなに辛い状況でも生き続けていかねばならないのか。幸せに生きていくって何て困難なことなんだろう。
今日も、目をつむって心の中で祈るのみ。


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